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詩歌ビオトープ022:渡部直己

詩歌ビオトープ22人目は渡部直己です。

そもそも詩歌ビオトープとは?
詩歌ビオトープは、詩の世界を一つの生態系ととらえ、詩人や歌人、俳人を傾向別に分類して、誰と誰が近い、この人が好きならこの人も好きかもしれないね、みたいなのを見て楽しもう、という企画です。ちなみに、傾向の分類は僕の主観です。あしからず。

この人は1908年に広島県に生まれました。「アララギ」に入会し、土屋文明に師事。高校教師だった頃に日中戦争が始まり、招集されました。

この頃に詠んだ戦争詠が高く評価されているとのことで、昭和文学全集35にも53首の歌が収録されていました。

全体的には写実的な歌が多く、僕の分類ではxが20、yが11の「絵画的かつ自然主義的」な人となりました。

ただ、Wikipediaによると、実はこれらの戦争詠の多くは現地で詠んだものではなく、戦争映画などを観て詠まれたものが多いということが暴かれたのだとか。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/渡辺直己

まあ、そのあたりは、分かりませんものね、他人には。僕自身はリアリズムというものにそれほど価値を置いていないので別に評価は変わりませんが、そこを重視する人たちにとっては大きな問題なのでしょう。

どちらにしろ、僕は上手に一瞬を捉えて詠んでいる歌が多いと思いました。戦争映画のスナップショットを見ているような、そんな感じ。

吾が傍に来りし兵が忽ちに肩射ぬかれて血を噴き出しぬ

躍進する吾が足下に敵弾が湯気立つ如く見えしときの間

まあ、難しいですよね、戦争について何かを述べるのは。

正直なところ、僕は短歌だけじゃなく戦争に関する芸術全般にあまり興味はないし、語るべき言葉を持っていません。さらに言えば、さっきも言ったようにリアリズムについてもあまり関心がありません。

ということで、今日はこの辺で。

23人目に続く。

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