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5日間の高熱

1998年生まれの、当時20歳。
病気になる前のわたしは、特に大きな病気も怪我もしたことがないような人間でした。入院した経験は幼稚園の頃に風邪をこじらせた時が最後で、登れるところがあれば登らないと気が済まないようなかなり活発な子供だったけど、骨折もしたことのない、健康人間。
健康診断でも、太り気味ですとは書かれるけれど(笑)、それ以外特に大きな問題はなかったので、テレビなどで闘病のドキュメンタリーを見るときも自分には縁がない世界だと思ってた。

生きがいである好きなバンドのライブへ行くために働く、そんなごく普通の生活を送っていたある日、なんだか身体がだるくて熱っぽい感じがする…体温計で測ってみると39度ちかい高熱。
当時勤めていた病院の内科を受診したけれど、診断は不明熱。解熱剤を出され、飲んで様子を見ることに。
でも薬を飲み始めて2日経っても熱は一向に下がらず、それどころか39度を超えるようになっていた。飲めず食えず、寝て過ごす日々。
その当時、勤めていた病院の職員寮に住んでいて、部屋が近く仲の良かった先輩たちが食欲もなくなっていくわたしを心配して、脳外科へ連れて行ってくれた。
脳のCTを撮ったけど、そこでも異常は特に見られず、解熱剤を出されて帰帰宅。でもその病院で貰った解熱剤を飲んでも、熱は全く下がらなかった。

そして最初に熱が出た日から5日経った夜、それまで飲み物やゼリー以外受け付けなかったのに、急に食欲がわいてきて、
「なんか今ならなんでも食べられそう」
そう先輩に話したのを覚えている。








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