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前回のテーパリングと利上げの時に何が起きたのか?【長期投資目線からみた戦略】

以前こちらの記事でテーパリングと利上げの時に何が起きたのか、チャートをざっとみてみました。

S&P500指数、ゴールド、為替がどのように動いたかをみておくことで、今回のテーパリングと利上げで全く同じことが起きるわけではないのですが、参考の心構えをしておくことは、これからの投資戦略を考える上で役立つと思います。

今回の記事では、もう少し細かく、当時何があったかを一つ一つ検討してみようと思います。

2005年と2015年の時の動き

下の図はJPモルガンの日本語ホームページから引用した、2005年と2015年の利上げの時、さらにテーパリング時に、米国株式S&P500指数がどう動いたかを示すチャートです。

2005年の利上げ局面①では、株価は横ばいで推移していたことがわかります。②では利上げの期間が長かった、一時利上げ停止していたことやトランプ減税の影響もあり株価は上昇し続けました。
JPモルガンの解説をみてみましょう。

過去の、テーパリングと利上げ局面を見てみると、米国株式の騰落率はプラスとなりました。これらの局面では、①景気が堅調であったこと、②FRBが景気を冷やさないような政策運営を行っていたこと、などから株式市場は堅調に推移しました。今回も、FRBがインフレや景気動向を見誤らなければ、株式市場も同様な動きをすると考えられます。
ただし、利上げの最終局面で見られることですが、景気を先取りする株式市場が景気の先行きに慎重になってくる局面が出てきます。そのような時には、株式が下落する傾向にあります。そのため、株式投資の割合が多い方は、利上げ局面のどこかで、株式と値動きの異なる傾向にある資産である債券などにも分散しておくということも1つの選択肢だと考えます。


今回の条件と異なること


・凄まじいインフレーション(物価高)
・テーパリングのペースが前回より早いかもしれない
の2点です。

ぼくはコ〇ナ禍から本格的に投資をスタートした新参者ですので、この二つがテーパリングと利上げにどう影響するかはわかりません。

トム・ソーヤーの冒険を書いた マーク・トウェインの言葉で
History doesn’t repeat itself, but it does rhyme.
『歴史は繰り返さないが、韻を踏む』
が有名です。経済のたとえ話でよく用いられる言葉です。
何を指標に考えたほうが良いか、分からないときに歴史にあたるということは大事だと思っています。

2015年前後の動き

もう一つ、テーパリングと利上げ時のわかりやすいチャートがありましたのでみてみましょう。
引用元はこちらです。

前回のテーパリングと利上げ時だけに絞ったチャートです。
グローバル製造業PMIが50以上なら景気好調、50未満なら減速と判断しています。
世界株価は、MSCIオールカントリーワールドの指数を引用しています。
米国10年債利回りは、米国10年国債とほぼ反対の動きをする値で、急激な上昇は株価へのマイナスの影響を与えることが知られています。

この時は景気減速もあり、一時利上げの停止をしたり、トランプ大統領が減税をしたこともあり大きな株価の低下は少なかったようです。
しかし、前回の記事でみたように、テーパリングと利上げ時期には10%級の暴落が起きやすくなります。そのタイミングを狙った短期トレードはありだと思います。

2021年12月の見込み

未来のことはわかりませんが、日本時間の今週木曜日に12月のFOMC会合が予定されています。
11月までの経緯を見ていると、ずっとテーパリングと利上げはしばらくしないという論調から、いつ開始してもおかしくない、しかも終了時期も早めるかもしれないという観測になってきています。
以下は参考記事。

この記事によると、テーパリング開始をもしかしたら今月12月か1月すぐから、終了が3月という異次元テーパリング終了期間ということになる可能性もあります。
テーパリング終了後すぐに利上げはしないとFEDは言ってはいるものの、コロコロいっていることが変わるのであてにはなりません。

話は変わりますが、ダンさん含む投資系Youtuberの話もコロコロ変わるのは仕方ないのかもしれません。大元の親分であるFEDがコロコロ意見変えるし、株価は毎日変わるので、すぐに意見を変えないと生きていけない世界なんでしょうね。

今後起きうることを予習しておく

今までみてきた話を総合すると
2021年12月か2022年1月にテーパリング開始
・テーパリングは3-6か月で終了
・利上げするかも?
の3点が重要です。

ここからは、主要投資対象がテーパリングと利上げ時にどう動いたかのチャートをみてみましょう。

S&P500指数

まずは米国を代表するS&P500指数の動きです。


テーパリング期間は暴落はないものの、10%級の下げが2回ほど起きています。
利上げ少し前と直後にさらに大きな下げが来ています。

ゴールド

金をみてみましょう。
有事の金と呼ばれ、地球上にプール3.8杯分しかないと言われる貴金属です。
ここでは先物価格をみています。

面白いことにテーパリング期間は下げ傾向が続き、利上げの時にガツン!と下がって、それ以後はじわっと上昇しています。

為替(ドル指数)

ドル指数はどうでしょうか。
ドル指数とは主要通貨に対する米ドルの強さを示した指数です。高ければドル高、低ければドル安になります。

テーパリング開始時からしばらくは変動がありませんでしたが、終り頃にものすごく急に挙げています。利上げ時は上がっていますが、その前後の動きと比べると大きくは変動していないように見えます。


エネルギーセクター(XLE)

原油・天然ガスの開発・生産会社、掘削および他のエネルギー関連サービスを提供する企業を集めたETFで、2021年後半は価格が上昇し話題になりました。
このセクターはどうでしょうか。

テーパリング時期は上昇、後半から下落、利上げ時は影響なかったものの少したってからガクッと下がっています。

新興国(VWO)

新興国ETFの動きはどうだったんでしょうか。

テーパリング期間は上昇、利上げ少し前から急激に下がっています。

農業商品ETF(DBA)

いったんこれで最後にしますが、農業商品の動きをみてみましょう。

テーパリング期間は急上昇、急降下、ずるずる下げて利上げ時にさがっています。全体に値動きが荒いです。


まとめ

くどいですが、今まで見てきたことは歴史であり繰り返すわけではありません。1-2年程度の投資戦略を見ていく上ではある程度参考になるかなという程度だと思っています。

ぼく個人としては、

2022年は急がず、焦らず投資を続けていって、徐々に投資していくスタイルです。
直近のぼくの投資割合です。

まだまだ現金比率が50%以上を占めています。

今回の記事が参考になればうれしいです。
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