2022.9.23

朝の散歩は好きだ。
空気が澄んでいて気持ちがいいし、
なんだか体にいいことをしている気がする。

住宅街を歩くと、人の気配がして安心する。
誰かの咳払いや、朝ご飯の匂い。
古いアパートを見て、四畳半の暮らしに少し憧れたり。
一軒家の庭先の花を勝手に愛でる。
オフィスビルの社名だけを見て、どんな会社か想像したり、道端の祠を見て何の神様か調べたりする。

野良猫がこちらを見てニャアと鳴くので、遠巻きにじっと見つめる。動物は苦手だけど、眺めるだけならちゃんとほっこりする。

電柱に書いてある地名の由来を想像する。
江戸時代やそれより前のこの場所はどんなだっただろう。きっとその時代も同じように朝の暮らしは訪れる。

バイクに縁がないから、バイク屋さんには今まで一度も入ったことがない。
私がバイク乗りなら、きっと今朝はいいツーリングができただろう。

マックのデリバリースクーターが横を通り過ぎていった。私は朝マックをしたことがない。朝から食べるマックはどのくらい美味しいのだろうか。

熟キャバばっかりのビル。
この辺りは熟女好きばっかり住んでるの?と笑えたけど、
もしかして私がもしこれから水商売を始めたらもう熟女扱いなのかしら。

頭の中で自分と話していたら、あっという間に1時間歩いていた。

朝が終わって、昼が来る。

新しいパン屋でクロワッサンをひとつだけ買って、私は別の道を通って家に帰る。

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