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【小児科医にきく】子どもの低緊張って何から来るの?

2歳を過ぎてようやく歩くようになり、療育を利用しています。低緊張児というのは何か疾患があって低緊張時なんでしょうか、それとも単体で存在するのでしょうか。



Instagramフォロワーさんから頂いた上記の質問を、小児科医の石川道子先生に答えて頂きました。この記事は、以下のInstagram Liveでの内容を、部分抜粋し、言い回しを少し変えて記事にしています。


A:
通常、いろんな運動する時には、筋肉を収縮させて動きます。低緊張というのは筋肉が柔らかく筋肉が十分に収縮せず、動きが出にくい状態です。


完全イコールではないですが、低緊張の原因に、遺伝的な要素も考えられます。ご両親どちらともインドア系であまり運動好きではなく、どちらかというと体が緩い、といったこともあります。

一番心配なのは、筋肉の病気が原因の低緊張です。その状態の時は、まず血液検査をしたり、筋精検という筋肉の組織をとったりします。非常に数は少ないのですが、あまりに低緊張がひどいお子さんだと、寝ている状態で手を上げることも出来ないような柔らかさの場合もあります。

以前お話したように、1歳半くらいまでに歩いてないお子さんは、何か原因があると考えていくのが基本です。歩いていない場合、低緊張によって運動がゆっくりだったのか、それともご本人があんまり動くことをしないお子さんだったのかを考える必要があります。

つまり、移動手段をどんどん使ってる子は筋肉しっかりしていくんですけど、その経験が少ないゆえに、体や筋肉を使っていない状態も可能性として考える必要があるということです。

筋肉だけの問題だったら、療育先で精密検査をされてると思います。なので、何かしらの動く意欲や動き方にもアプローチが必要ですね。

それから、体が大きくなると労力も沢山いるんですよ。通常、1歳半ぐらいまでに歩くと、本人の意欲と動きたい範囲の、バランスがちょうど良いです。しかし、1歳半よりも年齢が大きくなってくると、体が大きくなってくる分、動かすのに必要なエネルギーも沢山必要になります。

また、あまり大きくなってから立ち上がると、股関節や足首のところの関節が、体支えるためにやや無理な動きをすることもあります。ですから、歩き始めるのがゆっくりだと、動き方がぎこちなくなることがあるのです。その点から、早い時期からの専門家の介入はあると良いですね(例えば理学療法士など)。

例えば、足の支える力が凄く弱いという場合には、普通の座り方であそばせるんじゃなくて、膝立ちで机の上に物を置いて遊ばせるという方法もあります。膝立ちになると、ももの筋肉を使うので、足の裏をちゃんと床に付けるようになります。また、歩行の前提として、足の裏を床に付けることに慣れてないと立ち上がれないので、そういった面でも良い運動ですね。


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