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沖縄〜宮古〜八重山ツアー2005

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沖縄〜宮古〜八重山ツアー(2005.7.15〜7.31)の記録
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スタートライン

インド古典音楽に興味を持ってバーンスリーの演奏を聴き、打ちのめされ、この人生で絶対にこれをやると心に誓ったのが1990年の冬、22歳の時。それから丸30年経って、今こんな世紀の感染症大流行に晒される中、ステイホームの暇にあかせていろいろ過去を振り返ったりもしているのだけれど、ちょうど折り返し点にあたる15年前のとある夏の日、僕のインド音楽人生における重大な転換点があった。それはハタから見れば何てことない些細な日常だったかも知らないが、僕にとっては世界がひっくり返るような出来事

ぼくドラえもん

こんなこといーいな、できたーらいーな。 やあ、よいこのみんな。元気かな? ぼくドラえもん。 未来の国から琉球王朝第二尚氏歴代国王の墓を守るためにやってきたネコ型ロボットなんだ。 悪い蛇だって、ほら、この通り! 未来の科学技術の力でイチコロさ!!(ガジガジ) 良いこのみんなも、言うこときかないと食べちゃうぞー(笑) (2005.7.15 首里 玉陵にて) 追記。後の人生の方向性を変えてしまうほどの濃密体験をした2005年沖縄〜宮古〜八重山ツアーのスタート

宮古2日目

宮古2日目。今日も朝からいい天気で、いてもたってもいられず、海。 宮古島の北端から珊瑚礁の上橋を渡ってひとつ隣の池間島まで車を走らせ、誰もいない、海水浴場でもなんでもない、ただただ青い空と海と白い砂と珊瑚礁と魚たちしかいない海へ直行! 遊び倒しました。 ニモもいました。 クマノミの親子。 ハタタテダイも。 エメラルドグリーンの魚の群れに混じって、赤や黄色やピンクやコバルトブルーや黒白ツートンの魚たちが、目の前で広げた手の指先に集まってきて指をつっつくつっつく。

カミサマのいる島

波照間島に降り立って最初に感じたこと、それはやたら白いという印象。 緑の森もサトウキビ畑も青い海も、なぜだかみんな、何もかもが白っぽく見える。 見ている風景と自分とを隔てる空間に、光の粒子がぎっしり詰まっていて、それらが白く発光している、とでも言わんばかりの。 後になって僕は、その感想があながち間違ってなかったことを知る。 波照間島。ここはカミサマのいる島。 あの森とその森にはカミサマがいて、そこはカミサマの寝室だから入っちゃダメよ。ここは大丈夫。ちゃんと言っと

ぱなぬふぁ、という名の店

今回のツアーはどこもみな雰囲気のある会場、印象深いライブ、忘れがたい人たちばかりだったけど、「花の子」という名前を持つここ波照間のパナヌファは、とにかく別格だった。空気の組成からして違った。強烈だった。 「別に、カミサマはここにだけおるんと違う。東京にだって大阪にだってうようよおる。ただ街では情報が多すぎて、見なあかんもんが多すぎて、それらに気ぃつけへんだけやねん。  ここには何もないから、どうしたってそういうもんが目につきよる」 店主岩崎さんは時折、あらぬ方を

ぱなぬふぁ、という名の店 2

まったく、こんなにヒト以外のお客さんの多いステージは、初めてだ。ツアーもいよいよ終盤にさしかかるというのに、この舞台の上でいったい何をやったらいいのか、全然見当がつかない。 思いあまって、店の裏でタバコ吸ってる岩崎さんに相談する。 -何やったらいいんでしょうか、僕? -あー、何でも好きにやってくれてえーよ。 これといって他に娯楽施設もない波照間島では、ライブの日には、ナイチャーや他の島から来てる人たちが集まって、いつのまにか店は結構なにぎわいを見せている。

樹々の息吹

波照間が白なら、西表は黒。いや、黒ってことはないけど、こっちはこっちで、やたらに生物の気配の色濃い島だ。 植物が、なんだか動物的。桟橋に足を下ろした瞬間、目の前の森から肉食獣のような気配が立ち上っているのを感じる。森に入ると、樹々の息づかいが首筋に当たるようで、ちょっとでも気を抜いたらあっという間に森の養分にされてしまうんじゃないかとドキドキする。 この枝。この動き。無秩序の秩序。 うねり、絡みつき、そして密やかに花を咲かせる。 西表の樹々は、知っている植物とは全然違う。今

島の風景

西表島古見のマナの家。演奏の翌朝庭先で出会ったサキシマカナヘビは、今回ツアー最大の贈り物のひとつ。 こんなに美しいトカゲは見たことない。 本来警戒心の強いヤツの筈なのに、全然逃げようともしない。 しまいには、手足によじのぼってくる始末。 干潟に佇むヤエヤマヒルギ。ああ、おまえはこんなところに根を下ろしたんだなあ。マングローブの最前線で何想う。 マングローブもう1枚、マヤプシキの筍根。同じく古見にて。 これまたなんとも不思議な光景。 他の植物が育たないような環境で、

豊年祭

7月中旬から8月にかけて、八重山は豊年祭シーズン。 集落ごとに別々の日程でそれぞれ行われていたので、今回ツアー中、都合3回豊年祭を見る機会に恵まれた。 西表島、祖納の豊年祭。  せまい交差点に藁を敷き詰め、村の人々や子供たちが車座になって座り、歌いながら藁を縒っている。 縒った藁紐は、それぞれ思いのままに、頭や腰に回している。 ちくちくする~、とむずがる子供。 でもこれは共同体の証。一緒に今年の福を授かる認証なのだから、どこかに付けておかなければならない。あやしな

沖縄〜宮古〜八重山ツアー2005演奏まとめ

いやーしかし、いろんなところに散々書き散らかしましたがほんま、今年の沖縄ツアー、昨年にもましての大充実ぶりでした。 いやいや、遊んでばかりじゃなくて、ちゃんと演奏もしましたですよ。ねー、wakaさん。以下、今回ツアーでの演奏記録。 <2005年沖縄ツアー演奏目録> ■7/15(金)那覇 WARA*BA お店のご主人はアフリカ人ミュージシャン。 一人娘はまんまホテル・ハイビスカスのみぃこ。 将来の夢はきじむなー。 1.Raga Puriya Danashr