見出し画像

わたしと社労士試験③


前回の続きです。(これで最後です)



直前期に向けて



長いようであっという間の1年。

講座は基本的にスケジュールに沿って進んでいきますので、適切なタイミングにテキスト等も届くため、先取り学習などはできませんでした。


だからこそ直前期になって慌てないように、早めの対策を考え始めました。

まず私が少し早めに着手したのは、

目的条文
選択対策

この2つです。


2月から目的条文の暗唱を開始


その法律は何のためにあるのか。
法律の原理原則を考える上でも目的条文は大切なので、完全暗唱すると決めて2月頃から取り組み始めました。

正直試験に合格するためだけなら、暗唱までできる必要はありません。

試験官の前で暗唱しなければいけないわけでもなく、
一言一句間違えずに記述しなければいけないわけでもない。
そもそも目的条文が出題されるかすらも分からない。

私は元々暗唱が得意という自覚があったことと、
どうせ覚えるならもう全部覚えた方が早いなと思い暗唱することにしました。

まずは音読。

キーワードを意識しつつ音読。

徐々にテキストから目を離す時間を増やす。

35個の法律一覧


4月の終わりには上記の35個の法律の目的条文は何も見ずに一言一句完璧に全て言えるようになりました。

ここで前の記事にもあるように、やっと譜面通りに弾けるようになった状態です。

次は無意識レベルで言えるように繰り返していき、口では目的条文を暗唱しているけれども、頭の中ではその法律の様々な制度であったり、論点等を思い出しながら暗唱していく。

これを試験日まで毎朝欠かさずに続けました。

トレ問や秒トレと同じ位置付けで、
毎日目的条文を唱えることで全科目に触れる。
そしてテキスト内容を想起するためのツールとして暗唱していました。


もし選択式で出題されたら、どこが空欄でも確実に点数がとれるぞ!という自信にも繋がるので、直前期に焦らず過ごせたのも大きかったです。

選択対策も早めに同時進行


一般的に選択対策は択一である程度点数取れるようになってから...がセオリーのようですが、

私は早い段階から選択の意識はしていました。
そもそも普段からテキストを中心とした勉強法なので、必然的に全てが選択対策に繋がっていました。

トレ問(選択式)も、安定して正答率100%になるまで何周もしています。

全ての空欄を語群は全く見ないで、空欄に当てはまる正解の語句を頭に思い浮かべて解答しています。
最終的にはもはや語句だけでなく、出題条文そのものが全て頭に入っている状態に仕上げていました。

語群はヒントにもなるのでありがたいですが、
逆に言えば語群にある巧妙なダミーに惑わされるという側面もあります。


1点が合否を分ける選択式は、とにかくミスが許されない。
選択式でも応用を問われる事例問題が増えつつあるとはいえ、やはり基本の条文ベース問題は絶対に落とせません。
だから自分の中の知識と条文表現とを必ずリンクさせました。

条文表現を確実に押さえることで、知らない条文番号などを含んだ状態で空欄を問われたときにも対応が可能になります。


例えばR5選択式の厚年①②は、まさにその典型例で、
条文表現を押さえていれば、同じ100条からですが「効果的な徴収」「財産について隠ぺいしているおそれ」等の特徴的で覚えやすいワードが条文上にないことから、財務大臣ルートはまず無しだと判断できます。


権限の委任についてを、

厚労大臣→財務大臣→国税庁長官

厚労大臣→地方厚生局長→地方厚生支局長

という形だけの押さえ方だと、条文番号の情報だけでは、知識があるが故に逆に解答に悩んだ方が多かったのだと思います。

年金事務所長なんてのは出てこないし、
そもそも機構へは権限に係る事務の委任。
知事や市町村長には厚年では委任していないから論外。
よって正解は地方厚生局長ルートしかない。

括弧の中に括弧があったり、例外の例外、謎の条文番号連発など、条文はとても読みにくいので、
分かりやすくまとめた表などは知識が定着してない時期、また直前期にササっと横断的に見返す時期にはありがたいけれど、

試験にまとめ表では出ないし問題は条文ベースの言葉で問われるので、
それは結局条文ではどう表現されているのか?までをセットで押さえておくこと、
言葉の定義を正しく覚えることが、選択対策上は大切だなと思いました。


直前期にプラスした教材


普段の教材や、講座に含まれる教材や演習を除いて私が追加したのは2つです。

①社労士V  イラストでわかる労働判例100

②TACみんなが欲しかった社労士 全科目横断総まとめ

直前対策でも判例には触れるのですが、
判旨が省略されていて論点が掴みづらかったため①を追加しました。

100個の判例が載っていますが、毎日15個ずつ読んで試験までに何周もしました。
判例に対して苦手意識がなくなったので、とても重宝しました。

判例は国語力で解ける場合もありますが、色々な判旨を読み定番の言い回しは必ず押さえていました。
あとは法律の原理原則とは何かをしっかりと考えながら読んでいました。


②は1冊でコンパクトに重要事項がまとまっているので、頭がごちゃついてきた時の横断整理に助かりました。
試験にもこの1冊だけを持っていきました。
必須の教材ではありませんでしたが、要所要所で活躍はしてくれました。

あとは大原の講座に含まれる演習や、
統計白書のテキストも、数値や語句なども完璧に押さえました。


一般常識の怖さ


結局怖いといえばコレでしょうね。
もう何が出るか分かりません。

法令系に関しては完璧に仕上げました。

ただそれ以外については奇問・難問の運要素もあるので、とにかく浅く広くを心掛けました。

勉強の息抜きには、普段から厚生労働省のYouTubeやHPやリーフレット、事務所に届く労働新聞を読み常にアンテナを張りました。

私なりに出来うる限りのことは全てやり尽くしたつもりでしたが、
本試験ではほぼ基本的なことしか出題されず正直少し拍子抜けしました。

実は選択式の試験開始後、まずは労一・社一の問題を真っ先に確認しました。
次に労基安衛を。

択一式はずっと60点以上で安定していたので、本番でどんなにミスをしても50点を下回ることはないだろうから、
もしも不合格になるとしたら、選択式なんだろうなとは思っていたので。

どれも問題見た瞬間に3点以上確保可能だと分かったので、開始5分以内には心の中でガッツポーズしました。
(そこで油断してはダメなのですが。)

実力はあっても1点に泣くことがある社労士試験。
もう対策したらキリがないのが選択式。

この恐怖は、どれだけやっても拭えることはないだろうなと思います。


最後の1ヶ月でやったこと


試験前1ヶ月間(7/26〜8/26)の勉強内容の記録です。


⬛︎毎日やったこと8つ

①テキスト精読1科目全ページ
②選択トレ問1科目全問
③択一トレ問1科目全問
④直対択一・選択演習1科目全問
⑤大原模試①②選択のみ1科目全問
⑥目的条文暗唱(35個全て)
⑦労働判例100を15個ずつ
⑧統計白書テキスト読み・問題演習を毎日交互に

①〜⑤は1日で1科目を全て終わらせ、1週間で全科目全てを1回転できるように進めて、試験までには3回転しました。
それぞれ取り組む科目をずらし、なるべく毎日全科目に触れるようにしました。

⬛︎その他休憩中に

①秒トレ全科目(970問)
②大原模試①②択一
③直前総合演習①②
④その他模試(みんほし・ヤマ当て)
⑤リーフレット・労働新聞
⑥厚生労働省のYouTubeとHP

毎日シリーズに疲れたら、休憩中にこの中のどれかを息抜きにやっていました。


ラスト1ヶ月の勉強時間は1日平均8〜9時間、週平均は53時間。
夏休み中の小1と小3男子2名がいる中、夫の協力も借りながら、在宅で仕事・家事育児もしつつ死ぬ気で頑張りました。

この1年間基本的にずっとフルで頑張ってきましたが、特に最後の1ヶ月はもう限界突破の覚悟でやる!と決めていました。

家族の協力なくして、この挑戦はできなかったと思います。
特に子供達には、この1年寂しい思いをさせてしまいました。

それでも健気に応援してくれて、
「僕も大人になったら社労士を受けるからね」と言ってくれたこと、とても嬉しかったです。

いつか子供達も何かを頑張るタイミングが来た時に、
「そういえばあの時お母さんも勉強すごく頑張ってたよねー」って、少し思い出してくれたら嬉しいなぁと思ったりします。



さいごに


3回にわたり長々となりましたが、最後までお読みいただき本当にありがとうございました。

あくまで私の自己満足な体験談ですので、参考にはならないことばかりだと思います。

そもそもが試験合格だけを目標にしていないので、必要最低限覚えてれば良いというスタンスではないので非効率な部分がたくさんあります。

そして元々社労士事務所勤務ですから、特定の分野についてはある程度知識がすでに点で散らばっている状態ですので、
法律として体系的に学ぶことで点が線になるタイミングは早い方だったと思います。

全くの未経験の方など、みんな背景は人それぞれですのでその方なりの正解があると思います。


私自身は誰かと比べたりなどは一切せず、ただただ過去の自分とのみ比べて毎日取り組んでいました。

点と点がつながったとき、とても楽しくなります。
それまでは大変ですが、そこからは楽しいです。

ご自身の置かれた環境で、どうかベストを尽くせますように。

士業は一生勉強。

夫がよく言う口癖です。
士業に限った話ではありませんが、専門家を名乗る以上は常に知識の向上が必要ですから、試験に合格して登録したらハイ終わりではありません。

勉強すること、全力で努力することの楽しさを教えてくれた社労士試験に、心から感謝しています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?