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MELL-Being―音楽とケアを繋ぐ

MELL-Being(メルビーイング)
Music Empowerment and Liberal Live Being
音楽エンパワメントと自由でライブリーな在り方

※ MELL-BeingはWELL-Being(持続する幸福・よき生)に掛けています


1. Concept

▼コンセプト
1. 兼業アーティストと若い医療福祉関係者・地域アクターの交流
2. 音楽はコミュニケーション形態の1つ、他者を知り理解するきっかけの1つ
3. 音楽が演者と聴き手をともに力づけ、勇気づけ、自由で生き生きとしたライフを演出

1. 兼業アーティストと若い医療福祉関係者の交流

・そのため演者には自己紹介的なお話もしてもらう

・つまり音楽以外の人間性・専門・趣味も知ってもらう

・これはアーティストの全体性を知ってもらうことが互いのエンパワメント(Empowerment)になるため

2. 音楽はコミュニケーション形態の1つ、他者を知り理解するきっかけの1つにすぎない

・重要なのは重層的な人間の全体性・固有性を反映したコミュニケーションの総体

・人間の生演奏はCDやレコードのような音楽を聴くための単なる手段ではなく、人と人のコミュニケーションにおける一形式

・このことを忘れると、もっと演奏の上手い人に置き換えればいいという機能的代替性が前面に出てディスパワメントな場に

・生演奏は奏者の人格に触れ、精神と肉体が反映する表現であり、一回切りのアウラ、固有性そのものであり、代替できない

・つまり生演奏は、打ち込みやレコードも含めた音楽のなかにあって、特別に身体的な固有性、かけがえのなさをもつ

3. 音楽が演者と聴き手をともに力づけ、勇気づけ、自由で生き生きとしたライフを演出する

・通常の癒しの音楽ではなく、力づけ、勇気づけるエンパワメントがコンセプト

・Liberal LifeないしLiberal Liveは、自由で自律的(自己決定的)な人生、生き生きとした人生という理想

・自由な演奏は、ストリートピアノの理念とも通底する

※ 演者には自己紹介的なお話もしてもらい、音楽以外の人間性・専門・趣味にもスポットをあてます

2. Preface

1. 交流と全体性 この企画は、基本的に若い兼業アーティストと若い医療福祉関係者の交流を狙いとしています。兼業アーティストは、音大生やプロ・ミュージシャンなど音楽のみを専門とするアーティストではなく、他に仕事や学業がありつつ、音楽活動をする人のことを指します。兼業アーティストであるからこそ、音楽以外の《関わりしろ》があるので、医療福祉関係者にとっても、交流しやすくなると思います。兼業アーティストの全体性を知ることは、《多様性》や《人間の全体性》への理解を促進するものです。ともすれば抽象性の高い音楽、特にインスト音楽は(数学などと同様に)他の分野と関係なく独立に存在できてしまい、社会や世界との関係性が不明なものになりがちです。それを回避するためには、言葉が、つまり会話や対話が必要になると私自身は思っています。それはアーティストが自身の感覚や構えから《世界を語る》ことであり、音楽だけでなく他の分野についても語ることを含みます。そしてそれだけでなく、問いかけに応答するという《双方向》のやり取りが必要ということです。

2. 理解と意味生成 上記の「《多様性》や《人間の全体性》への理解」というのは、精神におけるポジティブで不可逆的な変容であり、簡単にいえば成長ということです。《理解》は、より人間や社会的世界が分かるようになるということで、一過的な楽しみを超えていく重要な概念であり、その人やコミュニティにとっての《新しい意味》の獲得を指すと考えられます。簡単にいえば、《学び》ということですが、この《意味生成》は、以下にみる、癒し、エンパワメント、自由、ライブ(生き生きとすること、生命的であること)のすべてに関わります。

3. 高度な感情の共通体験としての癒し 基本的に、音楽は趣味、医療福祉は切実、というように異なる分野ですが、音楽そのものが医療福祉と共通する点もあります。それは人びとを癒すということです。これは現代アート(現代美術)が人びとにインパクトを与え、考えさせることを主眼とするのとは対照的です。つまり、音楽は、認知的というよりは情操的であり、共に場をつくり、高度な感情を共通体験することに主眼があります。この高度な感情の共通体験こそが《癒し》です。音楽は抽象的ゆえに、その奏者の目に見えない精神そのものの表現でもあると思います。オーディエンスは、奏者が表現する精神そのものに触れることで、いわば世俗的な世界から精神的な世界に回帰することができ、癒しを得ます。それと同時に、奏者自身も演奏を通して、自らの精神を表現することによって自分自身の精神に触れることができ、それが自己確認すなわちアイデンティティの再確認・再発見にもなり、癒しを得ます。

4. エンパワメントとレジリエンス ただ、私が考えている癒しは傷を治癒するというマイナスをゼロにするものではなく、マイナスをプラスにするものです。もっとポジティブな、《レジリエント》(超回復的)なものです。何か行動したり、困難や障害を超えていこうとすることを《勇気づける》ものといってもいいでしょう。そこで癒しというよりは、《エンパワメント》という言葉をイベント・タイトルに使いました。エンパワメントはポジティブで《不可逆な相互変容》を意味するものです(不可逆性は上記の《理解》と同根)。ミュージック・エンパワメント(Music Empowerment )にはこのコンセプトが込められています。なお、エンパワメントとレジリエンスは、社会面を含めた広義の健康概念である、ウェルビーイングWell- Being)やウェルネスWellness)の基本的な方向性といえます*。

*ウェルビーイングとウェルネスの違いは何か
心身ともに健康で幸せな「ウェルビーイング」を前向きに目指して、キラキラ輝いている状態を「ウェルネス」といいます。
「ウェルビーイング」というゴールを目指すプロセスを「ウェルネス」と呼ぶのですね。

5. より自由で生き生きとした共存在をめざして さらにポジティブな概念として、リベラル・ライブ・ビーイング(Liberal Live Being)は、自由なライブ的存在という難解な言葉になっていますが、要するに、上記のポジティブの具体的な方向性として、より自由で生き生きとした共存在をめざすということです*。人が《元気》になり、生き生きとするのは、依存的でなく自律的な人びとがコミュニケーションをする場、新しい意味が生まれ、意味充実する場においてだと思います。人間の持続的な幸福であるWell-Beingの内実は、このような生き生きとしたコミュニケーションが継続され、《発展》していくことに思います。もちろんライブは、音楽ライブであり、また、医療福祉的なライフ(生命・人生)を連想させるものであり、ライブリー(生き生きとした生命的なもの)という意味を掛け合わせてもいます。

*Liberal Live Beingは、イヴァン・イリイチの《自律共生》を意味する、
コンヴィヴィアリティ(conviviality)を意識しています。

規格化された社会から自律する個人へ
コンヴィヴィアリティ(conviviality):
<辞書的意味>宴会、陽気さ、上機嫌、共生
<学術的意味>自発的な個人が、人間的な創造性により、相互依存の中で構築される個的な自由。「自立共生」、「自律共働」。

6. 様々な音楽と人間性への接触からの意味獲得 このようなコミュニケーションの一形態として、音楽、会話、そして食事は、《五感》と《頭脳》をフルに用いるものであり、癒しであり不可逆的なエンパワメントなのだと思います。音楽・会話・食事がもたらす饗宴が、一過的な楽しみを超えて、互いの存在を発展させる契機になることを企図します。簡単にいえば、楽しみの場であるとともに成長の場であるということです。単なる楽しみだけでは続ける意味を欠きます。継続的にやるからこそ、積みあがるものがあり、めざすべき方向性があります。互いに多くの音楽を知り、それを奏でる者の人間的な全体性を知り理解していくことが、豊かな人間性やWell-Beingを育むことは論を待たないでしょう。私たちがより自由で自律的な存在であるためには、多様な人びとと音楽や芸術に触れ、理解していくこと、意味を獲得していくことが何よりのことなのです。そしてもちろんこの活動は、コミュニティの活性化を通じて人びとの孤独・孤立・病苦を回避する《予防医療》の側面があることを付け加えておきます。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
私の最近の活動全体や考えについては、こちらをご参照ください。

               スクエアゼットNTM主宰)

MELL-Being イベントタイトル一覧

  1. Piano Instrumental LIVE(2021.8.19)出演:さとゆぅ・高梨大

  2. 箏 LIVE(2021.9.29)出演:流音

  3. まちづくりアクター Talk LIVE(2021.10.6)出演:田中類

  4. まちづくりアクター Talk & Music LIVE(2021.11.24)出演:織戸龍也・WelCaMe・Daichi

  5. マルチタレント Talk & Music LIVE(2021.12.9)出演:Ebosi

  6. アドラー心理学 & Piano LIVE(2022.4.29)出演:鈴木昇平・きゃしぃ

  7. LGBTQ銭湯 & Piano Vocal LIVE(2022.8.6)出演:Saito・Hirono・Ikuto

  8. トネリライナーノーツ & Jazz Piano LIVE(2022.9.29)出演:大島俊映・中村晃一

  9. 統一地方選 Talk LIVE(2023.3.18)出演:スクエアゼットほか

  10. WELL-Being Talk & Piano LIVE(2023.5.14)出演:mayukoほか

  11. LGBTQ+ & Child-Raising Talk & Piano LIVE(2023.6.24)出演:うすい愛子・美里

会場:Oji Tamagoma House(たまごまハウス)
王子駅徒歩3分
(住所は個別にお知らせいたします)

※ MELL-Beingは医療福祉系シェアハウスREGIEのアンバサダーによるイベントですが、社会文化系シェアハウスたまごまを会場として利用しています。

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