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吾輩は読者である。名前はまだない。

峰庭梟

一夜文庫さん、という一箱古本市や間借り古本屋さんに出店されている読書家の方がおられまして、その方が「読みたい夜に」というZINEを出しておられるんですけど、僕もお誘い頂いて、そのZINEの末席に寄稿させていただいています。「瞬光（またゝき）集」という、140字小説と短歌を合わせた10篇のお話です。

で、毎回ね、そこにプロフィールというのを載せて頂いているわけですが、今は

140字小説と短歌を呟いている人。noteもやってます。あと、童話のような寓話のような詩のような140字小説をまとめた作品集「石鹸玉集」を電子書籍で発行しています。

って載せて頂いてます。

まあでも、140字小説も短歌ももうだいぶ呟いていないし、このnoteだってこれ何ヶ月ぶりなんですかねって、そんな感じだから、なんか申し訳ないなあと思っています。うん。じゃあなんか書けよって話ですが（汗

で、ふと思ったんですよね。そもそも僕は何者なんだろう、と。

うーん、ぶっちゃけ別に何者でもないんですよね、僕は。そういやこのnoteのプロフィール記事でも、僕は自分のことを何者でもないし何者にもなれてない、というようなことを書いた気がするんですけど、それはやっぱり今もそのまんまです。

それでも、もし僕が、たった一つだけしか自分の肩書きのようなものを名乗れないとしたら、一体何を選ぶだろう。

あなたなら、どのように名乗りますか？

多分、僕はそのとき、自分を「読者」と名乗るような、そんな気がします。少なくとも僕は、作家とか、詩人とか、歌人とか、そういうクリエイターやアーティストではない。そういう人たちは、何か、僕とは明らかに違う。

「読みたい夜に」の主宰者である一夜文庫さんとも、僕はただの一本好きとして、そして結構趣味の合う本好き（と、僕は勝手にそう思ってる）としてネット上で出会ったのでした。

その後、僕は書写してみたり詩を書いてみたり140字小説や短編小説を書いてみたり短歌を書いてみたりしてますけど、でも、結局自分は何者かと言われたら、やっぱりただ本や詩や物語が好きなだけの一読者です。

別に上手でもないし、それに、まるで息をするように、それがまるで当たり前のように、物語や詩や歌を自然と口ずさめるわけじゃない。

まあでも、あれですよね。だからと言って僕がプロフィール欄に

峰庭梟
読者

なんて載せてもらったら、みんな「何だこいつは」ってなりますよね。なのでまあ、今まで通りの文面のまま変えないでいいと思うのですが。（結局今まで通りかい）

ああ、なんか、そんなことをつらつら考えていると、ふと思い出した曲がありました。ずっと昔、まだ学生の頃、チラッとテレビでPVを観ただけの曲なんですけど、でも、ずっとその曲の歌詞の一節を覚えていたんです。

それは、THE BOOMの「手紙」という曲です。

この曲の中に、こんな歌詞があるんです。

本当は君も僕も人前に立つべき人間じゃないのかもしれない。
きっと、僕らの夢を完璧に成し遂げてくれるシンガーが出てきたら、
僕はギターとマイクを置いて、
そいつの歌に夢中になってるかもしれない。
僕はただ、音楽を愛していたいだけだ。

この歌詞をずっと覚えていて。多分、僕が、別に何者でもないくせに、それでもあっちこっちに顔を出していろいろしている背景には、この歌詞がある、そんな気がするんです。

こんな考えは僕みたいなのには不遜なのだろうけれど、でも、僕はただ、僕自身が読みたいものを読むためだけに何かを書いているんです。

それで僕が好きなものや感じたことをあなたも好きだったり感じたりしたらすごく嬉しいけれど、別にそうじゃなかったとしても、そりゃあそうだよねって思う。


……あれ、ところで僕は一体、何のために今、この文章を書いているのだろう？

うーん、よく分かりません。分からないけど、こうやって書いて、それで自分で読みたかったんだな、きっと。

誰かがこういうことをどこかに書いていてくれてたら、僕はそれを読んで「ほんとそれな！」って思って満足したと思うんですけど、そして別にそういうことを書いている人はたくさんいるのでしょうけれど、でも、今んとこ僕はまだそういう文章に出会ってないので、だからこうして自分で書いてしまったのですね。多分。

というわけで、よく分からなくなったので今日はここまで。

また、何か書きたくなったら書きます。

おやすみなさい。


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