見出し画像

【詩】囀り

囀り

なないろの空
遠く 朝焼けの中

言葉はなんとも不自由で
表せそうで表せない
私の記憶の中だけで想起する風景

それがもう少し伝わるように
細かく説明を試みる

朝焼けの中、雲たなびく南の遠空に
黄色やオレンジ、赤橙色
紫雲、白雲
影の色、、、陰影
それらの隙間から覗く空色
それをなないろと見紛った

これで少しは、伝わるだろうか
それでもやはり、すべてを伝えることなどできはしない

しかしそれでいいのだろう
すべて 伝わらなくとも

こうして詩を書く目的は
伝えることではなく
さえずることとしてしまって

さえずることで
それぞれの胸中に
それぞれの風景が
生まれるものとして

そうとして
意味のある
この
言葉による
人の
さえずりを
美しい行為と
信じてみようか 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?