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君たちはどう生きるか?...は、あの時代設定にする必要があったのか?

(ネタバレあります)

「君たちはどう生きるか」
宮崎駿監督はどう生きているか?かなり好き放題に生きている!

けど、きっと何回も「これじゃあ、わかりませんよ!」って、(誰かに)言われて直しを入れたんだろうな〜と勝手に想像します。
一生懸命わかりやすくした痕跡を、そこかしこに見たような気がします。

しかし、しかし、もう笑っちゃうくらい、ザ・宮崎アニメ。
キャラクターは、少年と、少女と、ババアとジジイと、男まさりの女性という、宮崎アニメの典型的な布陣。

もちろん、もののけも、いっぱい出てきます。
大量に発生する〇〇とかね。今回はワラワラ?笑笑?(居酒屋じゃない!)
以前はまっくろくろすけ。他にもいろいろありましたよね。

崩れる階段シーン。これも王道ですよね。もう、ファンサービス?みたいな感じです。
初めて見たのはカリオストロかなぁ?コナンかなぁ?
崩れ落ちる階段をこちらに向かって走ってくる高速回転の足。これを描かずして、何を宮崎さんに描いて欲しいと願うでしょうか?

魚の腹から飛び出してくる内臓さえも生きているかのように描く、生々しいけど、美しい、そんなアニメらしいアニメを見たいよ〜〜という人には絶賛おすすめします。
ランチ1回分の値段として見てもコスパの高い、非常に優れたエンターテインメント。

でも、「もやっと感」が残るのも、宮崎アニメらしいところでして...

そもそも、どうして戦時中の話じゃないといけないわけですか?
戦争が絡みあるのは、冒頭ぐらいなもので、それも必然性が感じられません。
あれ、空襲とは関係ない火事だったとしてもストーリーは成立しますよね。

けど、時代設定なんてどうでもいい、というのも、また宮崎作品らしいところです。だって、第二次世界大戦のさなかのファンタジーを描いて許される監督はそうたくさんいないですから。
そう考えると、あえて設定を戦時中にしたのも、意味があることなのかもしれません。
むしろ、戦争なんてものがあるからこそ、夢見ていたい部分もあります。

ということで戦時中ファンタジーとして、「君たちはどう生きるか?」は成立する、という結論にしておきます!

そして、「私は、どう生きるか?」の問いに対する答えは、「まじ、ファンタジーの世界で生きていけたら、いいのにね」です。
ごめんなさい、ちょっと捻くれてますけど、許してください。

それにしても、宮崎駿監督は、きっとまだまだ創作していける、すごいエネルギーを持っている方です。彼こそ、ファンタジーならぬリアル世界で強く生き続けている孤高のクリエーター!
次の作品が楽しみです、きっとまた作ってくださいね!

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