愛とはなんだ その4

男と女は、本能的にひかれあう。
私たち夫婦の出会いがまさにそうだった。

人の五感は非常に優れている。
例えば、嗅覚は、分子一つでも感知できるという。
約1万種類を識別できるようだ。
理論的には1兆種を嗅ぎ分けられるという。

今いる場所の匂いも特定できるという。
サケが生まれ育った川の匂いを知っているように。

しかし、人の場合、能力退化が激しい。
五感の中の視覚だけに頼る生活になるからだ。

人の能力は退化していくものが多い。
空間認識能力も退化が激しい能力の一つ。

昔の人類は、獲物を追って長距離移動を繰り返す。
空間認識が発達していないと帰れなくなる。

また、人は、嗅覚だけで、本能的に相手を選ぶことが可能。
しかし、視覚に頼り過ぎる人は、外見で騙される。

男は本能的に女の扱いを知っている。
誰から教えられなくても、女がどういうものか、
中学生くらいになると知っている。

だが、中学生では具体的経験はない。
観念的なまた聞きの知識しかないので、
現実的な行動はできない。
思い込みから動くので、うまくいかない。

高校生になると、具体的経験が加わっていくが、
まだ、自己中心の思い込みが主体。
これではうまくいかない。

成人になると、
相手の女性も大人なので、
互いにひかれあう、オスとメスとなる。

においだけで、相手を選べるのが人の本能。
オスとメスは強くひかれあう。

強くひかれあわないカップルは消えていくのが自然。
残ったカップルでは、
愛という価値づけが始まる。

人の理性は、ものごとを後付けして理由付けする機能。
いろいろと飾りをのせていく。

愛は、そういう飾りの一つ。

夫婦は愛という飾りで結びつくのではなく、本能的な関係。

つづく

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