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見境ない立候補への対応策を考えよう 例えば公開討論のネット配信とか

都知事選に重ねて都議の補選が始まった。江東区も補選選挙区の一つ。
どうにも釈然としないことがある。
補選候補者の一人に山崎一輝という人がいるのだが、この人もともと都議だった。昨年春に任期途中で辞任した。辞任していなければ今も都議であり、補選は必要ない。辞任しておいて、その穴埋めのための補選に自分が立候補する。イッタイドーユーコト?
経緯をまとめればこうなる。この人の父親がずっと区長だった。多選批判の中で引退を決意したが、なんと(!)息子に区長を引き継がせようと””世襲”を工作した。そして現職都議だった息子が辞任して、区長選に出た次第。
ところが”世襲”批判もこれあってあえなく落選した。これが昨年春の区長選挙で、ドタバタの第一幕。

区長に当選したのが木村弥生という女性。それまで関西などで政治活動をしていて江東区ではあまり知られていなかったけれど、実父が長く江東選挙区の衆院議員であり、今も健在。そうするとこれも”世襲”ではないのか。そんな批判が起きかけたところで、選挙違反の事実が明るみになって辞任に追い込まれた。そしてその違反行為を陰で主導した疑いで、江東選挙区(東京15区)の現職、柿沢三途衆院議員の逮捕に発展した。柿沢氏も父親の地盤を引き継いだまごうことなき”世襲”政治家。これで、山崎、木村、柿沢の世襲政治家が一蹴され、政治風土が明るくなったと思われたのだが…。

辞任区長を受けた昨年暮れの区長選では、都庁役人からの天下り候補が勝った。あまり指摘されないが、辞任の木村氏、当選の大久保氏、それに区議を辞任して立候補し善戦した酒井氏、三戸氏はすべて女性だった。日本では女性が政治家になりにくいなんてだれが言ってるの? 

これを第二幕とすると第三幕はこの4月の衆院補選。柿沢議員の辞職に伴うものだったが、主要(立民・維新…)・新興(参政・保守・都民ファ…)の各政党がエースや隠し玉を出して大熱戦。のはずだったが、つばさの党を名乗るトンデモ連中による候補者演説妨害が起きた。それで多くの区民は候補者の生の声を聞く機会がないまま投票日になってしまった。ここで当選したのは区長選で区議を辞任していた酒井氏。知名度か組織票か。勝因はともかく、区議からいっきょに衆院議員として国家の安全と国民の生存の責任を負うことになったが、どの程度国会議員の職責を予習済みなのかどうか。

そして第4幕の今回の都議補選。冒頭に戻って、補選の原因を作った山崎氏が出戻り登場している。禁止規定がないから立候補しているのだろうが、どうなのだろう。彼は他の選挙(父親の地盤を継いで区長になろうとした)のために辞任した。その選挙で負けたからまた都議をしますということでいいのかなあ。都政は区政よりも軽い?
区長選で酒井氏と同様に区議をやめて立候補した三戸氏も都議補選に出ている。政治家にとって、国政も都政も区政も同じで垣根はあまりないらしい。素人的には、野球とサッカーとテニスどの試合にも参加するみたい。素人ならかまわないけれど、どの種目でもこなせる器用なプロ選手というのはどうにもピンとこない。こちらの頭が固いのかもしれないが。

並行の都知事選では、衆院補選での民主主義選挙破壊に邁進してようやくにして逮捕されているつばさの党の代表が獄中(拘置所?)出馬している。これまた禁止規定がないからというのだろうが、ちょっとおかしいのではないかと思える。政敵の罠にはまって拘束されていると主張する者にも立候補権利はあるという議論はよくわかる。しかしつばさの党の嫌疑は政策とはまったく関係なし。憲法で国民主権実施のために不可避とする「正当な選挙」を破壊したのであり、民主主義の敵、憲法の敵なのである。この国は、「国民すべてが民主主義信奉者」という前提で動いている。心中でひそかに独裁政治体制がいいなあと思っているだけなら「思想の自由」の保護のうちかもしれないが、それを行動に移してはダメでしょう。

横道にそれたけれど、改めて政治家の条件とは何だろう。憲法遵守者、すなわち民主主義の擁護、実践者ということだろう。この一つに尽きると思う。
しかしその候補者がほんとうに民主主義者なのかどうか。学校でクラス委員を選ぶとか、町内会の役員を選ぶのであれば、その人が実は専制体制への革命を考えていることを見逃すことはまずあるまい。
選挙区が大きくなって、話をしたこともない人に票を入れるちおなると、危惧が現実になる。ポスターのにこやかな顔を何時間見つめても、その人のほんとうの政治信条は見えてこない。
そろそろ選挙方法を現実的に改めてはどうか。
例えば立候補受付は任期開始の1年前とする。立候補者があらかた出揃えば、選管が主催する候補者同士の討論会を随時開催する。その録画をネットを通していつでも見れるようにする。今の通信技術では雑作もないはずだ。有権者は好きなだけ見てから投票所に向かう。
映像を永久保存にしておけば、当選後の公約遂行度も可視になる。討論会を一回2時間、10回出ても、拘束時間はたったの20時間。今のように選挙カーへの乗り詰めより、体力的にも消耗度が低いはずだ。




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