RIZIN LANDMARK01とインターネット配信について感じたこと

昨日開催されたRIZIN LANDMARK01ですが、配信トラブルで試合開始が1時間遅れるなどある意味RIZINらしい興行となりました。

U-NEXTが唯一の覗き穴ということでしたがそのU-NEXTが耐えきれないくらい視聴者が殺到し、U-NEXT史上で過去一番の視聴者数を数えたようです。

過去の記録には有名アーティストのライブなども含まれており、RIZINにとって記念すべき偉業だと言って良いかもしれません。

アメリカでは格闘技はPPVが一般的ですが日本ではそれは無理だという声が多かったと思います。

確かに今回のイベントはRIZINナンバーシリーズとは異なり試合数は少なく4試合でベルトが絡む試合はなし、会場も小さく、メインの朝倉未来対萩原京平が見たくて3,800円払った人が大半というか99.9%だと思います。

今回だけで日本格闘技もPPVで稼げるとはならないと思います。

ただ、RIZINオールスターを集めなくても一流アーティストのライブよりも視聴数を稼げたということは事実です。

この結果を受けて一つ考えたのが今更ながら格闘技はPPVと相性がいいかもしれないということです。

まず意外と思われた一流アーティストよりも視聴者数が多くなった件ですが、ライブはその場にいないと楽しめないものだと思います。

私は音楽のライブに行ったことがないので会場と家のテレビの違いを実感したことはありませんが、おそらく音の迫力であったり、好きなアーティストの現物がそこにいるという事に感動し、お金を払っているのではないかと思います。

そういう意味では格闘技も同様ではないかと感じるでしょうが、格闘技と音楽では一つ決定的に違うことがあります。

格闘技は必ず勝敗がつくというところです。

そのため勝敗が決する瞬間を見たいという音楽にはないニーズが格闘技にはあります。

その瞬間に見ないといけないという重要性が音楽と格闘技では違うのです。

そういった意味では他のスポーツはどうかという事になりますが、格闘技は私が知る他のどのスポーツよりもPPVに向いていると思います。

というのも例えばプロ野球やJリーグの試合でこの試合だけは絶対見逃せないという試合がどれだけありますでしょうか?

もちろん優勝決定する瞬間だったりWBCやW杯の決勝であればPPVでも見たいという人もいるかもしれません。

しかし、基本的には毎日、あるいは毎週行われているもので同じ対戦カードでの試合も多いです。

特に最近の格闘技ではかつてのK-1のように毎年トーナメントで王者を決めなくなっているので同じ対戦カードが一度しか実現しないということが頻繁に起きることが考えられます。

最近では那須川天心対鈴木真彦の再戦が行われましたが再戦するのに6年もかかっているのです。

しかもコロナがなければおそらく実現しなかったと考えると、トップファイターが今行っている試合は二度と見られない対戦カードかもしれないということです。

この1試合の希少性は他の競技にないものだと思うし、会場でなくても生で見たい、見ないといけないと思わせる部分で音楽にはない緊張感が格闘技にはあります。


さて、このRIZIN LANDMARKですが今回01だったので当然02もいつかやろうと考えていると思います。

今回のメインカードである朝倉未来対萩原京平は絶妙なカードです。

逆に次があったときにこれと同じようなカードが組めるのかという点が一番の懸念点だと思います。

もしこのカードをRIZINナンバーシリーズで行う場合、ほぼ間違いなくメインイベントにはなりません。

じゃあタイトルマッチをRIZIN LANDMARKでやればいいかと言うとそれは逆効果になります。

今回の興行で言われていた「U-NEXTが唯一の覗き穴」というのがとてもいい言葉で今後も覗き穴から見るようなカードを組む必要があります。

視聴者数が伸びた要因として朝倉未来も萩原京平も闇を感じさせる選手で純粋なスポーツとしてのMMAではない雰囲気を出せることが大きかったと思います。

これが例えば堀口恭司や那須川天心だとちょっと違う感が出て来ると思います。

この闇っぽい感じ、地上波で映したら教育によくなさそうな感じを持っている選手というと今アメリカで武者修行中の平本蓮くらいしか思いつかず、相手はやっぱり朝倉未来かとなりますが、それは未来が試合を受けないでしょうし、ファンもまだ納得しないと思います。

今の所これという選手が見当たらないのでLANDMARKを次開催するのはまだ先になるか、今回ほどの視聴者が集まらなくても実験的な試合、査定試合をここで組むかのどちらかになるのではないでしょうか。


それにしても今回メインの朝倉未来ですが改めてRIZINへの貢献度はかなり高いと思いました。

RIZINの表も裏もメインを任せられるのは彼しかいません。

ヒーローでもあり裏社会感も残る彼は一番RIZINを背負っているかもしれません。

また今回の試合前からRIZINのベルトがほしいということを口にするようになりました。

彼にとってRIZINのベルトは人生を幸せにする十分条件であっても必要条件ではなかったと思います。

他のファイターとは稼いでいる金の桁もだいぶ違うだろうし、もはや試合をしなくてもそれなりに生きていけそうな状態の彼がほしいと言ってくれたことでRIZINのフェザー級のベルトの価値は上がったと思います。

手にできるかどうかは別としてこれまで以上にRIZINフェザー級のベルトに関心が集まるのは間違いないでしょう。

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