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社労士試験の合格基準〜まれに牙向く『キャリーオーバー』にも注意!

皆様、おはこんばんちわ☀️🌄🌛
独学の帝王です👑

ここ最近は合格基準予想の話が中心になってますが、選択式にしても択一式にしても総得点の合格基準点は全受験生の平均点の前年比で決められる話をしました。

しかし、そこにもう一つモノ申してくるヤツがいて、それが今回お話しする【キャリーオーバー】なのです☝️


<キャリーオーバーって何ぞや?>

今の合格基準点の決め方は、かつては記述式だった試験が選択式に変わったちょうど2000年の平均点が基準になっていて、

✅選択式 受験生平均:25.9点、合格基準:28点
✅択一式 受験生平均:35.1点、合格基準:49点

であり、その得点から受験生平均点が何点変動したかによって2001年の合格基準点が決まり、さらにその翌年の2002年は2001年の受験生平均点からの変動幅によって合格基準点が決まる仕組みになっています。
そして、すでに話したように合格基準点は1点刻みですから、平均点の変動分は四捨五入されます。

それが毎年直前の年度と比較されるので、前々年度以前に四捨五入して切り上げor切り捨てされた端数分は考慮されなくなるわけで、それが繰り返されると2000年の合格基準VS平均点の関係が大きく崩れることになります。
それは問題だ!ってことで、考慮されない四捨五入の端数分は我々の水面下で累積計算されていて、その合計が±1.0点以上になると合格基準点に加えられてしまう。それがキャリーオーバーってヤツです💡

それがマイナス側に変動してくれるなら良いけれど、プラス側だったら怖いですよね。。😱

社労士試験も、年を追うごとに問題の難化・受験生のレベルアップが進んでいるので、直前年度の結果と比較するのは妥当だと思っています。
しかし、こんな風にキャリーオーバー補正するぐらいなら、毎年2000年の平均点を基準にしたら良いのに…って思うところですが・・・


<キャリーオーバーの計算には2000年以降のデータが必要!>

全受験生の平均点と合格基準、前年からの変動幅はキチンとpdf書面が発行されて公開されていますが、キャリーオーバーのほうは何点溜まっているのか分かりません。
だから、ある年度に突然、

『切り捨てた端数が1点溜まったので、合格基準に反映します!』

となってしまいかねない(>_<)

その前に、キャリーオーバーとやらはプラス側に溜まっているのか?マイナス側なのか?それすら分かりませんね。

自分も結果待ちの頃は合格基準予想とにらめっこする中でキャリーオーバーの存在を知り、それも血眼になって今どんな状況なのか計算してみました。

しかし、2000年っていうと今から20年以上も前の昔話です。

『あの時って、まだ高校生やったよな~』

なんて遠い目になってたんですが、そんな時代の試験のデータを集めるのって結構大変でした(^^;
合格基準点だけならまだしも、全受験生の平均点データなんかは色んな所から拾い集めなきゃいけない(>_<)
厚労省のオフィシャルでも過去のデータは見れるんですが、10年以上も前のやつなんて需要がないのかとっくに消されています。

そんなこんなで、何とか2000年から現在までのデータを集めてExcelで一覧表を作ってみました。

<いま、キャリーオーバーは何点溜まっているの?>

作ったExcelシートを開くと、試験の実施年度ごとに全受験生の平均点と合格基準点をA~C列に並べています。
そしてD列の『平均点変動端数』とは、合格基準点に反映されなかった端数分をいい、例えば前年比マイナス1.4点で基準が-1点なら、+0.4点と計算されます。つまり、ここの数値がプラスなら受験生側に【貸し】があるイメージですね^^
その隣のE列には、実際にキャリーオーバー補正が行われたか否かを表していて、プラスの数値なら基準点が上げられたことを意味します。

そしていよいよF列にはD列で計算した値の累積、つまりキャリーオーバーを表していますが、キャリーオーバー補正が行われたらその分は差し引いています。

それで、2023年度のキャリーオーバーを見てみると、

✅選択式・・・+0.6点 (貸しがある)
✅択一式・・・-0.7点 (借りがある)

という結果に。。。
択一式のほうで借りがある、すなわち本来より多めに基準点が下げられているということですね。
例えば、2000年度と2023年度を比べてみると平均点35.1点・基準点49点に対して平均点31.8点ですから、その差は-3.3点。合格基準は49点-3点=46点となってたはずだということです。

『俺、ホンマは不合格やん・・・』

とことん端数処理に救われたと思いました😅

そしてもし今年度(2024年度)、-0.3点の端数分が出たらキャリーオーバーは-1点になって、基準が余分に上げられてしまうかも知れません(>_<)

しかも、今年度は択一の各科目でやたら疑義問が出てますから、そのドサクサに紛れて補正される可能性は考えられるでしょう。


<キャリーオーバー補正は必ずされるとは限らない>

ここで、Excelの一覧を見てみると2004~2006年、2018~2021年は続けてキャリーオーバーが-1点を超えている状態だったのに基準点が補正されていませんね。

これにもキチンと「キャリーオーバー補正を行うことで例年の合格率よりも乖離するようであれば補正を見送る」という規定があります。
3年ないし4年も続けて見送られたわけですね(笑)

なのでたとえ2024年度にキャリーオーバーが1点以上溜まっても、補正されないかも知れません。
ただし、択一式のほうは2000年以降ずっと累積値がマイナスで、受験生側に借りがある状態が続いていますから、突然ドン!とこのルールが発動してしまう可能性も否めません。。😱

一方、選択式のほうは今までキャリーオーバー補正の基準に達したことはなく、かつ受験生側に貸しがある年が続いていますから、もし補正があったとしても引き下げられるほうになると思います。

ただ、選択式のほうは総得点で引っかかることはあまりなくて、どちらかというと最低点の救済があるかどうかを心配するかと思います。
余談ですが、選択式って全8科目ギリギリ3点だったとしても総得点は24点になります。
近年は総得点25~27点が基準ですから、2~3科目で4点以上取れればクリアになるので選択式の総得点で心配する人はあまりいないと思いますが、一応計算シートは択一式と分けて作ってみました。


というわけで今回は総得点基準のキャリーオーバー補正を説明してきましたが、それが行われたのは10年以上も前です。
おそらく、多くの受験生は気にしていないor忘れていることかと思うので、こういう補正のされ方もあることは頭の隅にでも入れておくと良いでしょう☝️


<2024.10.5更新~来年はキャリーオーバー補正の心配なし>

第56回試験の結果が出て、数年ぶりに選択式でキャリーオーバー補正が行われました。

これで、択一/選択それぞれのキャリーオーバー累積値は

✅選択式・・・0.0点
✅択一式・・・-0.5点

となりました。

ということは、来年(第57回試験)で仮に択一式の平均点切り捨て端数分が-0.4点だったとしても累積値は-0.9点となり-1.0点には足りません。
端数が-0.5点出れば、キャリーオーバー補正関係なしに四捨五入されますから、結局キャリーオーバー補正の心配はないことになります。

記事添付のExcelシートには2024年度の結果も追記していますので、参考にしてみてください!


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