認められるための秘訣
知り合いから「シロクマの屑籠」というブログが面白いと教えてもらって、さかのぼって色んな記事を読んだ。
ブログの管理人が書かかれた本も読んだ。面白かった。
著者は精神科医をしており、ブログでは現代人の社会適応やサブカルチャーについて発信している。
この本には、なぜ承認欲求が重要で、どうすれば承認欲求が上手く扱えるか、について書かれている。
ここでは、この本や自分が見聞きしたことを題材にして、認められるための秘訣について考えていきたい。
わたしはどちらかと言うと自信がない方だが、現実世界で「自信がない」という話をすると
相手に困った顔をされることが多い気がする。
なぜ「自信がない」という話が、人から鬱陶しがられるか考えてみると、
みんな「認められたい」と思っているからではないだろうか。
人が「自信がない」という話をする目的は、
「十分がんばっている」とか「自信がなくても大丈夫」というような承認や肯定を暗に引き出して、安心することだ。
しかし、相手も認められたいと考えていたとすると、普通はそんなに簡単には得られない承認を、「自信がない」という話で無理やり引き出してくるので、煙たがられるのではないだろうか。
熊代さんの本には、
「承認欲求をうまく扱えない人は、自分の承認欲求しか意識していない」
という趣旨のことが書かれている。
「自信がない」という話をする場合、相手の承認欲求を意識できていない。
承認欲求をうまく扱っている人がどのように振る舞っているかというと、
「褒めたり評価したりしてくれる人にきちんと”お返し”をする」
と熊代さんの本に書かれている。
そういう人は、自信過剰でも自信不足でもない、ちょうど良い雰囲気を持っていて、相手の話をよく聞き、相手をよく褒めるように振る舞っている。また、自分だけ褒められる状況になったら、同じくらい相手を褒めるように振る舞うそうだ。
だから、自信がなくて不安な時に、「自信がない」と率直に言うことは、一方通行の承認になりやすいので避けるべきだ。
自信を失っているときは、自分自身のことでいっぱいいっぱいになりやすく、人にまで気が回らない。
だから、自信を失っているときこそ、「自信がない」という話を自分からするべきではない。
さらに思い出すのは、ジェーン・スーと堀井美香のPodcast 番組「Over the Sun」で度々話題に上がる「Mステ理論」だ。
「Mステ理論」とは、「Mステに出るためには、Mステに出してくださいとお願いするのではなく、Mステ側から出てくださいと言われるようになれ」というものだ。
これはスーさんが音楽関係の仕事をしていたときに、「自分がプロモートしたいアーティストをMステに出すためにはどうしたらいいか?」と、百戦錬磨のプロモーターである先輩から言われたことに基づいている。
その答えは、「頑張っているとか、一生懸命やっていることがはげまされるのは家族や友人だけ。おまえがやっていることは仕事だ。だから、やれることは全部やれ。ただし、出してもらうためにじゃなくて、出てくださいと言われるためのことをやれ。」というものだ。
Mステのプロデューサーの耳に噂として入ってくるように、やれることを全部やれということらしい。
「Mステ理論」は、「認められる」こと全般に通用する理論だ。認めてほしいと自分から主張するのではなく、業績とか結果から認めさせることが、「認められる」ことの鍵ということなのだろう。「認められる」ために必要なことを全部やり、不要なことをなるべくやらないというのが、たった1つの認められるための手段なのかもしれない。
ここまで書いて、「認められたい」をうまく扱う秘訣は、
「認められたい」を前に出し過ぎない
ことなのだと思った。
熊代さんは、「とにかく認められたい」と相手のことをないがしろにすることをやめましょうと言っていて
スーさんは、「お願いしてでも認めてもらう」ことをやめましょうと言っているようだ。
どちらもやってしまいがちだが、本当は逆に承認は得づらい方法なのだ。
他人と関わる事に自信を持つこと(熊代さんが言う「承認欲求のレベルが高い」状態になること)は一朝一夕には叶わない。
自分の長所を伸ばして自信を持てるような経験を積むより他はないだろう。
そういった意味で、ブログやnoteで自分の経験や考えを書くことも、1つのトレーニングになる。
「まとまった文章を書ける」ということは、将来、必ず長所になっていくと思うので、これからも続けていきたい。
余談ですが
bluesky を始めてみました。
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