私は見栄を張るのをやめた。
私は見栄を張るのをやめた。
できないことはできないといい、やってないことはやっていないといい、知らないことは知らない、ということにした。
それまでの私は、周囲の目を気にして少しばかりの背伸びのために、いわゆる知ったかぶりをしてきた。
そこで得られたことは何もない。
言ってしまったあとで、言ってしまった手前なんとかしなくては、というストレスに見舞われてしまっただけである。
後悔しかない。
たまに、社会人の先輩で、知らないこと、出来ないことも出来ると言ってしまえ、後でどうにかすれば良い。という輩がいる。
入社間もないピュアな私はこれを真に受けてしまい、即席の口ばかり無能機械と化してしまったのである。
こうなると、始末が悪い。
人は、一度落とした信頼はなかなか取り戻せないというが、私の場合、ゼロの時点から信頼をどんどん落としていったのである。
対峙している人間からするととてつもなく奇妙な人間に映ったであろう。
しかし、こうでもしないと、当時の私はどうしようもないと思ったのである。
周りは仕事のできない人の文句を言いまくっている職場である。
それを見て、「こうはなりたくない」、「こう言われないためには少しばかりの嘘をつくしかない」と思ってしまったのである。
笑ける。
こうして私は信頼と実績を一気に失い、異動を命ぜられるのである。
笑ける。
今となっては異動についてはどうでもいいことで、一切気にしていないが、当時の私はすごく傷ついたものである。
当時の私はすごく可哀想だと思う。
まぁ、人のせいにするなよ、と思われるかもしれないが、馬鹿でグズな私は、間違った方向に行ってしまったのである。
しかし、次の異動先で私はとてつもなく良い上司と出会い、異動してよかったと思うのである。
そして栄転をする。
そこで学んだことは当時の私を大きく変えるのであるが、詳しくは後々書こうと思う。
いま、新入社員でこれから頑張っていこうという人にアドバイスであるが、意識高い系と言われるお若い方々、無理に背伸びをしない方がいい。
望まれるところからは自然と望まれる。
逆に不要と思われるところからは何をしても不要と思われるのである。
見栄なぞはらず、等身大の自分で勝負できる地で頑張ることが、一番良いと私は思う。
無理している時点で、あなたはその場で求められたスキルを持っていないのである。
想いと仕事は往々にして合致しないものである。
無理せず、慌てない、慌てない。一休み、一休み。
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