【脚本】My HERO

〇桃子の会社・廊下

　　　トイレに入ろうとする桃子。手前で立ち止まる。

　　　トイレから話し声がする。

女性社員１「林さん、意識高くてちょっとめ

んどくさくない？」

女性社員２「やっぱり？さっきの会議でも思ったけどさぁ」

女性社員１「ね。なんかリーダー感出してるっていうか」

女性社員２「私たち３人でって言われた企画なのにね。まあ、いろいろやっちゃうから楽でいいけど｛笑｝」

女性社員１「確かに（笑）」

　　　桃子、その場を立ち去る。

 

〇ダンススタジオ

　　　ネス、ゾマ、とぅーしがリハーサル中。

　　　あつき、マロンが見ている。

　　　とぅーし、何度も同じところで振りを

間違える。

とぅーし「ごめん・・・・」

ネス「とぅーし、何回も言ってるけどさ。もっと音ちゃんと聴けって」

とぅーし「ごめん、ネス」

ゾマ「大丈夫か、とぅーし？休憩するか？」

ネス「謝んなくていいからちゃんとやれよ」

とぅーし「ごめん・・・」

ネス「（舌打ち）」

とぅーし「（しゅん）」

ゾマ「おい、ネス！」

マロン「ちょっと休憩したらどう？」

あつき「そうだね。３人ともちょっと頭冷や

してさ」

　　　ネス、スタジオの外へ。

 

〇同・外

　　　ネスがスマホを見ているところへゾマ

が来て

ゾマ「舌打ちはちょっとないんじゃな？」

ネス「・・・」

ゾマ「イライラしても終わんないしさ、ちょっと冷静になろうぜ」

ネス「わかってますよ」

ゾマ「（しょうがねぇなという顔）そういうとこ、ちょっと考えたほうがいいぞ」

　　　スタジオに戻るゾマ。

　　　ネス、悔しそう。

 

〇秋葉原駅前（夜）

　　　改札に向かうネス。

 

〇秋葉原駅：改札前（夜）

　　　ネスが改札を通ろうとしていると後ろから声が掛かる。

桃子「ネス？」

ネス「？」

桃子「やぱりネスだ。林だよ。林桃子。高校のときの」

ネス「・・・林？マジで？全然わかんなかった！」

桃子「ネスはあんまり変わんないね（笑）」

ネス「そうかな」

桃子「これからなんかある？せっかくだからちょっと飲みにいかない？」

ネス「もう帰るだけだけど・・・」

桃子「お。ちょうどいいね！この辺でいいからさ、ちょと行こうよ！いいでしょ？」

ネス「ああ、まあいいけど」

桃子「じゃあ行こう！」

　　　歩き出す桃子の後をついていくネス。

 

〇居酒屋（夜）

　　　賑わう店内。

桃子「へぇ～、ネスってユーチューバーやっ

てるんだ」

ネス「ユーチューバーってかダンス系のユー

チューブチャンネルな」

桃子「ユーチューバーじゃん？」

ネス「・・・・」

桃子「いいなあ。そんなんで食べていけるなて。遊んで収入になるとか羨ましすぎ」

ネス「・・・・」

桃子「毎日満員電車で会社いって、同僚にウザがられながら地味に仕事するのバカみたい。私もユーチューバーになろうかな。ね？」

ネス「お前そんな性格悪かったか？」

桃子「は？」

ネス「とぅーしとか、RABのみんながどんだけ頑張って努力してあそこに立ってるか。そんなに想像力ないやつだったっけ？」

桃子「だって・・・」

ネス「それからさ、毎日ちゃんと会社行って仕事できるってすげーじゃん。俺できないし」

桃子「でも・・・」

ネス「（金をテーブルに置いて）お先に」

桃子「・・・」

　　　ネス、一人で店を出る。

 

〇桃子の部屋（夜）

　　　ユーチューブでRABの「４０万人いく

まで踊り続けるRAB」を見ている桃子。

桃子「ばかじゃん」

 

〇桃子の会社（朝）

　　　出勤してきた桃子。トイレで桃子の噂

　　　をしていた同僚の元へ行き・

桃子「今度の企画のこと、３人でもう一度アイデアとか相談してもいいかな？」

 

〇練習スタジオ

　　　とぅーしが練習をしている。

　　　ネスがやってくる。

ネス「おはよう」

とぅーし「おはよう」

ネス「昨日はごめん。なんか・・・」

とぅーし「いや。俺が振り覚え悪いの事実だし」

ネス「とぅーしがいつも間違うとこさ、あれから録画見直して気づいたんだけど」

とぅーし「うん」

　　　ネスととぅーし、練習を始める。

　　　×　×　×

　　　ネス、とぅーし、休憩している。

　　　外は雨が降っている。

とぅーし「ありがとね、ネス」

ネス「・・・いいステージにしような」

とぅーし「うん。頑張るよ。俺」

ネス「ところでゾマさん遅くない？」

とぅーし「そういえば。電話してみる？」

　　　電話を掛けるとぅーし。

とぅーし「もしもしゾマさん？いまどこですか？」

 

〇タイトル「My HERO」

エンディング曲

　　　04 Limited Sazabys「My HERO」

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