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vol.019 いとこ

東京で暮らす姉には息子がいて、私の娘と同級生。早生まれだから、娘より少し幼く感じるところもあるけれどお互いに一人っ子でマイペース。幼い頃は会えば喧嘩ばかりして姉も私もグッタリしていたが、大きくなるにつれ、喧嘩もするけれど楽しそうにじゃれ合って遊ぶようになり、春休みや夏休みを利用してお互いの家を訪問しあっている。

東京では大きな映画館や美術館へ行ったり、植物園やお寺の境内や国立天文台の敷地内をお散歩したり、菜の花の咲く野川沿いを歩き桜の花が咲く公園で遊んだりする。

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一方、八重山では毎日海で泳ぎ、ソーキそばやかき氷を食べ、お昼寝をしたり、夕日を眺めながらピクニックを楽しんだり、時にはフェリーに乗って石垣島や波照間島にも遊びに行く。

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昨年は春休みも夏休みも会えなかった二人。緊急事態宣言中のステイホームの時期には、お互いポップコーンとドリンクを用意してオンラインでビデオ通話をしながらNetflixで同じ映画を観て盛り上がったりしていた。

おてんばで物怖じしない性格の娘と、好きな物へのこだわりの強さでは誰にも負けない甥っ子。このデコボコなコンビも歳を重ねるうちに変わっていくのかな?と想像を巡らす。 

4月からはお互いに小学校生活最後の年が始まる。いっぱい遊べるうちに一緒に過ごす時間を作ってあげられたら良いなと思っている。

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今から約10年前、娘が1歳半の頃、東北の震災が起こった。東京から1歳になる前の息子を連れて、姉は竹富島に避難してきた。幼かった二人の記憶には残っていないかもしれないけれど、あの時がお互いに一緒に過ごした一番濃密な時間だったと思う。 

満開のデイゴの木の下で撮影した姉とまだ赤ちゃんだった頃の甥っ子の写真は、姉の家のリビングの棚に今でも飾られている。

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【水野暁子 プロフィール】
写真家。竹富島暮らし。千葉県で生まれ、東京の郊外で育ち、13歳の時にアメリカへ家族で渡米。School of Visual Arts (N.Y.) を卒業後フリーランスの写真家として活動をスタート。1999年に祖父の出身地沖縄を訪問。亜熱帯の自然とそこに暮らす人々に魅せられてその年の冬、ニューヨークから竹富島に移住。現在子育てをしながら撮影活動中。八重山のローカル誌「月刊やいま」にて島の人々を撮影したポートレートシリーズ「南のひと」を連載中。


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