髪の毛
うちの家系はハゲが多い。
会ったことはないが遺影を見るに双方の祖父は頭が寂しかった。
父方の兄弟、叔父連中は程度の差はあれどみんな出会った頃から寂しい頭をしていた。
例外として父は普通に髪をセットするくらいあったけど。
それでも晩年はかなり寂しくなってたのは確かだが。
そんな姿を見ていたから髪の毛に対してある種の恐怖は持っていた。
二十歳前半までは普通に髪を伸ばしていたが二十歳半ば頃に元自衛官の先輩の髪型を見てスッキリしてていいなとその髪型にすることにした。
アーミーカットてやつだ。
今ではソフトモヒカンでと床屋で言っているが。
この髪型にした根本的な理由は禿げてきた時にショックを受けないためだ。
最悪寂しくなったら坊主にすれば、その髪にするのに違和感ない髪型にしとこうと。
それ以来30年同じ髪型をしている。
仕事も幸いし短い髪はある種の清潔感があり忌避されるものでもなく問題視されなかったのも大きい。
で、ずっと続けているが嬉しい哉禿げてくる気配が全くといってない。
別に髪の毛のために何かしている訳でもなく何ならクセという訳でもないんだろうが頭をボリボリ掻いていることも多い。
それでも短くしている髪の毛は元気に頭の上に鎮座している。
今では手櫛が通ったり耳にかかったりするともう耐えられなく直ぐに散髪に行っている。
行った後の洗髪で短くなった髪を触るとスッキリした気分になる。
もうこのままで最期までいってくれ。
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