コロナ禍の病院はまるで面会謝絶~辛い入院生活

 私が、入院したのは6月18日。新型コロナ感染症の第1波がおさまりかけた頃でしたが、まだまだ新型コロナへの恐怖感が残っていました。病院も外来入り口に非接触の体温計測機が設置されひとりひとり検温チェック。現在も続いています。

 しかし、何といっても辛かったのは、家族とも面会ができないこと。職場の仲間のお見舞いはさることながら、家族の面談もできない状況のなか、がん治療に向かい合わなければなりませんでした。やっぱり、治療の初期は、精神的にも肉体的にも辛さがあり、自分の置かれた境遇が受け入れられず、涙することもありました。私の場合、かなり前から徐々に血液検査の値が変化していて、幾ばくかの覚悟はしていたつもりですが、それでも、なぜこのような病気にかかってしまったのか、考えても答えの出ない疑問に答えを出そうともがいていました。

 そんなときに、少し救いになったのが、血液内科の若い女医さんが検査結果を持ってきて話をうかがったときでした。幸い、検査結果が良くなっていて、クレアチニンの値が低下し、基準値内に入ったとの報告でした。先生も嬉しそうに「良かったですね」と言ってくださり、ホッとしました。でも、実際はその後リバウンドして再び異常値になってしましますが・・・。

 そのとき、先生に「なぜ、血液内科の先生になったのですか?」と尋ねたところ、「白血病やリンパ腫、多発性骨髄腫などの血液のがんは生活習慣が悪いから発病するものではない。そんな病気の方を何とか助けたいと思って血液内科を選びました」とのことでした。

 「生活習慣の悪化が原因でなったのではない」というお話に、なんだか自分を責めなくてもいいのだという気持ちになれました。そして、そんな血液のがんから救いたいという若い女医さんの気持ちが嬉しくて、ありがたくて、感謝の気持ちが生まれていました。家族にも自由に会うことができず、点滴につながれてメールでのやりとりに終始していたので、暗い気持ちになることが多かった入院初期に、少し委縮した気持ちを和らげてもらえた気がします。それから、彼女とはお会いできていませんが、今でもありがたく思っています。

 今後の診療方針の説明を主治医から妻と一緒に聞きたいなどなどと、きっかけをつくり2か月半の間の2度にわたる入院期間中4回ほど病室まで入れることができました。しかし、新型コロナの影響は大きく、入院中に病院の医師が新型コロナの陽性が判明し、一時、一部の外来診療がストップしてしまいました。その余波で、継続していたリハビリテーションも退院前1週間はストップしてしまい、8月末の退院時には体力が本当に落ちてしまっていました。退院後になかなか職場に復帰できなかった要因のひとつです。

貴重なあなたの時間を、私のつたない記事を読んでいただく時間に費やしていただきありがとうございます。これからも、地道に書き込んでいこうと思いますので、よろしくお願いします。