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9.読書と日記_黄色い目の魚/佐藤多佳子

黄色い目の魚/佐藤多佳子


お話の約半分を泣きべそをかきながら読みました。
1話目の りんごの顔 を読み終えて、2話目の 黄色い目の魚 を読み始めたとき、登場人物も世界もすっかり変わっていて、そこでまず絶望して泣きました。
1話目の主人公の男の子を、その時点でかなり好きになっていて、当たり前に彼の話を続けてもらえると思っていたからです。
3話目でそれらが別々の短編ではなく、同じ世界のお話であること、これからそれを読み続けられることがわかった時、安心してまた泣きました。

いわゆるメタ的に泣いたのはそこまでで、その後は物語の中の彼や彼女に泣かされ続けます。
なんだか感情が馬鹿になってしまったみたいにぐずぐすと泣きながら読みました。
それらは悲しい涙ではありませんが、ではなんの涙かと問われてもよくわかりません。
物語と現実の自分とを重ね合わせて動く感情ではなくて、現実の介入しない、ただそこにある感情の揺れだったように思います。
丁度10年前の本でした。


年上のつくった音楽ばかりを聴いていた頃、
いつか身の回りが年下のつくった音楽ばかりになってしまったらどうしようと心配していました。
実際にそうなると、特にどうということもありません。
つくったのが年上でも年下でも、かっけー、としか思わないのです。



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