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「みんなをヒーローにする」-羅針盤#2-4

✔ 「苦労して帰ってきた」東ア船.
✔ 絶対的なリーダーシップなど存在しない.
✔ 人の気持ちにフォーカスしたコミュニティづくりを.

※前回の記事はこちら

「みんなをヒーローにする,そして未来へ」

———最後に,東ア船でいろいろ経験したと思うんですけど,そこで得た経験を一言でまとめると何になりますか?

あきさん(以下,A):なんだろう…私,人から東ア船で何してきたの?って聞かれたら,「苦労してきた」って答えてるんですよ.つらいことも多かったんですよねやっぱり(笑).最初の選挙のスピーチで「みんなをヒーローにする」って言って.人の見えない頑張りとか、素敵なとこをたくさん見つけて本当にヒーローにするぞ!とよく見てきたつもりなんですよ.だから仲間のいいところを何個も言えるんだけど,やっぱり人のことを考えると同時にすごい自分のことを考えるんです.自分をすごい見つめて.だから,その分比べてしまうこともあって苦しかったり.あとは単純に自分のことダメだなあと自信を無くしたり(笑) そういうのをまとめて苦労って言ってます.得たことかはわからないけど,たくさん苦労してきたから,その分胸張って成長できた!とは言えます,本当に.そしてヒーロー,一生大切にしたい仲間にたくさん出会えた.これは本当に得たもの!

———でも,「苦労しに行ってきた」ってなかなか他の人からは出ない言葉ですね.

A:でないかなあ(笑)私ほんとに苦労したんだよなあ.ちょっとMっ気あるのかも(笑)「挫折と苦労と好奇心」は結構キーワードだったかな.

———その経験って,なんか今の自分に結びついてることはありますか

A:人付き合いですかね.リーダーの立場としても,そうじゃないときも,人付き合いっていろいろ複雑なところもあるじゃないですか.難しい人とどうやって向き合うかとかっていうのは,事業の中ですごく考えたし.それを土台にして日常的にも仕事ですごい考えてますね.あとは英語!英語も仕事で使うことあって,会社の中では英語を使える方なので,頼りにしてもらってますね.

———今後,東ア船で得た経験をどういう風に活かしていきたいとかはありますか?その「コバルドオリ」とかの話を含めて.

A:大学院に行きたい!もっと言うと,ハーバードに行きたい(笑)他の人が聞いたら笑っちゃうかもしれないけどね.私はいま,コミュニティを軸において仕事をしてるんだけど,東ア船もたくさんの人と出会って関係を構築するからコミュニティづくりと言えるよね.そこでリーダーをやらせてもらったけど,いわゆる私は「ついてこい」的なリーダーではなかった.でも日本でイメージするリーダーシップって,結構ステレオタイプをもって語られることが多いんじゃないかなあと思ってて.いわゆるスーパーヒーロー的なものが求められがちかなと.でもいやそうじゃなくて「みんなヒーローなんだぞ」ってみんなの気持ちにフォーカスしてくやり方もあっていいんだないうのを船を通して思ったんです.これまでも大学院に行きたいとは思ってたけど,何を学びたいかとかは結構ぼんやりしたんです.だけど,船でのこんな経験を通してリーダーシップとかコミュニケーション,コミュニティづくりとかは接点があるものだなあと思って,そこを学びたいと思うようになりました.特に MBAとかは,一般的な経営論とかだけじゃなくて,人の気持ちにフォーカスしてるものだと気づいたんです.あとは地方大卒の私がハーバードなんかいったらおもしろいなって思って(笑)

(「コバルドオリ」の仲間たちとの一枚)

———ビリギャル的な感じってことですか?(笑)

A:そうそうおもしろいじゃん(笑)

———まあでも確かに,日本に蔓延ってるリーダーシップ論に対する偏見みたいなものはありますよね.フォロワーシップとか,調和型のリーダーとか,リーダー同士をつなぐコーディネーターみたいな存在も重要ですよ.

A:そうそう.そしてそれはあんまりリーダーって認識されないですよね.

———まあでも,そうやってリーダーって認識されない人が意外とリーダーだったりするのかもしれないですよ.「不在になった時にはじめてその存在感が実感される」ような人こそ,自分はリーダーだと思うんですよね.そういうのに限らず,自分の特性にあうポジションみたいなものを自分で見つけて自分でとって,その中で自分の最大限の力を発揮することが重要だとも思います.

A:それはすごい同意.私は44期の中ではAYLをやらせてもらったけど,もしかしたら他のタイミングで乗ったら同じ集団でも私はAYLじゃなかったかもしれないですし.違う集団にあの時の自分が行ってもそう.あの時の自分があのタイミングで言ったからこそ,私なりのリーダーシップを発揮できたんだと思う.もちろん周りの仲間に支えられながら.

———絶対的なリーダーシップなんてないですからね.自分がいる組織でどういう立場でどうふるまうかで変わってきますから.

A:そうそう,リーダーでもフォロワーに回ることもあるからね.相対的で流動的ですよね.まあでも大学院行きたいっていうのも,学校歴コンプレックスがあるからかもね(笑)

———めっちゃたのしみですよ.

A:将来を考えたとき,子どもももちたいなあって思ってるし,今持ってる仕事も全力でやりたいから大学院はいつ行くかが問題だけどね…まあでもどれもあきらめるつもりはない(笑) あと,こういう話を笑わずに聞いてくれる友達ができたことも財産だと思ってます.大切で,この先の人生が気になっちゃうような素晴らしい仲間ができて本当に幸せです.44thっていうタイミングで,船に乗れて本当に良かったです.

———ほんとに楽しみにしてます.ありがとうございました.

(あきさんとともに日本代表団のリーダーを務めた,ナショナルリーダーのかほさん(中央)と,ユースリーダーのこうさん(左).「2人がいたから頑張れた」と,このお二方には特別な感謝を語っていました.)

>次回は税関から参加された方の記事です!お楽しみに!

(編集後記~ざーたくの戯言#2-4~)
 4本にわたる連載,最後までお読みいただきありがとうございました.あきさんのストーリーから何かを学び,行動しようと思う人は多いのではないでしょうか.
 「みんなヒーローなんだぞ」というあきさんのことばをざーたく的に解釈すると,「一人ひとりそれぞれの貢献をしている」ということだと思います.その貢献の度合いや質は違ったり,顕在性の観点から評価されやすい人/されにくい人も出てくる.だから,一見「何やってんのあいつ」みたいな人がいても,その貢献は「可視化されてない」だけだったりすることも多いのではないでしょうか.ざーたくはそういう「不可視的な貢献」に美しさを感じる人種(それを”無名有実”とも勝手に呼んでます)なのですが...それはともかく,そういう「不可視的な貢献を発掘する」という意味合いで「みんなヒーロー論」を解釈するならば,それは個人にとっても組織にとっても極めて重要なことであり,それは特異な能力なんじゃないでしょうか.
 最後に,ざーたくが勝手気ままに(しかも見切り発車感満載で)始めた未熟なプロジェクト「羅針盤」のために,痛みを伴うであろうことまで赤裸々にストーリーを語ってくださったあきさんに最大限の敬意と感謝を表したいと思います.本当にありがとうございました.

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