見出し画像

めのすのレポート

「風雲かぼちゃの馬車」第二十一回本公演
体感型ミュージカル
Fumiko
2019年8月15日~8月18日
東京芸術劇場 シアターウエスト

出演者(敬称略)
傳谷英里香/眞野基範/南雲秋助/高橋範行/須佐光昭/宮内咲希子/村上亮/古谷悠歩/新堂菜津子/風間庸平/橘奈穂/田中清志郎/西堀文/兵藤結也/藤井ちいこ/藤丸千/古川博巳/政野屋遊太/甘利みくり/重野ひかり/嶋澤のどか

staff
演出:土井宏晃
作・作詞:重信臣聡
作曲:中島とくあき
振付:坂田守
舞台監督:矢島健、鳥養友美
照明:江見千尋
音響:鷹取こうへい
舞台美術:眞野祐美子
映像:志朗
演出助手:山田愛莉
衣裳:小鹿鷹太朗
歌唱指導:大畠英人
チラシ撮影:鈴木翔太
スチール撮影:平館平
パンフレットデザイン:高橋範行
当日運営:秋山静
製作:かぼちゃ製作事務所
製作協力:サンダーストームE.G.
協力:株式会社レプロエンタテインメント

わたしは、劇の中にいた。

今回のチラシのアオリには
女優・傳谷英里香、初主演
"体感型"ミュージカル「Fumiko」
あなたは劇の中にいる

そのアオリ通りであった。

物語の舞台は1930年代のアメリカ。
西海岸の日本人街に暮らす1人の少女の話。

諸君。私は風雲かぼちゃの馬車が大好きだ。
2012年11月の「With me, Without!」から、欠かすことなく観劇し続けてきた。あれから7年弱ほどになる。当時大学3年生の私も、今や社会人。以前は最大年間3公演打っていた時期もあった風雲かぼちゃの馬車も、いつからか年間1公演となった。しかし、公演を観る度に「今までで1番」と感じさせられる。成長し続けている。進化し続けている。留まることを知らない。何度観ても飽きない。所属しているメンバー全員が各々の魅力できらきらと輝いている。そして本当に仲が良い。風雲かぼちゃの馬車が大好きな理由は、挙げきれない。
そんな風雲かぼちゃの馬車の、今回の本公演。

「体感型ミュージカル」って何よ?????
体感スタンディングって何よ?????

アイドルの女の子を主演に?????
東京芸術劇場で?????
速報チラシを確認して、驚愕した。そして、すごく心配になった。

「体感型ミュージカル」という単語を見て、「SELVA!」再演を思い出した。中野の劇場MOMOでの公演。あの時も舞台と客席の距離感がかなり近く、汗や色んなものがビシバシ飛んできていた。観劇したときも、こんなにも近いところで観れるなんてすごい贅沢だなと思った。それこそ体感したとも表現できる。だが「体感型ミュージカル」とわざわざ銘打たれている。

体感スタンディング。スタンディング。立ち見席。
・・・立ち見?????
立ち見って、あの?客席の一番後ろの壁際に立って見る、あれのこと?
お客さんが殺到するような舞台で、ギリギリの対応として行われることがあったりなかったりする、あれのこと?風雲かぼちゃの馬車で?え?
マジで戸惑った。

でんや、さん・・・?どなたでしょうか・・・。
陰キャなヲタクでアイドルに疎い私には、初耳のお名前でした。
少々ネサフしてキャリアやメディアでの過去の活躍を確認。
「あまちゃん」はリアタイしてなかったがさすがに分かった。
アイドルとしての実力はあるのだろう。
だが、演技の方は?
歌も踊りも、アイドルで培ったものを活かせる場面はあるだろう。
しかし、舞台だ。テレビ画面を通すことない、生の舞台。カメラで縁取られることのない世界。初主演。

東京芸術劇場。名前は知ってた。写真を見た。
・・・でかすぎやしないか?????

公演が近づくにつれ、普段は稽古の様子などツイッターで報告が上がるが。今回ほとんどなく。
代わりなのか、台本が無料公開されていたが。どんな演出になるのか一切想像できなかった。
以前は、出演キャストのトーク等が動画で公開されるなど、公演に向けての盛り上がりを公式が煽ってくれていたこともある。コンプライアンス的な諸般の事情があるにしたって、公開される情報量の少なさに不安になっていた。物販の情報も、新作グッズに胸躍ったがブロマイドについて一切触れられていない。何故だ。全部買うのに。予算組むのに。

そもそも女性アイドル、そのアイドルのファンへの苦手意識もあった。
高校生時代、劇団扉座の「ドリル魂」というミュージカルを見たときのこと。その作品でゲストとして伊阪達也氏、AKB48の渡り廊下走り隊の4名が迎えられていた。当時「ROCK MUSICAL BLEACH」に熱を上げていた私は伊阪達也氏を目当てにワークショップに潜り込み、足しげく公演を観に行っていた。
その公演を観に行って、アイドルファンのマナーの悪さを目の当たりにした。上演中にも関わらず、アイドルが出ないシーンは居眠り・スマホやケータイを操作する。暗転中に非常に目立って仕方がない。アイドルが出てきて曲を歌うシーンになった途端、許可のされていないであろうペンライトをどこからか持ち出して、まるでアイドルのライブさながらの掛け声・合いの手。
怖かった。心底怖かった。…私は一体何を観に来ているのだろう?作品の雰囲気を台無しにされたように感じてしまった。そんな事もあったが劇団扉座に心奪われたおかげで、心底楽しむことはできた。
今でも劇団扉座、主宰の横内先生、「ROCK MUSICAL BLEACH」は大好きである。舞台・演劇・ミュージカルを本当に好きになるきっかけとなったあの公演は、数少ない青春時代の良き思い出。同時に、アイドルのファン(特にそうであると自称する男性)への、拭い切れない強い苦手意識が生まれたのである。

過去、例にない程に数々の不安があった。
劇場のキャパシティを埋めるほどに至るのか?
上演時間の間、観客がスタンディングして体力が保つのか?
傳谷さんを好きと言う、舞台のマナーを守らない、気にしない、己の満足の為だけに走るような、そんなアイドルファンに作品を壊されてしまうのか?

蓋を開けてみれば。
劇場のキャパシティが駆使され。
約1時間40分という上演時間があっという間で。
傳谷さんファンのマナーの良さ、その姿勢。
公演の良さをより引き立て、この成功を後押ししてもらった。
風雲かぼちゃの馬車の、しがない1ファンとして感謝しようにもしきれない。本当に、ありがとうございました。御礼申し上げます。

前置きが長くなったが、ここから公演の感想。

鐵三役、須佐さん。
ボイトレの成果がとんでもないことになってる。バリバリの低音だった「二都物語」から劇変していた。若い。青年らしい青さの感じる声。演技。いつからかイケメンフィルターが強まりだしている。あまりのイケメンさに脱帽。あれ。ずっとイケメンだったっけ?笑顔の素敵な良い声のお兄さんイメージではあったが。あれ?うっかり須佐沼に落ちるぞ。4日間通して観て、演技が1度も同じ回がなかった。近いような所はあっても、家族団欒シーンのリアクションや、森の中でのシーン等、細やかな違いが明快だったように思う。17日マチネの葬式後のFumikoへの「ごめん」で頭を下げていたが体感スタンディングでその表情を間近で観ていた。もう・・・!もう・・・!

正一役、風間さん。
この方、風雲かぼちゃの馬車の公演に過去3度客演されている。今回も死にましたね。(殿が音痴、二都物語、殿が音痴藤沢公演より)
「役者の見せ場は死に際」とどこかで耳にした。見せてもらいましたよ。撃たれて、後ろへ倒れ込む姿。表情。力が抜けていくしなやかな両腕。指定席からも体感スタンディングからも。あの死に際があってこその、葬式でのFumikoの挨拶だと思う。死に際も、死んでハケてからも生きていた。不器用な父とぶつかる不器用な兄。脚の悪さというハンディキャップを抱えながらも、立派な商売人を夢見て、一生懸命生きる兄。そして妹のFumikoを理解し、心から愛する兄。色んな表情がやっと見れた。特に優しく笑う、あの顔はズルい。ズルい。好きか。好きです。

父役、のりさん。
プライベートでもリアルパパさんだが、今回は昔気質な時代を感じる父であった。アメリカで懸命に働いて、クリーニング店を開き、正一とFumikoを育ててきた。家族団欒シーンで、体感スタンディングで立った角度で、父の穏やかな笑顔を観たとき、胸がギュンってなった。ここはアメリカで、俺たちはよそ者だ。そう強く言い放つ姿は、渡米以降の血の滲むような苦労が薫ってくるようだった。己が苦労してきたように「大事なことは自分自身で気づいて、経験して、糧にしないと、身にならない」と、正一に優しく伝えられない不器用さ。正一の葬式で、ほぼ不動であったが千秋楽で鐵三と顔を合わせ、そして母の落ちる肩をそっと抱きながら去っていくのを観て、涙が止まらなかった。

母役、みっちゃん。
ママ。ママ。もうみんなのママ。
ママだけど若いママ。お母さん。しゅき。
父の言いつけを守らなかったFumikoに、鐵三の前だからと静止するが、Fumikoに謝るように促す姿は、一歩下がって夫を立てる妻だった。父に叱られたFumiko、不器用同士故に激しくぶつかりあってしまう正一と父、それぞれに優しくフォローする姿は、母であり妻であり。これを良妻賢母というのだろう。アンサンブルでのダンス、魅了される。OP、センターオブザワールド、mirror。上手寄りによく居たかな。

David役、村上くん。
風雲かぼちゃの馬車の王子様。ここ最近は中々なクレイジーアクターだったが、イケメンに徹したらそりゃカッコイイに決まってるじゃないですかヤダー。最高でした。年齢不詳気味な異色な存在感は、古川さん演じる劇作家との対比が強かった。かなりの腕と目利きのある劇作家というDavidの印象が、あの短いオーディションシーンで入ってきた。オーディションでFumikoと出会い、どんな作品を生み、Fumikoをどんな役に当てたのか。劇中語られない内容の一つだが、M6クインテットでのFumikoを見つめるあの顔を見たとき、ブロードウェイで大喝采を浴びる作品に違いないと確信した。戦争によって譲れないものを折り曲げられた悔しさが、粗々しく声を上げるDavidを観て伝わってきた。何よりもI wonder…。wonder…。ずっとwonder。愛おしすぎる。ちなみにクレイジーというか、ぶっ飛んでるその様子は、昨年の二都物語をご覧いただきたい。一番でんちゃんさんと絡む役であっただけに役得すぎでは?でんちゃんファンの嫉妬を買うぞ?と思ったが、身内からの嫉妬を買い「爆発しろ」となぐもんから罵られてましたね。(かぼラジより)

Rachel役、藤井ちいこさん。ちいこ姉さん。
昨年の二都物語での美声、歌声、演技にビリビリ痺れた一人。今回も素晴らしく。超至近距離でmirror聞いて足元が揺れる感覚に。ブロードウェイを志す1人で、Fumikoのライバルとして友として切磋琢磨しあっていた。腕利きの劇作家Davidに早々に才能を見出されたFumikoをどこか警戒しているようにも見えたが、別れのシーンでの絞り出すようにFumikoと話すRachelの姿には、親愛・友愛を感じた。きつい言い方や言葉が出ることもあったが、それはブロードウェイを本気で、共に目指しているからこそ。互いに互いの努力を認め合っていたからこそ。Rachelの初主演の舞台にはFumikoからの花が届いていてほしいな。アンサンブルでは、OP、日本人街のパン屋、盆踊り。体感スタンディングでめちゃくちゃ絡ませていただきました。あんぱん買ったり、踊ったり、レモネードの手拍子を褒めてもらったりしました。

DJ役、なぐもん。
彼がいなかったら体感型ミュージカルが実現しなかっただろう。誰一人欠けても成立はしなかったであろう今作だが、大いにキャスト・観客を引き込み巻き込んだ、彼の役者魂(芸人魂?)には一際大きな拍手を改めて送りたい。Fumikoの世界観から明らかに浮いた、異質な存在。アマチュアナイトで盛り上げ、レモネードの件で観客を煽る、日本人街で新聞を売り、盆踊りで扇動し、センターオブザワールドでダンサーに扮し、mirrorでは移動舞台上で踊り、バトンを下ろすが一切作業しない作業員だったり、正一の葬式の司会になりきり、しんみりして…。開場から開演直前まで舞台上でリズムを刻み、拍手ジャンプダンスを時たま煽る。開演してからも、ほぼ出ずっぱり。でんちゃんさんと良い勝負の出演時間。グレイテストDJ。グッジョブでした。そして、あなたは推しでもファンでもアイドルでもない、「なぐもん」という立ち位置に降臨しましたよ。なのでいくら罵ろうが煽ろうがキレてこようが「あぁ、なぐもんだからな(納得)」となります。byかぼちゃファン

Dancers、甘利さん、重野さん、嶋澤さん。
かぼちゃはいつも本当に素晴らしすぎるダンサーさんたちに恵まれてるな!!!最高かよ!!!身体表現ってあらゆるものになったり、抽象的なイメージの具現化のようになったり。ダンサーすごい。ダンスだけでなく、歌唱・演技シーンにもしっかり溶け込んでいる。え?ダンサーさん、みんなオールマイティすぎませんか?指先足先への意識だけじゃなく、全身、心、すべてを使いこなしているように見えた。前楽、千秋楽の開場中のオンステージからのダンスはマジ最高でした。DJ置いてきぼりなのが、更に良かった。

ここからはEnsemble。
眞野さん。眞野さん出てくるシーンは本当に安心して観ていられます。癒しです。歌声の安定性。ダンスの機敏さと静と動の切り替え。Davidとぶつかるシーン、瞬間的な短いやり取りで戦争というあらがえない大きな力に、悔しさが見えたことでFumikoの周りにいた人々の優しさが垣間見えたように感じた。誰も戦争なんて望んじゃいないんだ。でも起きてしまった。監督なりに裏で苦悩した末の結論。みんなどこかで悩んでる。それが表に出すか、出さないかの些細な違いしかない。Fumikoにとっても、監督にとっても、非情な判断となった。

ゆっぴさん。歌ぁぁぁ!!!!!
mirror、ほんと、ゆっぴさんちいこ姉さんコンビとか、ばちくそかっこいい。かっこよかった。何度mirrorのときにこのお二人に目線を奪われたことか。開場してからの客席案内の柔らかい物腰からの、ダンス、歌。ギャップがやばい。だめです。こういうのにホントに弱いんです私。そりゃスタンディング客もモーゼのように道を開きますよ。女性らしさ以上に異性のようなかっこよさがすごく漂ってました。後々聞いたところによると指定席の割り振り担当もされていた、と。感謝です。ただただ感謝です。千秋楽のチケット引き換えたときに神配置だと分かった瞬間、足腰が抜けました。開場前から涙でした。感謝。

どなちゃん。風雲かぼちゃの馬車へは客演でも出ていたことのあるパワフルガール。劇団員としての初公演。まーー可愛い。チャーミングスマイル。風雲かぼちゃの馬車の「妹」担当。夏祭りの準備から浮足立つ女の子、アマチュアナイトのコーラス、レモンガールズ。Fumikoと鐵三の再会シーンと同時進行の舞台リハーサル、早着替え。毎回毎回最後の順番での早着替えに頑張れ頑張れと祈りましたわ…。ベストを被るように着て、ぴょんぴょんする姿とか小動物です。mirrorのダンスも体感スタンディングの際に間近で見させてもらいました。ぷりっとしたお尻好き。

なほさん。ポメラニアン。
昨年の二都物語では「狂犬ポメラニアン」の異名が生まれたが、今回は可愛らしい、愛らしいポメラニアン感。体感スタンディングに赴いた観客をエリアに案内して一緒になって踊ってくれる。この方も盛り上げ上手。センターオブザワールドでのダンスシーンで「SELVA!」のアゲハの女王の衣裳着て踊ってたけど、あの服絶対動きづらかっただろうに…!ポスター貼りでは、性別が変わってて、男役も女役もできる姿は二都物語でも拝見してた。純粋にすごい。男役と女役の演じ分け、役への入り方やアプローチが全く違うのにそれができる。強いで。

きよしろーさん。
昨年の二都物語ではキーパーソン。とんでもなく胡散臭いキーパーソン。今回は「サボるのが仕事」と豪語するサボり魔。開場してからの様子も役が入っていたのか、他のキャストや観客の入りをチェックしているようだった。どちらかというと硬い。仕事はきっちり行いつつも、陰ではゆるっとサボっているような強弱を表現しているのかなという推測。一瞬でも舞台上で気が抜けてる姿が(照明が当たらない暗い中でも)見えてたら「あ、こいつ監督や他のスタッフに怒られないところでサボる常習犯か」と思う。それでいて仕事は固くこなす姿との差があったら、より人間味があったかもしれない。ちなみにラストのメドレーのshow must go onの下手でのダンスのキレ、良きでした。良い脚と腰のラインです。

西堀さん。ぶんちゃんさん。
この人のスタイル、プライスレスすぎる。コーラス隊でものすっごく伸び伸びしてるの、可愛いか。可愛いです。昨年の二都物語ではヒロインでした。高身長カップル。あの絵になる具合は良きです。油絵とかで描いて飾りたい。高級ブランドを身にまとってモデル歩きしてほしい。

ひょーちゃん。
今回この人えっちゲフンゲフン、セクシーすぎやしませんか。日本人街でのラムネ売りの兄ちゃんと、各所で現れるダンサーの時とのギャップ。OPとmirrorのダンサーのひょーちゃんがセクシーすぎる。初日に目線持ってかれた。横顔とか腕から指先までとか。腕フェチに目覚める。フェチが増える。

藤丸さん。千ちゃんさん。
ごめんなさい目が足りてませんでした本当に申し訳ない。オーディションシーンでDavidに台本渡したのは千ちゃんさんだったのは確実に分かったんです。そこ以外は体感スタンディングに溶け込みすぎです、くノ一ですか。アサシンですか。(誉め言葉)

古川さん。
濃い。お顔が。お顔だけでなく、若干神経質な劇作家のキャラも濃かった。あの見る目なさというか、成功しなくてはという焦燥感というか。その姿に、人間いつだって余裕を持つのは大事だなー、と。あとお歌もさることながら、ラストのメドレーのOPのダンスのキレ、きよしろーさんと並んで良きでした。良い脚から腰のライン。脚捌き。終演後の面会も比率高めにお喋りしてもらえてホッコリでした。

のやさん。
今回のやさんの身体能力フル活用のダンス、アクロバットが際立ってた。お歌もツイッターに格闘中の様子を醸し出していたが、普通に良かったのでは?センターオブザワールドでの男性ハモリ綺麗でしたぜ。OPの嶋澤さんとのペアダンスで、高速スピンしてたの最高にクールでしたよ。三日目くらいから高速スピン前にのやさんサスペンダーをさりげなく下ろしてるのも、その隣で重野さんひょーちゃんペアがえっちゲフンゲフン、セクシー爆発してるのと相まってOPからニヤニヤする顔を抑えるのどれだけ大変だったと思うんですか反省しないでください、いいぞもっとやれ、待ってます。

そして。
Fumiko役、傳谷英里香。でんちゃんさん。でんちゃん。
村上くんと同い年という点に禿げました。
どこかアイドルを舐めていた私は私をぶん殴る。
アイドルじゃない。ここにいるのは。女優だ。主演だ。
三日目からブラッシュアップが効いてきたのか、単に調子が上がってきたからか、ほぼ別人のようだった。
正直、初日二日目はアイドルのようだった。決められた振付、きっかけ、セリフ、目線の配り方まで。なぞるかのような。頭飛びぬけた外見の良さに、当初から目が眩みそうであったが、二日目のソワレ指定席で観ていて何か弱かった感があった。おや?初日指定席はなかなか色んなものが飛んできていただけに、二日目はどうしたものかと思った。はっきり言えば、私の真隣のお客さんが終始爆睡してたんですわ。曲がかかるといったタイミングでハッとするけどすぐ寝る。でんちゃん出ていないシーンでそれならまぁ、となるがでんちゃん出てきて歌っても踊っても喋ってても結局全部寝てる。あと視界的に見えるところで2、3人寝てたのは確認。それほどに二日目は悪い方にヤバかった。そこからの変貌ぶり。見せつけてもらいましたよ。全公演通してみてきて良かった。この上がり方を初主演で出来たのだから、自信をもっていただきたい。今後も、もっと多くの舞台を踏んでいくであろうでんちゃんさんの更なる飛躍を切にお祈りいたします。また、もし、風雲かぼちゃの馬車の作品に出ていただけたら、幸いです。お待ちしております。

長い。ごめんなさい。反省はしてない。

ここまで長々と書いてて、分かってますとも。長すぎる。いや、感想ツイートどころか、日替わりポイントや変化をメモすら出来ないレベルの情報量。体感スタンディングでの情報量は、頭での理解が一切追いつかない。頭の思考を通さない。本能。直観。感覚。いつからか生まれた一体感。これはとんでもないものを4日間、体感してしまった。背景演出としての映像も相乗して、効果が適切だった。初日は映ったFumikoとDavidのツーショットはどこにいったのだろう。

風雲かぼちゃの馬車。向こう10年、付いていきます。
置いていこうが何だろうが。食らいついていってやります。
お覚悟を。以上、8720文字のレポートでした。

2019.8.21
めのす