RIZIN、K-1、RISE 日本格闘技は今後どうすべきか

大炎上した3月のK-1からもう1ヶ月以上興行がほとんど開催されない状況で、5月末まで少なくとも何もできなさそうな状況が続いているので自粛後の日本格闘技業界はどうすべきかについて考えてみました。

今のところ、MMAならRIZIN、立ち技ならK-1、RISEに期待しないといけないわけでこの3団体がどう成長するかが大切になってくるのかなと思います。

まず、前提として考えないといけないのが「格闘技ファンは少数派」であることを認識することが重要だと考えております。

それを踏まえると「既存のファンを満足させる取り組み」と「新規のファンを獲得する取り組み」で分けて考えて実行する必要があると考えています。

これは特にRIZINが意識すべきことだと思っています。

MMAの世界はキックボクシング以上に規模が大きく、夢のカードや見たいカードというとすぐに日本人とベラトールやONEの選手との対抗戦を希望するファンがいます。

これは典型的な既存のファンを満足させる取り組みです。

これまでのRIZINも既存のファンを満足させることについてはかなり頑張っていると思います。

メイウェザーを呼んだり、堀口対コールドウェルを実現させたり既存のファンからすれば詳しい人ほど面白い、興味深いことをしてくれていると思います。

では逆に一般層にアピールする取り組みは何があったでしょうか?

フジテレビで放送されていることもあり、那須川天心や朝倉兄弟などが番組に出ることもありました。

しかし、大晦日の視聴率をみると2018年末よりも減少しており成功しているとは思えません。

昨年、最も新規のファンを獲得したのは朝倉未来だと思います。

その原動力はもちろんyoutubeです。

今思うと格闘家でありながら仲間とのドッキリなど他の選手にありがちな練習風景を流すようなことはしておらず、おそらく格闘技をよく知らない人でも面白いと思える内容なんだろうと思います。

朝倉未来が新規ファンを取り込んだと思えた理由は登録者が100万人と数が多いのもありますが、未来が青木に余裕で勝てると思っている子供が増えたことなどから明らかに格闘技の知識がないなと思えるファンが出てきたことが大きいです。

既存のファンの方々はこういう無知にムカついてもこういう新規のファンを虐げてはいけません。

そして朝倉未来のこういった取り組みに対して相乗効果を生み出すためにRIZINは今になって無料公開をはじめましたが、試合動画をyoutubeで無料配信することくらいはするべきです。

朝倉未来に関してはyoutubeでラファエルやてんちむ、ジョーブログなどyoutube業界で有名な人とのコラボも実現しており、現在の登録者数以上に新規のファンを増やせるポテンシャルを持っています。

例えばラファエルのファンが未来とのコラボ動画を見て朝倉未来に興味を持った。検索したらさっきまでyoutuberとして出ていた人が実際にリングで戦っているとなれば見る可能性が高いでしょう。

そして他の選手、運営陣もどうやったら新規のファンを増やせるかもっと考えたほうが良いと思います。

その点、K-1は新規のファン、ライトな層を作るのにかなり力を割いたのではないかと思います。

まずルールがめちゃくちゃシンプルだし、当初から会場のファンに対してTwitterでハッシュタグ付きでどんどんツイートしてくださいと呼びかけていました。

K-1の公式Twitterも更新頻度は高いです。

とにかく人の目に触れる機会を増やすことに尽力していたように思えます。

試合は流れてしまいましたがK-1とISKAのダブルタイトルマッチでISKAを至宝扱いしたり素人ホイホイのようなこともやっています。

確かに昔から格闘技が好きだった人ほど今のK-1に対して否定的なイメージで、K-1が好きだという人は以前の格闘技を知らなさそうな人が多いです。

RISEであれば天心だけでなく、白鳥大珠にもう一度モデルの仕事をしてもらっても良いと思います。

彼は格闘技業界でのイケメン度は随一だと思うので女性ファンの獲得だって考えられるし、実力もあるから一度だけ見て見るのをやめる人も少ないと思います。

さて、ここまで新規ファンをどう獲得するかということについてダラダラ書きましたが、一言で言えば他の趣味を楽しむ人の視界にどうやって格闘技をねじ込むかということだと思います。

次に既存のファンの満足度をどうやって上げるかですが、これは大きく2つの要素を考える必要があると思います。

まず1つ目ですが、対戦カードとして楽しめるカードを多くつくるです。

これはK-1WORLDMAXの功罪ですが、誰か一人を圧倒的なスターにする代わりにその選手が勝たないと成り立たないスタイルが現在の日本格闘技ではかなり多く見られます。

これは対戦カードとして楽しめるカードが減ることの要因となります。

どちらが勝っても面白い、どちらのコーナーの選手が強いのかということを楽しめるカードを作ることでどちらが勝っても負けてもストーリーが作りやすいです。

また、そういったカードは両コーナーの選手がファンに認知されているため盛り上がりやすい面もあります。

K-1で一番盛り上がったカードは武尊対皇治ですが、武尊が戦った相手としてはヨーキッサダーのほうが強いと思います。

でも認知されている選手同士の試合のほうが盛り上がります。

RIZINで言えば朝倉未来対矢地がそのカードに該当すると思います。

試合内容的には朝倉未来の試合では大晦日の試合のほうが苦労している印象ですが矢地戦の方が盛り上がったと思います。

そのためやることとしては日本人同士の試合を組みまくることもあるし、外国人でも光るものがある選手には最初から複数試合契約を組んでおくのも一つの方法かと思います。

次に2つ目で有望選手の海外流出後の情報共有です。

RIZINのエースの一人である那須川天心はしきりに世界と口にします。

キックボクシングの軽量級の選手にとって世界の舞台というと今の所ONEくらいしか浮かばないのですが、彼の場合はボクシングで世界進出の可能性もあります。

その場合ですが、彼の試合だけRIZINを放送する時間に録画であっても映像を組み込むことを考えてもいいと思います。

国内のイベントの場合はどちらが勝っても盛り上がる体制を作ることが必要ですが、ONEやUFCなどの海外のイベントに関しては日本人の勝敗のみに注目すれば良いと思います。

例えば本田圭佑がACミランに移籍した際、他のチームメイトのことをファンはどれだけ知っていたでしょうか。海外サッカーファンでなければほとんど知らないはずです。

今後RIZINの選手としては天心意外にも堀口、渡辺あたりも海外に進出する可能性があります。

その時に移籍したから一銭も稼げないでは、RIZINの今後も暗いです。

RIZINは今のところフジテレビの放送が大きな収入源なのでフジテレビのRIZIN中継の間にベラトールに行った選手の試合を流すことはそれなりに効果があると思っています。

ここまで「新規のファン」と「既存のファン」について書きましたが、まずは新規のファンをどうやって増やすかが直近の大きなテーマであると思います。

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