誤嚥を防ぐ「とろみ剤」に間違い

こんにちは。言語聴覚士の松田です。
今日は高齢者に多い嚥下障害について。
その中でも「とろみ剤」についてです。

あなたはとろみ剤を使っていますか??
もしくはとろみ剤を使って作ってあげる立場の人ですか??
今日はとろみ剤を使用している人全般に届くよう書きます。

とろみ剤の目的は、液体にとろみをつけること。
飲み込む力が弱った結果、通常の液体速度だとむせ込んだり誤嚥してしまうための回避手段。予防的対策。
とろみ剤の適切な量を調べることは医療職のなかで、言語聴覚士が担当している専門分野です。

とろみ剤を使用せずにいると、むせ続けると、どうなるかご存知ですか。

飲み込む力が弱った結果、肺炎を引き起こすことがある。
それを高齢者の死因第三位にまでなってしまった「誤嚥性肺炎」といいます。

プロセス的には単純な筋力低下(老化)と脳障害(脳神経損傷の病気系)の2つにまずは私は分類しています。
そこから専門的にふるい分けしていき、どんなパターンで飲み込めなくなっているのか。何をしたら能力向上や維持ができるのか。介助の仕方が問題になっていないか。とそんな所を見極めながら嚥下訓練をしていく。

今回は誤嚥性肺炎予防として多く普及されている「とろみ剤」について。
よく質問されるのが「どのくらい付ければいいですか?」という質問。個人的には、人によって危険な量が異なるのである程度目の前で評価しなければ不安でお答えできないことも多い。
そもそもこの質問の前提に間違いが隠されていることが多いと思っている。

実際のとろみ付け指導に入ると、100人以上みてきたが体感で8〜9割は間違いをしていると感じる。
何が間違っているか、と聞かれれば圧倒的に「ダマ」である。
この「ダマ」というのは、とろみ剤を使用したことのある人なら必ずわかってしまうと思う。一度できると砕いても潰そうとしても残ってしまうあの塊のことである。
なぜ不要な「ダマ」を作ってしまうのか、原因はハッキリしている。
「誰も教えてくれないから」、である。

市販のとろみ剤説明書にも混ぜることは書いてあるにはある。しかし、その通りにしても「ダマ」になる率は高い。
結果、温かい液体で作ることが正しいように誘導されている。

冷たいと凝固しやすく、温かいと凝固しにくいという性質を利用しているので当たり前に感じます。
だけども、夏場や喉が渇いたタイミングには冷たいものを好む人も大勢いる。

冷たい飲み物にとろみを付けたとしても「ダマ」ができない方法を残しておこうと思い今日は書いてみました。

「ダマ」ができるのには理由があって、
それを解決する方法もちゃんとある。

キーワードは3つである。
【渦(うず)】【一気に投入】【撹拌(かくはん)】

次のページでとろみ剤の使い方を書いていきます。

試飲したり、たくさんの人と関わって私が感じたこと。
とろみ剤独特の味よりも、「ダマ」への不快感が強い。
大勢の「とろみがついたものを飲みたくない」という根本的理由も、「ダマ」があることでの不快感(=不味さ)だったということ。

それではまた!

もしサポートしてくれたら、その数の分だけ私の自信になります! でも、ホントは いいね!やフォローだけで十分嬉しいです(*^^*)