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セクシーさで売り上げアップ

こういうニュース、タイでは月に何度か目にします。

セクシーさ(女性が主ですが、中には男性の時もあります)を前面にアピールし、お店の売り上げを増やす商法。

今回は、タイ北部チェンマイ県で焼き菓子屋台を営むオリーブさん(23)のニュース。

彼女は看護学校に通いながら、自ら屋台でお菓子を焼き、また若者向けのオシャレな衣類をネット通販しることで、生活費を稼いでいるそうです。

焼き菓子の売り上げはそこそこあるそうですが、一方のネット通販が振るわず、合計収入は減少傾向。そこでオリーブさんが試みた収入アップ方法が、セクシー衣装で注目を集め、焼き菓子の収益をあげることでした。

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こういう取り組み、タイではネットで一気に拡散するんですよね…。

たとえば、私がよくアクセスする「Sanook」というポータルサイトでは、オリーブさんのニュースが、このブログをまとめている時点でアクセス数約42万件でトップになっていました。しかも、焼き菓子の売り上げは倍増しているのだとか。費用をかけることなく、広告効果を十分に活用できたわけです。

水着姿の女性が働いている喫茶店。胸元を強調した衣服を身につけた麺屋台の女性。男性的な肉体美を誇示した串焼き屋台…などなど、これまでも性的アピールを前面に押し出し、売り上げ向上を図る取り組みを、ニュースで見てきました。しかしどれも、集客効果を狙って一時的にそのような服装、ないしPRを行っただけであり、いつまでもセクシー衣装を身につけているわけではなさそうです。オリーブさんの屋台も、来年行ったら、普通の服装で営業していた…となっていることでしょう。

以前、数人の若い女性が露出度抜群の水着を着用し、かつ甘い喘ぎ声を出しながら視聴者に呼び掛けている Facebook映像が大きなニュースになりました。彼女らは、Facebook にこのような映像を投稿することで、、他の SNS にアクセスするようPRし、そこで収益を稼ぐというビジネスモデルを行っていたのです。

結局、あまりにもわいせつだということで警察が乗り出し、彼女らは投稿を削除したのですが、あるニュース番組でこの若い女性たちがインタビューに応じていました。それが私には強い印象として残っています。彼女ら曰く、

「私たちだって、これがキレイな仕事じゃないことはわかっています。でも、私たちには支えなければならない家族がいて、稼がなくてはならないんです。」

そうなんですよねぇ、彼女らだって、切羽詰まっているんです。

タイは娯楽産業が盛んで、ナイトライフでも有名な国。でもそうした状況になっている背景には、家族を支えていかねばならない女性たちが多い、ということもあるのです。もっといえば、頼りにならない男性が実に多い…ということ。

地道に働いて稼げばいいではないか、というご意見はごもっとも。

でも、地道に働いて家族を養えるほどの収入を得られる職が、タイではまだまだ絶対的に少ない、というのが現実でもあります。

女性が普通に働いて、両親や自分の子どもを十分養える収入を稼げる社会。

日本でも、シングルマザーの平均年収は250万円以下。シングルファザーの6割ほどであるようです。日本ですらこういう状況なのに、タイではなおさら厳しい現実があります。

焼き菓子屋でがんばるオリーブさん.。おそらく、看護学校の学費も自分で稼いでいることでしょう。

彼女にどのような事情があるのかは報道されていませんが、私の知見の範囲ながら、何か背負っているものがあるような。看護学校を無事に卒業し、看護師としての収入で家族を養っていけることを、願わずにはいられません。


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