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盆略点前

11月から新しいお稽古に入りますと予告されていた。つまり、10月2回目の今回で盆略点前を完成させなさいということである。

いつも通り稽古開始の10分前に着いて、水屋で準備をする。棗のお茶を、二酸化珪素含有量の少ない玄武岩質マグマにより形成される楯状火山のごとく成形する作業もさまになってきた。気を抜くと浅間山になってしまう。

本日使用したお茶碗は「京焼 描き分け 竜胆」。これもまた時候柄で華やかなお茶碗である。

一度指導を受けながらお点前を行い、次いで準備からやり直し、二度目のお点前を行う。今度は指導が入らない。静かだ。庭で作業されていたので、その話し声が聞こえる。気が散る、などというのは言い訳である。お点前は禅の心で行う、以前言われたことだ。集中すれば体が勝手に動く。

緊張感のある中、客の稽古も行う。お茶を飲んでいるときだけは落ち着いていられる。お茶は偉大だ。そして最後まで無事やり遂げた。直後猛烈な疲労に襲われる。集中できていただろうか。

盆略点前を修了したところで、許状推薦の案内をいただいた。家元に申請すれば、晴れて許状持ちとなる。我ながら5ヶ月間よく頑張りました。

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