見出し画像

ライターの原稿料をコストにしないためには?

先日、先輩ライターと話をしました。その人いわく「20年以上原稿料が上がっていない」と。仮に20年前と同じなら物価が上がっているので実質的な値下がりです。会社員やアルバイトの基本賃金は上がっているのに、なぜライターの原稿料は上がらないのでしょうか。

理由の一つに、それが「コスト」とみなされているからではないでしょうか。何かコンテンツを作りたい。でもタダではできない。この仕方なく払うという感覚が大体におけるライターの原稿料だと思うのです。つまり原稿料ではなく人件費というコストです。しかもライターには組合もありません。被雇用者でもありません。制作コストの一部です。

コストである以上、業界に限らずなるべく削減したいという方向に力学が働くのは当然です。私も同じ原稿を書くならなるべく時間も経費も抑えたいと思います。その分利益が増えるからです。

問題は、ライターの原稿料がコストだとみなされていることです。本来は技術や能力に対する報酬であるはずなのに、頭数で数えられる人件費とみなされている。つまり仕方なく払うものである以上、絶対に上がりません。それどころか、AIにとって替わられることは時間の喪問題です。

ではどうすればコストでなくなるのか。それは、付加価値をつけることです。仕方なく払うのではなく、「ぜひお願いしたい」と思わせるライターになることです。

それはどんなライターかというと、依頼することによってお金を出す側に何らかのメリットをもたらすライターです。

例えば、そのライターが書いた原稿によって読者が増える、売り上げが上がる、ブランド価値が高まるといった具合です。そこまでプラスのメリットをもたらすのは簡単なことではありませんが、例えば原稿チェックをする時間が減る、制作時間が短縮されるというだけでもクライアントにとってはメリットだと思います。これなら完璧な原稿を短時間で書くよう努力すれば実現可能です。まずは品質管理をしっかりして、信頼を得られたら、自分の名前で連載を持てるように売り込む、専門領域を作るなど、さらに付加価値を高める努力をしていくのです。

どうすればコストではないライターになれるか。それを考え続ける努力が「ぜひお願いしたい」といわれるライター、仕事が途絶えないライターへとつながるのではないかと思い、私も日々考え続けています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?