【脚本】雨中
〇秋葉原駅・外観
雨が降っている。
○同・ホーム
混んでいるホーム。
電車が入ってくる。
扉が開いて電車から降りてくる人達の
中に、パーカーのフードを深くかぶっ
たゾマがいる。
ゾマが何かに気づいたように立ち止ま
って振り返る。
ゾマ「!」
電車に乗り込む一人の女性の後ろ姿に
驚いたように目を止める。
ゾマ「優歌」
○(ゾマ回想)アパート外観
雨が降っている。
急いで駆け込んでくるゾマと優歌。
〇(ゾマ回想)同・室内
玄関のドアが開いて雨に濡れた優歌と
ゾマが入ってくる。
優歌「早く入って。」
ゾマ「お邪魔します。」
タオルと着替えをゾマに再s出す彼女、
優歌「とりあえずこれに着替えて。濡れた服を乾かすから。」
ゾマ「あ。うん。」
優歌「私はあっちで着替えてくるね」
と、バスルームに入っていく。
着替えながら緊張してきょろきょろす
るゾマ。
部屋の隅。チェストの上に置かれた鏡
とその前にきちんと並べられた化粧品
の中に香水の瓶がある。
(回想終わり)
○元の秋葉原駅ホーム
発車する電車。
窓越し優歌が見える。
ゾマ「(スマホを取り出して)・・・(指が迷
っている)」
遠ざかっていく電車。
ゾマ「「意を決した顔でメールを送信する」」
○電車内
優歌がポケットからスマホを取り出し
して覗き込む。
スマホの画面「今日。秋葉原の駅であなたに似たひとを見かけました」
優歌「(秋葉原の法へ視線を送る)」
○秋葉原駅前
雨が降っている。
改札から出てきて空を見上げるゾマ。
○(ゾマ回想)小さな公園
雨が降っている。
傘をさしている優歌。
何も持たないゾマ。
深くお辞儀をしてから立ち去る優歌。
黙って見送るゾマ。
(回想終わり)
○元の秋葉原駅前
雨が降っている。
スマホを見つめるゾマ。電話が掛かっ
てくる
ゾマ「はい」
とぅーしの声「ゾマさん?もうみんなスタジ
オに居るけどいまどこですか?」
ゾマ「ごめん、いま秋葉原ついたとこ。電車
に傘忘れてきちゃってさ」
ゾマ、電話を切って走り出す。
〇タイトル「雨中」
エンディング曲
The Floor「雨中」
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