就業規則はいつ作成するべきか

就業規則は、企業や組織が従業員に適用する職場ルールのことです。
主に雇用関係における権利と責任、労働条件、勤務時間、休暇、給与、昇進、解雇など、様々な側面をカバーしており、従業員が就業規則を遵守し、事業所がそれを適切に実施することで、労働関係が円滑に進み、法的なトラブルや紛争が防止されることが期待されるものです。

社会保険労務士へコンプライアンスやリスクヘッジ要素をみたしたものを発注しても良いですし、無料でも厚生労働省のホームページにサンプルがありますので自分で作成することもできます(ただ、思ったよりも手間がかかってメンドクサイ・・・というのが正直な意見^^;)

就業規則は労働基準法第89条第1項により「常時10人以上の労働者を使用する使用者は就業規則を作成し、行政官庁に届出なければならない」と規定されていますので、多くの会社や組織では従業員数が10名を越えようとするころに作成を検討するところが多いかと思います。実際、私が受ける就業規則作成の相談も従業員数が5~8名くらいのケースがほとんどです。

ただ、就業規則作成のベストタイミングの個人的な意見は「従業員を一人でも雇うことになったら作成に着手」です。

一般的に組織の人数が少なければ少ないほど人間関係が濃密ですので、組織ルールよりも個人間の人間関係が優先されることも多いため「ルールなんて堅苦しいよ」となりがちです。

関係が良好な時であればそれでもいいですが、関係が悪くなり解雇の話が出てくると、行為の是非より好き嫌いの話になってしまうことがとても多いです。その時の心的ストレスの大きさはもちろん、その後の関係にも大きな溝を残すことになってしまいます。場合によっては退職者による同業界起業での顧客減やSNSでのネガティブイメージの拡散など、その後の経営活動においてもリスクになり得ることもあります。

ですのでそうならないためにルールを先にしっかり作っておいて、特に悪いことについては私的感情ではなく、ルールに基づいて懲戒などを実施していくことがとても重要になるわけです。

なお今後、助成金の受給を検討している事業所は従業員10名未満でも就業規則は必須になります。さらに助成金が目的で就業規則を作成する場合は、その文言に要注意です。助成金の性質によって「このワードが入っていないとダメ」とか、逆に「このワードが入っているとダメ」というケースがありますのでもし具体的な検討助成金がある場合は、その旨をお近くの社会保険労務士に確認してみてください。

ちょっと横道にそれましたが、就業規則は組織のルールブックです。従業員が一人でもいたられっきとした「組織」ですので就業規則は作っておいたほうが、後々良いことがありますよ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?