夏の雨

世間はお盆のようだが、私には関係なくいつも通り夜勤明けでお稽古へ向かう。盆略点前もそろそろ大詰め。

準備ができたら、襖の前で待機。襖を開けるところからお稽古である。右手を引手にかけ数センチ開ける。床から25センチの位置に右手を添え半分開ける。左手に変え全て開け切る。そうしたら扇子を前に出しにじり入る。先生のいる方向へ扇子を向け、「ごきげんよろしゅう」。

最初からやりなおし。「盆略点前の稽古よろしくお願いいたします」

お盆を持って入る。お軸へ向かって歩くときは右足で畳のへりを越える。お軸から離れるときは左足で畳のへりを越える。これが裏千家の作法。特に意味は深く考えない。単純に決めてあった方が秩序立って見えるからだろう。

お点前はいつも通り。

建水を片付けるときは左回り、お盆を片付けるときは右回りに帰る。建水は綺麗なものでないため、お客様に見せないようにするためだろうか。

ひと通り盆略点前の流れを学んだ。気付けば3ヶ月が過ぎていた。3ヶ月でどれだけの進歩があっただろうか。体験時におっしゃった「細く長く続けてほしい」という言葉が耳に残っている。

少なくとも今の私は、お茶を生涯愛するだろうし、茶道にも嫌気が差すことなく続けるだろうと思っている。茶道をアイデンティティの一部にしようとさえしている。毎日お茶を点てる日課にしようと試みたが、3日と続かなかった。お茶は義務感でするものではない。飲みたいときに飲めば良い。細く長く、いつまで続くだろうか。

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