織田無道氏の死に思う、民間療法。

 織田無道氏が「がん」で亡くなった。何のがんが原因だったのかと報道をみてみると、全身20か所以上にがんが転移していたそうだ。全身がんというのだろうか。冥福を祈りたい。

 織田無道氏といえば、1990年代にオカルトブームで引っ張りだこだった。私はあまりオカルトには興味がなく、精神世界の本を読んでいたので、氏のことを知っているわけではないが、その後の事件等で当時のテレビ番組がかなりの程度、いわゆる「やらせ」だったことを知った。

 心霊療法が真実であれば、それにみんな傾倒して、しかも治っていくはずである。でも、「がん」になれば、死に近づくし、一定の割合の人は早期に亡くなっている。「がん」を防御し、生命を長らえることに期待するが、コントロールが難しいのが「がん」であろう。我が身が「がん」になり、実体験をしている。自分の体調を自分でコントロールできると思ったら、大間違いなんだと思った。

 織田氏は、民間療法などに1000万円もつぎ込んだという。お金があるからできたことだろうし、賛否両論あろう。気持ちはわからいでもない。医学的、科学的効果が確認されていなくても、治る可能性にかけたいという気持ちは誰にもある。少しでも体調がよくなれば前向きに物事を考えることができる。体調が下降すると気持ちも落ちてくる。「病は気から」というけれど、「気は病から」でもある。昨日まで、走り回っていたときは、次の目標を言えたのに、走れなくなると、もう二度と走れないのではと考えてしまう。

 私も、「フコイダン」が多発性骨髄腫に効くとのネット情報で、サプリメントとして飲用していた。サプリメントは、ビタミンや亜鉛、鉄などなど、一時期かなりの量を飲んでいたこともある。占いや神頼みもする。見えない世界や輪廻転生も信ずるもののひとりである。

 しかし、結果的に多発性骨髄腫を発症し、治療に入ってから全てのサプリメントをやめている。抗がん剤等の効果を確認するためもあるが、結果的に発症予防に役立たなかったと感じたからだ。かといって、規則正しい生活ができているわけでもない。現在の生き方を受け入れながら、何が今の自分にとって無理なく生きていける方法かを考えていくしかないと思っている。

 焦る気持ちもあるが、心を落ち着け、楽しいことを楽しいといえる生活を一日でも続けていきたい。本当に効果があるのか不明な高価な民間療法を追い求めるエネルギーは、自分の知識や技能を高めること、美しいことや楽しいことを感じることに使いたいと思うようになった。でも死を間際にすると大慌てするのかもしれないが・・・。

貴重なあなたの時間を、私のつたない記事を読んでいただく時間に費やしていただきありがとうございます。これからも、地道に書き込んでいこうと思いますので、よろしくお願いします。