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暗唱と読書の効果を考える


こんばんは。

突然ですが、私は小さい頃から本が好きでした。

小学5年生のときに、
誕生日プレゼントにお願いしたのは、
『はてしない物語/ミヒャエル・エンデ』です。

分厚いハードカバーの本ですが、嬉しくて習い事へ向かう電車の中でいつも読んでいました。

今回は、暗唱と読書の効果についてのお話です。


暗唱の力


3歳の頃、人見知りがあるという理由でなぜか子役を養成するための劇団に入らされます。

別に子役を目指していたというわけでもなく、単なる習い事のうちの1つという感覚で小学6年生まで通いました。

発声練習、演劇、日本舞踊、ダンス、アフレコ...

各レッスンが学校の時間割のようになっており、毎週末に数コマまとめて行われます。

発声練習のレッスンでは、
アメンボ赤いなアイウエオから始まり、
古典落語でおなじみの寿限無を暗唱します。
人生ではじめての暗唱です。

そして小学生になると、外郎売の暗唱に挑戦します。

⬛︎外郎売とは?

外郎売(ういろううり)は、享保3年1月2日(1718年2月1日)、江戸森田座(守田座)において『若緑勢曾我』(わかみどりいきおいそが)の中で二代目市川團十郎によって初演された、「ういろう」の由来、薬効を早口言葉で演じるせりふ芸である。(中略)
また俳優やアナウンサーや声優の練習材料として優れたものであると評価されており、練習教材として広く用いられている。

外郎売ーWikipediaより引用

数ページに渡る長さで、
スラスラ読めても7〜8分ほどはかかり、しかも早口言葉が随所にあるため見ながら読むだけでも難しいです。

拙者(せっしゃ)親方と申すは、お立合いの中(うち)にご存知のお方もござりましょうが、お江戸を発(た)ってニ十里上方(にじゅうりかみがた)、相州小田原一色町(そうしゅうおだわらいっしきまち)をお過ぎなされて青物町(あおものちょう)を登りへおいでなさるれば,欄干橋虎屋藤右衛門(らんかんばし とらや とうえもん)、只今は剃髪(ていはつ)致して円斎(えんさい)と名乗りまする。

発声練習!外郎売り本文!【ふりがな付き】より引用

ぜひリンクから全文読んでみてください。
難しいですが、かなり滑舌が鍛えられます。

低学年のうちは、
まずは稽古本をみて音読し、噛まずにスラスラと正しく言えるように。
3年生くらいになると、さらにイントネーションや感情も意識しながら暗唱を目指す。

このおかげで、滑舌はかなりいい方だと思います。
ある程度ブロックに分けて挑戦し、
毎日毎日何度も繰り返して、最終的には全文を暗唱できるようになりました。

5年生になると、誰に言われたわけでもないのに円周率の暗唱にも挑戦します。
学年に1人くらいそういう人いませんでしたか?

3.14 15 92 65 35 89 79 32 38 46 26 43 38 32 79 50 28 84 19 71...

このように2桁ずつに区切り、
最初は20桁ごとにブロックを分けて覚え、
一定のリズムで毎日繰り返しただ数字を唱え続けることで200桁の暗唱に成功しました。

語呂合わせなどは一切使わず、正面突破です。
200桁と聞くと多く感じますが、20桁を10個覚えれば200桁になるので意外といけます。

なぜそんなことをやろうと思ったのかは謎ですが、おそらく外郎売を暗唱できた自信があったからだと思います。

ちなみに今でも外郎売は全文暗唱できますし、円周率も100桁くらいなら言えます。
勝手に口が言葉のリズムを覚えています。
目・耳・口と五感を使って覚える暗唱の力はすごいのです。

この経験から、社労士試験の目的条文も暗唱しようと考えることになります。

幼い頃からたくさん暗唱を経験することで、
記憶力・集中力を身につけることができたと考えています。
覚えようと意識しながら読むことは、ただ音読するより何倍も頭を使います。

また、できるまで諦めないという心も育むことができた気がします。

これらを暗唱できることで人生で役立つことはほとんどないと思いますが、
暗唱を通じて得た力は私の大きな財産となりました。


常に考えながら読む癖


演劇のレッスンは、厳しい先生でした。

普段から挨拶や返事などの礼儀にもとても厳しく、決して子供扱いせずに大人と同様に扱われます。

どうしてその台詞があるのか、文脈から考えなさい。
全てが書いてあるわけではないので、行間を読みなさい。
どんな気持ちになり、どういう感情でその台詞を言えばいいのか、自分の頭で考えなさい。

こんなことを、常に言われます。(怖い顔で)

答えは教えてくれませんし、人によって解釈も違うので自分なりの考えを発表します。
まだ幼い子供には結構難しいことです。

しかし、このおかげで普段から本を読む時もそんなことを考える癖がつくようになりました。

分厚い稽古本には当然文字しか書いていないので、
必然的にたくさんの文字を読む事になります。
子供が喜ぶような挿絵も一切ありません。
それどころか漢字にふりがなもありませんので、最初に先生が読んだものを自分で書き込んで覚えていきます。

この経験もあり、
活字の本を読む事に全く抵抗がなくなります。
本だけでなく、新聞も毎朝読むようになりました。
そして読むスピードも、とても早くなったのです。


国語(現代文)が得意科目になる


読書によるいちばんの効果といえば、やはりこれ。
勉強したことなくても国語の成績はずっといい。
読書好きな方ならこの経験は多いと思います。

勉強してもなかなか伸びないのが国語だと言われたりします。

読解力、要約力、速読力。
これらの力は一朝一夕には身につかないようです。

本が好きだから国語が得意なのか。
国語が得意だから本が好きなのか。

にわとりたまご問題のような因果関係ですが、
いずれにしてもこの力は、文系の資格試験においても非常に有利だと感じました。


子ども達も本好きに


夫も読書が好きなので、
普段から両親が本を読んでいるせいか子供達も自然と本が大好きになり、空いた時間があればすぐに本を手に取ります。

高学年向けの小説から歴史本まで幅広く読んでいます。
歴史に関しては私よりも詳しいので、やはり子供の記憶力には驚かされます。
知識がある上で旅行にいくと、楽しみ方も増えますよね。

昔と違って今は娯楽も多いですが、本を読むことの楽しさを大人になっても忘れずにいてほしいです。

そのうち、同じ本が読めるようになったら嬉しいなと思っています。


文字で広がる世界


例えば小説を読んでいるときに、
いつも黒い服を着ている太った男という登場人物がいたとして。

これを文字だけで説明しようとすると、いろんな比喩表現があることに気付きます。

どんな黒い服?
どれくらい太ってるの?
髪型は?雰囲気は?
どんな顔でどんな声をしているの?

表現もあえて含みをもたせたりしますから、
こんな感じ?あんな感じ?と人物像や情景などを想像しながら読みます。

何かを伝えるとき、当然絵や映像で伝えた方が早いわけですが、そこを自分の頭の中で想像して考えることの楽しさが読書にはあると思います。

本で読んだことのある話が映像化されたときに、
自分のイメージとは異なる場合だったとしても、
あぁ、こういう解釈もあるのね!と二重に楽しめたりします。

読書は語彙力と想像力も広げてくれますね。


読むことと書くことは別


いいことだらけの読書ですが、
文章を読む力と、文章を書く力はまた別のような気がしています。

私は文章を読み解くことは得意な方ですが、書くことはあまり得意ではありません。
読んでいるだけでは、書く力は育ちませんね。

ビジネス文書や要約文ならともかく、
何か面白い小説を書けと言われても書ける気がしません。
ゼロから作品を生み出す方は本当にすごいなと思っています。

このnoteも、文章を書く練習だと思って頑張ります。


今回は暗唱と読書について書いてみました。

それぞれから得た効果は、とても大きなものだったと感じています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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