心を見つめる

生きている間、人はどのようにして
自分のこころを知るのだろうか。

自分を知るには、
内側を見つめるしかない。

思春期に自我が芽生え、
自分と他との違いを感じ、
複雑なこころが発展していく。

根拠のない優越感や自尊心。
それを打ち消す劣等感やコンプレックス。
自我は多様な感情をはらんで、
まとまりなく統一性を保つ。

両親から受け継いだ遺伝的な体質以外、
個体の性質のほとんどは、生まれからの環境でつくられる。
性格や好き嫌いなどは、どうにでも変えられる。

強いストレスに耐えられる人と、そうでない人。
あるいは、ストレスの種類で感受性も違う。

私の場合、幼い頃から運動は苦手。
おばあちゃん子で育ったせい。
近所の子どもが誘いに来ても、
外に出るのは認めてもらえなかった。
多分、危ないと心配したのだろう。過保護。

小学6年の体育、鉄棒の試験があり、
前まわりができないのは私だけ。

成人後、ソフトボールのピッチャーやテニス、
運動は人並みだと安心した。
苦手だと感じていたのは、間違いだった。

自分の特質を知るのはとても難しい。

私の場合、吃音やら何やら。
自力ではどうにもできない大問題があったから、
それを乗り越えるだけでも、大変。

30代で生活も落ち着き、
その頃から本格的に、
自分の内面を見つめる、瞑想を始めた。

日常、外界の刺激にあふれて、
自分の内面の声を聴くことはできない。
心身の内側からのメッセージを感じることもできない。

静かな部屋での座禅が、いいと思う。
精神の緊張とは、要するに、
こころが何かに捉われていること。
思い込みや心配事であくせく。

そういう時こそ、座禅。

まず、筋肉の緊張を解いていく。
腹式呼吸が一番有効。

ゆっくり長く息を吐き出していく。
目は閉じる。(視覚を遮断)
背筋を伸ばし、胡坐を組んで、体幹を安定させる。
同じ姿勢を半時間は維持できるように。

ゆっくりとした呼吸で、
全身の筋肉の緊張をといていくと。
自然と、
こころの緊張もゆるんでいく。

もし、悩み事があれば、
こころの緊張が消えた状態で、
悩み事の中身を見つめればいい。

悩み事に対する、
当面の解決策が
すぐに浮かんでくる。

こだわり、思い込み、錯覚、不安、心配、執着。
そんな、こころの緊張がなくなれば、
だいたいの問題は、
輪郭が明らかになる。

つづく

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