はたして『メトロイド ドレッド』は「19年ぶりの完全新作」の期待に応えられるのか?
ニンテンドースイッチで『メトロイド ドレッド』が2021年10月8日に発売されます。ナンバリング作品としては約19年ぶりの完全新作ということで、世間はもちろん僕も期待しています。いや、「いました」。
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結論からいうとこの記事は水を差すような内容になってしまうのですが、『メトロイド ドレッド』は楽しみな反面、懸念点がけっこうあるのです。
◆いまはもう「メトロイドヴァニア」がいっぱいある
『Ori and the Will of the Wisps』画像はSteamより
「メトロイドヴァニア」という言葉をご存知の方も多いと思いますが、「メトロイド」のような、あるいは「Castlevania(悪魔城ドラキュラ)」のような探索型アクションゲームはすでにそういうジャンルになっています。
そしてインディーゲームで特に人気を集めており、『Hollow Knight』、『Ori and the Will of the Wisps』、『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』など高い評価を獲得している作品もいろいろと存在するわけです。
そんな状態で元祖の「メトロイド」シリーズが戻ってくるわけですが、はたして時代遅れになっていないか非常に不安なのが正直なところ。『Carrion』のように挑戦的なメトロイドヴァニアも出ているわけで、本家だからといって大きな存在感を示せるのか、良くも悪くも注目しています。
◆「メトロイド」はだいたいわかりきっている
『Hollow Knight』画像はSteamより
メトロイドヴァニアは「最初は能力が封印されていて、ゲームを進めていくといろいろなものを入手でき、探索できる箇所が増える」という構造になっているケースが多いです。
しかしこれは問題も発生しうる要素です。『Hollow Knight』を遊んだときに思ったのですが、「ここ、二段ジャンプで行ける場所じゃん。さっさと手に入らないかなあ……」と、予測できるがゆえの退屈さを感じてしまいました。
ゲーム体験において未知の遭遇は重要です。先を容易に想像できてしまうとつまらないので、予測できるにしてもなんらかのひねりを効かせるなりする必要があります。『Ori and the Will of the Wisps』は、ダッシュや二段ジャンプといった重要な移動スキルが序盤に揃う大胆な構造にしていましたね。
『メトロイド サムスリターンズ』
そして、「メトロイド」シリーズは特にわかりやすい。ミサイルやらモーフボールやら、中盤くらいまではいつもの装備を集めているイメージが強いです。
おまけに探索しても手に入るものはたいていミサイルタンクで、どうにも喜びが少ないのです(エナジータンクは嬉しいですが……)。むしろクリア後のイラストのために収集している節もある。
『メトロイド ドレッド』はスライディングなど新たなアクションがあるようなのですが、果たしてここはどうなるのやら。
◆開発会社に対する信頼が足りない(もしくはディガーノートがクソすぎ)
『メトロイド サムスリターンズ』
『メトロイド ドレッド』はスペインのMercurySteam(マーキュリースチーム)が開発を担当しています。坂本賀勇プロデューサーはこのデベロッパーを信頼しているそうですが……。僕は信頼しきれていないんですよね。
というのも、新作が出る前に同デベロッパーが手掛けた『メトロイド サムスリターンズ』を遊んだのですが、これがあまりよくなかったからです。周囲を調べるのが楽になる「スキャンパルス」はよかったのですが、操作が非常にしづらいゆえに遊びにくく(とはいえ、これはニンテンドー3DSというハードのせいもある)、さらには後半のボスがとにかくクソでした。
『メトロイド サムスリターンズ』
本作には「ディガーノート」というオリジナルのボスが出てくるのですが、これがうんこ。謎解きタイプのボスなのはいいにしても、その攻略方法が非常にわかりづらいうえ(特定タイミングにおいて特定パターンで攻撃しないと効かない)、敵の攻撃も苛烈で回避するのがかなりたいへんなうえ高威力。わかりにくい謎解きと難しいアクションが組み合わさり、これだけでゲームを投げ出す人が続出しそうなクソボスです。その後のクイーンメトロイドもまあまあひどい。
「難しかったり悩んだりするのが「メトロイド」だろう」という意見もわからなくもないのですが、その意見を飲み込んだとしてもディガーノート、テメーはダメだ。いや本当にあんなボスを作ってしまうデベロッパーが手掛ける新作というだけで不安になりますよ。
◆それでも僕は『メトロイド ドレッド』を買う
とはいえ、『メトロイド ドレッド』にも希望はあります。MercurySteamもプレイヤーの意見を聞いているはずでしょうし、ナンバリングなのでXが関わってくるストーリーも楽しみ。『メトロイド フュージョン』で最高だったアダムも登場するようですしね。
何よりテッカテカのサムスのスーツがかっこいいですし、プレイ中にカットシーンが挟み込まれる演出もイケているわけですよ。楽しみなのは間違いない! けれども、無条件にひたすら喜べるわけでもない……! これが『メトロイド ドレッド』に対する正直な気持ちです。
はたして『メトロイド ドレッド』は期待を超えてくれるのか? それとも「悪くないけどまあ、うん……」という感じになるのか。2021年10月8日が楽しみであり恐ろしくもあるのです。
※余談
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※追記
この記事は杞憂でした。という記事をIGN JAPANに掲載してもらったので、よかったらこちらも見てね。
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