見出し画像

人情あふれる、タイ青年の話

コロナの勢い、衰えません。

昨日(8月18日)、タイの Covid-19対策本部(CCSA)が発表したところによれば、過去24時間で判明した新規陽性者数は 20,515人。死亡者は 312人で、これは過去最高となりました。

※但しCCSAは、死者数については過去数日分を遅れて報告してきた県があり、その分が加算されたので数値が膨らんだ、と説明しています。私の推測は、自宅療養者が増えたことから、自宅で亡くなられた人たちの状況把握に時間がかかるようになってきたのではないか、というものです。

明るい材料としては、22,682人が回復・退院できた、というところでしょうか。まったくこのコロナ、全体の致死率が 0.87%でさほど高くもない一方、軽視できる範囲でもないため、どの国も政策のバランスに苦慮しているように思います。どこで感染するかわからないし、誰が重症化するのかもわからないという点が、なおのこと人々の不安を煽るのでしょう。

画像1

感染抑止の切り札と期待されるワクチンも、一時と比べたらかなり1日あたりの接種回数が増えましたが、それでも1回以上接種を受けた人の割合は人口比で27%未満です。タイ政府にはまだまだ努力して欲しいと思います。ただ在タイ日本人に対しては、大使館の努力によりアストラゼネカの接種が受けられるようになってきました。これは素直に、大使館に感謝したいと思います。

※梨田大使自らがツイッターを始め、在タイ日本人に情報提供しています。現在、フォロワー数7,500人近く。なかなか評判がいいようです。ご関心のある人は、「梨田和也 @nassykaz」で検索を。

タイでは、コロナで厳しい営業規制が課されている中、それでも人情あふれるエピソードも出てきます。さすが、タイランドです。以下、ご紹介いたします。

コロナに感染し、自宅療養中の人がオンラインで食事を注文しました。

タイの宅配もクレジットカードで決済できますが、この人はカードを所持していなかったため、配達員に連絡して彼の銀行口座情報を教えてもらい、オンライン・バンキングで彼に直接送金したそうです。タイでも食事を受け取る際に現金で支払うことは可能です。でも自宅療養中であることから、現金を手渡しする中で配達員にうつしてはいけない、という配慮をされたのでしょう。

そして食事の配達。

配達員から、「ビニール袋に入った食事を玄関の取っ手にかけた」との連絡を受け、この人が取りにいったところ。

袋には注文した食事だけでなく、現金とメモが入っていたそうです。

現金は、配達員に送金した食事代+配達料。そしてメモには、こう書かれていました。

「食事代は要りません。どうぞ、節約してください。実は私も近所に住んでいる者なんです。お互いさま、このコロナを乗り切っていきましょう。『誰もおいていかない』」。

画像2

配達員だって、さほど余裕のある生活をしているわけではないでしょう。それなのに、このようなあたたかい思いやりを人に向けられる心の広さがあります。

これは、ユーザーネーム @ppararyy さんがTwitterに投稿したエピソードですが、現在までに約18,000人が Like し、リツイートも 5,700回に達しています。ちなみに最後の、「誰も置いていかない」という言葉は、このような危機の際にタイ人がよく使う言葉です。タイ語原文は「ไม่ทิ้งกัน」で、直訳すると「お互いに見捨てない」という意味になります。一体感を示す言葉だといえましょう。

今日もまた、心のワクチンをひとつ接種。

コロナによる規制で、知らず知らずのうちに気持ちがギスギスしてしまう傾向がありますから、心のワクチンも意識して接種しなくては。幸い、SNSの普及はワクチンの配送に貢献しています。もちろん、SNSは人の気持ちを傷つけるウイルスを拡散させる働きもしますけれど、私たちがワクチンをつくりあげ、それをSNSに投稿していけば、より心あたたまる社会がこの世界に誕生するのです。

さて今日は、私はどのようなワクチンをつくり出せるかなぁ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?