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Paris in Tokyo

上京してまるっと3年が経とうとしている。社会人になって倒れて病人になったり、ニートになってオーストラリアに行き不機嫌に過ごしたり。朝が怖くて仕方がない毎日が当たり前になり、散々だった。

一念発起して再就職を目指し、ことごとく英文事務の仕事に落ち続けた。何を仕事にしたいのか皆目見当がつかない中、好きだから書いて、好きだから撮ってと学生のころから続けていたことが、いつの間にか仕事になっていた。

一口に言って、運がよかった。「どうして動かないの?また言い訳してる」と、年収が1,000万になった後輩に怒られた。「無料で記事のお手伝いをさせてください!」SNSで叫んでみたら、その晩に仕事が舞い込んできた。

「ソラは自分の魅力に気がついてないんだね」。忘れられない言葉をくれた人たちに出会い、初めて書いた3,000文字のエッセイでたくさんのお金をもらった。

実績を作るために朝昼晩と働いた。ワーカホリックだった半年間のフリーライター生活を経て、私はライターとして再就職が決まった。きっちり8時間働けば生活ができる。やっとまた、自分の好きな文章と向き合う時間と余裕を手に入れた。

働いていないころは、休み方も分らなかった。医者は「外に出てください。人と関わってください」と言う。電車に乗るだけで涙がでる毎日は、スーパーに行くのさえ疲労困憊した。

私は完全に壊れていたと今なら断言できる。吐いて泣いた過去のフラッシュバックと、今でも毎日付き合っている。なにもかもが簡単に治るわけではないが、今日も休日が楽しかった。

海を渡り来日した絵画と話す土曜日の早朝。クロード・モネや、フィンセント・ファン・ゴッホに思いを馳せる。ゴッホの人生をご存じだろうか。私に負けず劣らず彼も散々で、美術館の帰り道はスキップした。

動物たちをモチーフにした奇抜な服を造るファッションデザイナーの展示会。アールデコ調のデミタスカップを眺め、私の感性にかわいいを響かせるデザインはどれもチェコのカップだったことに驚く。

徳川家が残した大きなお庭で、抹茶と季節の生菓子をいただく。北条家のお墓をまつったお寺で御朱印を書いてもらい、抹茶と季節の生菓子をいただく。桜も紫陽花も金木犀も眺めては撮って眺めてと。カラフルな落ち葉も踏んで歩いた。

朝帰りはハンバーガーを片手に高円寺から歩いて帰る。未成年かそこらのヤンキーに絡まれて気分が下がるが、口を付けていなかったハッシュドポテトが揚げたてだったため帳消しにした。

映画を1日で4本観てみる。一緒に鑑賞していた隣人は2本目でギブアップしたが、永遠に観ていられる気がした。映画と夜を明かす休日が習慣になった。

10/10(日)は満点を取ったような日付の休日だった。昨夜に決めた「1日にnoteを1回更新するルール」は執筆に2時間ほど時間がかかるため、なかなかにハードルが高いと気が付いた。

フランス語と英語の勉強もあるし、明日は映画宣伝の会議があるため資料に目を通さないといけない。コンテストに応募したい記事もある。やりたいことはたくさんあるが、昨日の自分との約束を守ってnoteを書いている。

「Paris in Tokyo」と浮かれ降り立った街でクロワッサンを食べ続けていたら、体重が大台に乗った。ダンスダイエットも予定に入っている。

休日が後2時間で終わる。今日も楽しかったなぁ。


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