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事業創造デザインプログラム2023 Advanced Day8 開催レポート

こんにちは。SSDCデザイナーの北田です。

この記事では、2022年10月27日(金)に開催されたSSDC事業創造デザインプログラムDay8(最終報告会)の開催レポートをお伝えします。

少しでも、当日の熱量をお伝えできれば幸いです!

【この記事はこんな方におすすめ】
・社会や地域をより良いものに変える事業を創造したい方
・新しいことを自ら考えるのが好きで、それをカタチにしたい方
・地域に根差した具体的な課題をお持ちの方


はじめに

事業創造デザインプログラムとは、産・学・地域のイノベーターが、社会や地域の課題を解決するビジネスアイデアを構想し、実現するためのプログラム。
SSDC主催で2019年から開催しており、今年で5年目を迎えるプログラムです。
2023年度のAdvancedでは、7-10月までの約3ヶ月をかけ、社会課題・地域課題解決のビジネスコンセプトをつくっていくことに受講生は取り組んでいきます。

2023年度事業創造デザインプログラムに関する詳細は、SSDCホームページの特設サイトをご覧ください!


これまでのあらすじ

2023年度開催レポートまとめはこちらをご覧ください!


Advanced Day8 概要

ついに迎えた最終報告会。目的は事業アイデアの計画概要および中核となる「誰の」「どんな課題を」「どのように解決するか」を言葉とイメージで端的に伝え、ソリューションデモで価値を訴求し、審査およびフィードバックを得ることです。

Day8のアジェンダ

Day8のアジェンダは以下の通りです。事業化を目指したい方は、検討した事業アイデアを発表頂きました。一方、学びを目的とする方は、このプログラムを通じて得た学びや気づきを発表頂きました。


事業コンセプトのプレゼン・フィードバック

今回は最終発表会に参加した全11テーマを一挙にご紹介します!

現在と未来に沢山の子育てのストーリーを繋ぐ社会 『未来へのインタビュー』

事業コンセプトサマリ
「未来へのインタビュー」は、子供たちが自分らしく職業を選べるよう、親が不足している経験や知識を補うサービスです。サービスを通じて職業経験者とマッチングし、実際の仕事内容ややりがい、想いなどをインタビューを通して学べます。このサービスは、子供一人ひとりの「自分らしさ」を社会に繋げることを目指しています。

【フィードバック(抜粋)】
・本業が忙しい中、中間報告からのブラッシュアップが素晴らしいと感じた。自分自身子供がいるためぜひ使ってみたいと感じた。

・子供が新たな職業に気づくきっかけをつくるのであれば、そこにもっとフォーカスする仕組みにしてもいいと感じた。色々な人に出会うことでポイントが貯まるなどのゲーム性を加えたりすると、さらに職業に触れる機会を増すことができるかもしれない。


1日10分。音と光の安らぎで心OFFに

事業コンセプトサマリ
「1日10分。音と光の安らぎで心OFFに」は、多忙な社会人向けのアプリで毎日のストレスを軽減します。ユーザーは音声でその日の感情をアプリに伝え、アプリはこれを分析・可視化し、応援メッセージを提供します。さらに、これらのデータを基に、デバイスが個人に合わせた音楽や光のリラクゼーションコンテンツを10分間提供。この日々の習慣を繰り返すことで心の平穏を取り戻すことができます。

【フィードバック(抜粋)】
・スマホを見ることでストレスが貯まる部分が、画面を見ることでストレスが和らぐという観点が面白いと感じた。

・デバイスをつくる時に初期投資がかかるのではないか。そこへの投資回収イメージとリスクヘッジの想定を教えて頂きたい。


松之山への移住支援サービス 『松之山build』

事業コンセプトサマリー
「松之山build」は、松之山への移住を考える人々に向けた移住支援サービスです。移住希望者が直面する住居や仕事の不足、情報不足の問題を解決するため、地元のコミュニティ内のリアルな情報提供や個人に合わせたコミュニティ形成、移住後のサポートを行い地域の活性化に貢献します。

【フィードバック(抜粋)】
・補助金として移住に特化したものなどもある。そうした制度の利用も検討していただきたい。

・地域を良くしたいと考えてくれているのがとても嬉しい。地域の人とうまく連携できるプロセスにしてほしい。活動を続ける場合は、ぜひ相談に来てほしい。


地域データ分析 LLM Agent 『八咫鏡(ヤタノカガミ)』

事業コンセプトサマリー
「八咫鏡」は、中小規模の行政関連組織向けの支援サービスです。これらの組織は、人材や予算の不足からエビデンスに基づく政策決定(EBPM)の実施が困難です。解決策として、自動でデータから課題を検出し仮説を提示するツール、効率的なデータ収集・分析のための基盤、そして専門家によるコンサルティングを提供します。それによって客観的なエビデンスに基づき、効果的な政策を実行し、より良い地域社会を築くことを目指します。

【フィードバック(抜粋)】
・専門的な内容となるがハルシネーションの対策は考えているか?

・企業内の一人として同じ問題を抱えている。まさにデータ分析の知識が乏しい、データ分析基盤の活用支援にまさに苦戦している。

・使うデータはオープンデータとクローズドのデータを活用することを考えているのか?


農業応援アプリ『ぷらっとファーム』

事業コンセプトサマリー
「ぷらっとファーム」は、農業に新規参入した人々を支援するアプリです。若手農家を中心に情報不足や人脈の欠如で苦労している問題を解決します。このアプリは、農家同士、また農業に興味を持つ人々を繋ぎ、成功体験やノウハウを共有する場を提供。一人での試行錯誤を助け、農業での収益化を目指します。食料高騰の中、安定した食料供給の実現を目指すビジョンを持っています。

【フィードバック(抜粋)】
・簡単に農業を体験して、同じような課題を感じた。受け入れの体制とセットで検討していかないと成り立たない。どのような形で展開していくのか教えて頂きたい。

・農業のHRとして考えると色々な視点が見えてくるのでは?

・ターゲットを若者ではなく、高齢者の方にするのもありなのではないか。農業を通じて、高齢者の方が元気に過ごせる形も一つの形かと感じた。


人や場所の個性を記録。人らしく移動できるナビガイド

事業コンセプトサマリー
「LOOVIC」は、従来のナビゲーションと異なり、実際の景色や土地の情報を基にした音声ナビゲーションを提供します。これまでのナビゲーションは地図通りに正しく移動することに意識が向きがちです。
「LOOVIC」ではユーザーはアプリに声を吹き込むことで、個性的な音声ガイドを作成し、他人と共有できるため、街歩きがより楽しなる体験を届けることができます。

【フィードバック(抜粋)】
・マネタイズポイントを具体的に教えて頂きたい。

・地元に長くいても、地元のことを知らない人も結構いる。そうした高齢者の方に地元を歩くことをもっと楽しむ機会として、提供するのもありかと感じた。面白い着想だと感じた。


アーリーステージの飲食店経営者向け 飲食店専門サブスク型コンサルティングサービス

事業コンセプトサマリー
アーリーステージの飲食店経営者向けに、経験豊富な専門家が支援するコンサルティングサービスです。飲食店経営者が抱えるノウハウなどが共有されない課題に対して、正しい計画立案、FLRコスト管理、ビジネスモデルの構築など具体的な対策を提供。経営者はいつでも専門家に相談でき、支援を受けることができます。このサービスは、飲食店経営者が同じ苦労に直面するのを避け、地域に貢献することを目指しています。

【フィードバック(抜粋)】
・横浜を対象にしているが横浜に特化したノウハウがあるから横浜なのか?横浜への想いが溢れているため横浜なのか?

・一般企業の生存率は6%程度。なので、3年後の継続率など別の指標で訴求したほうが飲食店の課題などが伝わりやすいと感じた。

・知人も飲食店を経営している。なぜ早期にクローズしてしまう飲食店が多いのか。


キャリアも育児も両立できる!自分の人生の理想を叶える女性向けコンサル/講座ビジネス

事業コンセプトサマリー
「ママになる」は、キャリアを楽しみながら育児も両立したいと考える女性たちに向けたコンサルティングと講座のビジネスです。個別相談を通じて、悩みを深堀りし言語化できる環境を提供。さらに、同じ境遇やフェーズの仲間との繋がりを大切にし、孤独感を解消することを目指します。このサービスは、自分らしい人生を楽しみながら生きる女性を支援し、社会の変化を促します。

【フィードバック(抜粋)】
・発表者の方の熱意から課題感を抱えている人がいることを痛感した。ご自身が所属しているコミュニティに同様のビジネスをやられている方がいるのか?どのようなチャネルで使ってユーザーの方と繋がっていくのか想定を教えて頂きたい。

・男性向けに知ってほしいことや、そういった方向性の発信もありかと感じた。

・なぜこのサービスがユーザーから選ばれるのか?サービスの強みなどがあれば教えて頂きたい。

人生100年時代の生き方革命

事業コンセプトサマリー
「人生100年時代の生き方革命」は、40~50代の忙しいビジネスパーソン向けのサービスです。日々の業務に追われ、自分の本当の望みや生涯の目標を見失っている人々を支援します。このサービスでは、見える化ワークショップとコーチングを通じて、本当に重要なことや本気のテーマを明確にし、それに基づいて日々の行動を整えます。目指すは、一人ひとりが自分らしい生き方を実現し、豊かで幸せな社会を築くことです。

【フィードバック(抜粋)】
・目指す未来はとても共感できた。ただ人生が豊かになるのは仕事だけではない気もしている。

・マインドマップは発散しがちなので、収束することに対するコンサルには価値があると感じた。そのためどうやって収束させるのかがポイントになると感じた。

・自分も含めやりたいことが溢れかえっている人もいる。そうした方にはどのようにコーチングをされるのか気になった。


今ある資源を未来につなぐ! 里山アートで地域おこし

事業コンセプトサマリー
「今ある資源を未来へつなぐ!里山アートで地域おこし」は、里山アートを活用した地域活性化プロジェクトです。地域では今ある資源の価値を理解してもらい、観光資源としての活用していく部分に課題があります。解決策として、駅前広場でのマルシェや音楽イベント、地域住民向けワークショップを実施。これらの活動を通じて、地域の魅力を引き上げ、人々を引きつけることで地域を活性化し、過疎化への対策を図ります。

【フィードバック(抜粋)】
・自治体やステークホルダーの方とどのように合意形成をしていくのかがポイントになりそう。

・アーティストと地域の人とが円滑に取り組める仕組みをどのように作りあげていくのかが気になった。


廃業開業マッチング『ネクストステップ』~地域商店街をみんなで作るプラットフォーム~

事業コンセプトサマリー
「ネクストステップ」は、後継者不足に悩む商店街の経営者と新規参入希望者を繋ぐプラットフォームです。廃業を考える店舗の資産活用と、アイデアと情熱を持つ新規参入者のマッチングをサポート。商店街の核となる店舗を育成し、全体の活性化を目指します。商店街の魅力を再発見し、活気あるコミュニティを創造することを目指しています。

【フィードバック(抜粋)】
・行政側が実施する施策との違いについて教えて頂きたい。

・不動産仲介などに取り組むのであれば、資格や許認可など色々と必要になる。

・一番の課題は商店街自体を盛り上げるのは誰なのか?と感じる。


Advancedに参加して得た学び・気づき

学び目的の方からはプログラムに参加して得た学び・気づき、今後どのように活かしていくのかを発表頂きました。

【学び・気付き(一部抜粋)】
・MVPを活用してヒアリングを重ねることで、効率的にサービスを形にすることができる。

・お客様の困りごと、悩み事に確実に寄り添えるビジネスの提供を通じ社会貢献をしていきたい。

・ビジネスモデルを考えるとき、提供する価値とターゲットがあいまいだったため、具体化するのが困難だった。

・今回挑戦したテーマを継続して検討して、まずは事例を作っていきたい。


Master事例の共有

Advancedの次のステップにあたるMaster(事業化検証)に取り組んでいる方や準備中の方から、彼らの活動状況を共有してもらいました。

SSDCアドバイザー・理事からの総評

(敬称略/一部抜粋)

SSDCアドバイザー:天野 信之

一番最初の方のだけ聞くことができなかったが、内容は面白かった。
一つ感じたのが検討したプランを成功させる蓋然性の分析が甘かった。
またシニア世代の方々にもこのようなプログラムを提供していく価値があると感じている。

SSDC事務局:高柳 浩

あえて厳しいことを言うと、みなさんが発表された内容は性善説で考えている。ぜひ性悪説の視点でも壁打ちしてみると、ビジネスの枠がさらにしっかりとすると思います。

SSDC理事:牧田 和也

皆さんのプレゼンを聞いて、改めて人間はどうやって生きたらいいのかを考える。なぜ自分は生きているのか?命があるのか?そういった根底の部分から考えを深めていく。
今後も活動を継続してくためにご自身のフィロソフィーを考え、継続して頑張って頂きたい。


SSDC理事/開港都市プロジェクト発起人:片桐 恭弘

長期間、本当にお疲れ様でした。一番感じたことははみなさんの熱い想い。
それはとてもいいこと。熱い想いを基本にユーザーの方にどれだけの価値を提供できるか。魅力的に感じて頂けるか。それを考えていく。

Advancedは時間が限られているので、Master(事業化検証)でそこを突き詰めるのが大切。AIなどのキーワードは出てくるが、どういう技術をどのように使うのか。そこをシャープにしていく。

最初はみなさんが感じた問題点をコアにして進めるが、それを一般化していく。法律等はすぐには変わらないので、社会が変わるイメージを想い描きながら進めてほしい。
このプログラムは異質な集まり。ぜひここで出会った縁を大事にして頂き、色々な活動を進めていって頂きたい。


今後の展開

受講生のみなさま、約三か月間本当にお疲れ様でした!!
またご協力いただいた関係者の皆様にも、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。

最終報告会は終わりではなく、スタート地点です。
事業アイデアのままで終わらせず、思い描いた社会の実現に向けてぜひともに行動していきましょう。

今後はSSDC関係者の方々と協議を重ね、実際に継続して社会に対して価値を創り上げていきたい想いのある人をMasterフェーズ(事業化検証)で支援していきます。

新たな価値を生み出せるよう我々も伴走して参りますので、引き続きよろしくお願いいたします!

また振り返り会でみなさまにお会いできるのを楽しみにしてます!!
本当にお疲れ様でした!!

参考:各日程レポート

▼各日程のレポートはこちらに▼


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