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【人事労務の失敗学①】ハラスメントの事後対応

「素人判断は危険」

人事労務に係る問題について日ごろご相談を受けていると、どうしてもこのように言いたくなることがあります。

『海上自衛隊 セクハラ被害者の意向に反し同僚隊員と面会させる』https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231031/k10014242841000.html

最近、このような報道が各所で見られましたが、これも素人判断が招いてしまったことです。対処された上席の方は良かれと思い行動したようですが、「良かれ」は独善に陥る危険性をはらんでいます。

まず大切なことは、ハラスメント対策には2つの側面があり、分けて考えることです。1つは「予防」、もう1つは「事後対応」です。この報道の例では2つとも失敗しているわけですが、後者の対策が効果的であれば、少なくとも被害者の方の退職は回避できたかもしれません。

加えて大切なことは、ハラスメントを「当事者同士の問題」や「部署の問題」というふうに小さく捉えるのではなく、「全体の問題」と捉えることです。この報道の例での失敗の要因の一つは、この問題の捉え方にもあったと考えます。

現在では、社内外にハラスメント相談窓口をおくところも多いと思います。相談のなかには、法的な意味でのハラスメントとはいいがたいものも含まれているため判別に気を付けなければなりませんが、単に事例を重ねるだけでは判断基準を涵養することにはなりません。なお、この点については、今年7月に刊行された『月刊保険診療』に寄稿した記事でも取り上げておりますので、ご参照頂ければ幸いです。

https://www.igakutushin.co.jp/Products/magazine/1262

ハラスメントを含む人事労務の専門家である私どもは、文頭に述べたような着眼点をもって事例にあたり、事業主さまに的確な情報提供と助言ができます。

もちろん、事業主さまや担当部署の方々のお考えを「素人判断」と一刀両断することはありませんが、社外の目線で、実のある意思決定をしていただけるよう支援いたします。

社外資源として、ぜひご活用ください

#社労士
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