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【遊技機開発】現場の制作環境って実際どんな感じなの?

業界未経験の方や、今からサウンドクリエイターを志す学生さんにとっては非常に気になるポイントではないでしょうか?プロフィールにもある通り、僕自身も未経験からのスタートでしたから、最初はみなさんと同じ気持ちでした…。今回は僕の経験からお伝えできる内容を記事でお伝えしていこうと思います。

Q1.MacかWindowsか?

サウンド制作をする上では、どちらを使っても問題ありません。使用するDAWソフトの種類も人によって分かれています。但し、これまで多くのクライアントとお仕事をさせていただく機会がありましたが、WindowsのOffice製品を使うシチュエーションが非常に多いです。ほぼ毎日使うと言っても過言ではありません。

一つ目の例としては、クライアントから提供される資料がそれにあたります。

実際に制作する際、その演出が開発する機種においてどのくらい熱いのか(どれくらい当たりに関わってくるのか)、どういうバリエーションが存在するのか等を記した仕様書というものを見ながら作業をします。稀にメールの場合もありますが、膨大な演出が存在するプロジェクトにおいて、一つ一つの演出に対して逐一細かい指示をメールで受ける事はまずありません。

二つ目の例としては、プロジェクトの進捗管理をExcelの資料でやり取りすることが多い事が挙げられます。遊技機業界だけではありませんが、プロジェクトに関わる会社毎に、一定のルーティーンで資料に進捗を追記していく形がスタンダードです。サウンドを作る会社があれば、映像を作る会社、ランプを作る会社も関わってきますので、最低でもExcelの操作(文字の入力、フィルタリング、簡単な関数 etc)には慣れておいた方が良いと思います。

Q2.必要なソフト

僕が普段使用しているソフトは大きく3つあるのですが、まず一つ目は

MA用ソフト

です。MAって何?という方(僕自身がそうでした)の為にご説明させていただくと、大概のケースの場合、まずは映像のデータを受領することになります。その映像に対してBGMやSE、時には収録されたボイスデータをあて込んでいく作業をすることになる為、動画と音声を同じソフト内で編集できるMA用のソフトが必要になるんですね。

さて、このMAソフトですが僕の周りでは大きく以下の4種類が主流です。

Adobe Premiere

Avid Protools

SONY Vegas pro

Steinberg Nuendo

ちなみにCubaseについてはビデオトラックのトラック数に制限があるためか、僕の周りにおいてはMAソフトとしての登場はしません。

業界では一つのオーダーに対して動画が数ファイル、時には数十ファイル存在する、というケースはちょくちょくあります。そういう場合に複数ビデオトラックをコントロールできるのは重要なファクターなのかもしれません。

二つ目は

DAWソフト


です。DAWソフトについては人によって自由に選んで使っている印象です。個人的にはLogicとNuendoの両方を使っています。BGM、SEを問わず、制作の過程で度々登場します。ひとまずは自分の武器になる使い慣れたソフトが良いと思います。ちなみに、DAWベースでのセッションのやり取りは経験上かなり少ないです。場合によってはステム(パラ)データの提出を求められたりすることも稀にありましたね。

最後に3つ目ですが、

波形編集ソフト

です。特にSEの素材をより細かくエディットする場合に使います。例えば、リーチの当落を煽っていく為に、素材に対してピッチベンドをかけて盛り上げる、あるいは強さを表現する為に素材を連打させたり…挙げ始めるときりがありませんが、DAWソフトよりも動作が軽く手軽にエディットできるのが特徴です。具体的には

Adobe Audition

SONY SOUND FORGE PRO

などがそれにあたります。

中には非破壊で編集する(DAWソフト内でエディットしていく方法)方もいらっしゃいますので、どれが正解ということはありません。効率的に制作ができるソフトを使えば良いと思います。但し、これはよくあるケースなのですが、一つの納品物に対して複数回修正や調整を行ったあと、素材単位(いわゆるパラデータ)での提出を求められることもありますので、プロジェクトが終わるまでは、いつでも前のテイクに立ちもどれるようにしておくのが良いと思いますよ。

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