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小匙の書室179 本格ミステリ大賞発表

 待ってました!

 第24回本格ミステリ大賞!!

 ミステリーが大好きな私に取っては絶対に外せない賞で、候補作が発表されてから今か今かと発表を待っていました。
 新刊の波から期間を経て、また新たに話題になるから、こういった賞ってのは楽しいんだよなあ。
 書店に足を運んで『本格ミステリ大賞受賞!』って帯が巻かれているのを見ては、「そうそう、面白かったんだよなあ」とニヤニヤしてしまいます。マスクがあってよかった、そんな怪しい顔を晒さなくて済むから。

 ──さて、改めてまずは【小説部門】の候補作を振り返ってみましょうか。(敬称略)

『地雷グリコ』青崎有吾
『エレファントヘッド』白井智之
『可燃物』米澤穂信
『アミュレット・ホテル』方丈貴恵
『涜神館殺人事件』手代木正太郎

 次に【評論・研究部門】がこちら。

『ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション 戦後翻訳ミステリ叢書探訪』川出正樹
『密室ミステリガイド』飯城勇三
『ミステリ映像の最前線 原作と映像の交叉光線』千街晶之
『現代ミステリとは何か 二〇一〇年代の探偵作家たち』限界研・編
『妄想アンソロジー式ミステリガイド』探偵小説研究会・編

 はたして、どの作品が受賞したのか。

 来る5/10、12:00に結果がもたらされ──。

【小説部門】『地雷グリコ』

【評論・研究部門】『ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション 戦後翻訳ミステリ叢書探訪』

 が受賞!!
 おめでとう御座います🎉

 ⇩各作品の票数と順位の詳細はこちらからご覧ください⇩

 【小説部門】
 ・2位の『エレファントヘッド』と18票差をつけての受賞。あえて本格ミステリと銘打たずに刊行されたにも関わらず、映えある大賞に輝いてしまうとは……。ざっと過去の受賞作を眺めても、これは初めてのことではないでしょうか。(間違っていたらごめんなさい)
 こうなってくると、堅固な本格推理が作品の中にあれば、ミステリの枠に収まらない小説が今後も『本格ミステリ大賞』に登壇する可能性があるってことですよね。
 とにもかくにも、青崎先生、おめでとう御座います。
 ⇩ちなみに、読み終えた直後に書いた「おんもしれぇぇ!」ってなってる記事はこちらをご覧ください⇩

 【評論・研究部門】
 こちらの作品は未読なのですが、戦後から現代に至る『翻訳ミステリ叢書の研究』や『翻訳ミステリのブックガイド』と聞けばどんなものなのか気になりますね。
 大著、とあるだけに、ページ数の分厚いこと。そこには著者の翻訳ミステリにかける想いがあるわけです。
 私としてはこのような研究に力を注ぐ方に少しばかり憧れを抱いてしまいます。
 深く深く作品に触れ、それを元に世界を開く。その行為がどれだけ素晴らしいことか!!
 なんだろう、ただただ「ミステリーが面白い!」「ミステリーが好き!」という文章を綴るのを無碍にするつもりはないけれどそれでも心のどこかでは、深遠に向ける視線の鋭さや作品の魅力をさらに引き出す文章力がほしいんですよね……。


 これで一つ、大きな賞が終わりました。
 残念ながら大賞にならなかった作品も、もちろんミステリとしての面白さは際立っているので、ぜひともお手に取って頂きたいです。
 そうしてまた来年度、そのときどんなミステリが顔を並べるのか楽しみにしつつ、今年も読書生活を送っていきます!

 ここまでお読みくださりありがとうございました📚

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