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476 国民を締め出す政府!?

「緊急避難で帰って来ようとする国民の目の間で玄関を閉じて締め出す。そんな国は存在価値がない」。橋下徹さんが顔を凍ばらせて連発していた。ボクが見たのは2日夜、BSフジのプライムニュースという報道テレビ番組。当初、共演者との議論が噛み合っていなかった。それで人権意識における視点が多様であることを知ることになった。
今朝(12月3日)の新聞記事によると、新型コロナウイルスの「オミクロン株」の水際対策として、国土交通省が航空会社に国際線の新規予約の停止を要請したのが11月29日。内外人の区別なしなので、海外の邦人は帰国できなくなる。騒ぎになっていることを初めて知った岸田総理が「2日朝に記者団に陳謝したうえで、邦人帰国に適切に対応するよう」指示を出し、国土交通省は要請を撤回した。
まさに朝礼暮改。正しい方向に改めるのであれば、憚ることはないとも言う。それよりもどうして邦人を締め出すような決定を国土交通省ができたのか。同省高官の人権感覚が疑われる案件であり、国家公務員としての適格性審査が求められる。

ともあれこのいきさつは、日本という国の現状を知るために論点山盛りの検討材料である。そしてこれは、次の人権関連の諸問題に共通する。
②北朝鮮政府による邦人の拉致被害。
③中国による恣意的な邦人拘束、有罪判決。
④ウイグル等でのジェノサイド。
⑤不法滞在者が難民申請で国外退去に応じない現実。
⑥武蔵野市長による外国人への「住民投票権付与」。

番号はボクの視点での優先順位。わが国は国民主権国家。主権者である国民の人権が最優先。②(拉致者奪還)などが典型。人さらいを許すようでは法治国家ではない。
その点、③(外国政府の不当拘束)は、危ない地域に出かけた点では、当人にも多少責任はあるが、それでも国家として見捨てることはできないはずだから、優先度はこれに次ぐ。
わが国で保障される人権は外国でも同等に守られるべきである。その点で④(外国政府の同国民虐待)が続く。重要なのは、自国民の人権保障ができていて初めてこうした主張が正当性を持つことだ。自国民を見捨てておいて外国政府の蛮行を批判するのでは、相手国の「内政干渉」反論に勝てない。
⑤(不法滞在者対応)はどうか。国家を構成するのは国民である。わが領土はわが国民の家なのであり、外国人のものではない。これは「国家」が統治主体である以上、避けられない基本命題。帰化などの国制変更手続きがあるのはそのためだ。
そう考えると⑥(外国人投票権)の優先順位は限りなく低い。本来は認めてはならない。ただし相手国が他国民に対して参政権を認める場合に、均等対応という外交上の配慮で特別に、同国人に対して認める可能性がないではないといったレベル。武蔵野市長は国民主権の意味を理解できていないか、日本国家を否定しているかである。
上記には①が欠番になっている。そこに入るべきは、今回の国際線予約停止問題。つまり①(邦人の帰国受入れ)になる。オミクロン株の流入防除の必要度が高いとすれば(個人的にはそう思わないが、個人的意見は措いておく)、外国人はいっさいシャットアウト。邦人は受け入れたうえで国内での感染拡大を防除する隔離措置を取る。橋下さんは、超法的措置で言っていたが、ボクは、そうした措置を憲法は否定していないと考える。法整備をすればいいだけのことだ。

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