雨
昨日の夜からまた降り始めた雨
明けても薄暗く鼠色の空から降り続ける
人間には一日という区切りがあって
昨日のことは水に流して前へ進むものだと思っていたけれど
今日の雨は降っても降っても
僕の心の中のわだかまりを流していってはくれない
あのとき吐いた言葉はもう戻らない
悪い言霊になってあの人を傷つけ僕を呪う
そのぬかるみに足を踏み入れるつもりなどなかった
あとの祭の神楽で僕は苦しみの舞を踊る
濡れて響かなくなったその心
僕は自分を失う
降れば降るほど何も流れず
溢れてよどみ汚して行く
雨 雨 雨
最後は僕が流れゆく
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