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スマホ用回線を au に変えた

正確に言えば、スマホで使っている 5G/LTE 回線を au回線使用の MVNO に変えた。

2022年7月2日に発生し、終息まで 86時間を要した KDDI の大規模障害で、回線が使えなくなって困った方も多かったと思う。


幸い私は、docomo系LTE(mineo dタイプ)、docomo系3G(HIS(b-mobile OEM) 自由自在290プラン)、KDDI系LTE(povo 2.0)、SoftBank系LTE(さくらのモバイルコネクト) の回線を契約しているので、通信/通話が停まっていて使えなかったのは povo 2.0 の SIM を入れてある 1台だけで Wi-Fi もあるので実害はなかったが影響を受けた人も多かっただろう。

障害発生の 2日後、KDDI の代表取締役社長髙橋誠氏(以下髙橋社長)と取締役執行役員専務兼技術統括本部長吉村和幸氏(以下吉村専務)の報告会見を見ていて、障害が起きてしまったことは問題だが、マイナーなトラブル(コアルータの故障、交換)への対応、緊急作業時におけるロールバックのスムースな実行など、会見からは KDDI に対して好印象を感じた。

特に、障害検知からのコアルータ予備機への切り替え(会見では切り戻し作業、と呼んでいた)がたった 42分で作業している点など、正直、どうやって実現しているのかさらに技術的な詳細を聞きたくなる。ちなみにコアルータというのは、ふつうなら企業で 1台(予備機も買えば 2台)、かなりの大企業でもデータセンターごとに 1台(か予備機入れて 2台)を入れる程度の、ものすごく高性能かつ高額な機材で、KDDI の場合は世界最大級のネットワークオペレータということもあって社内で数台の運用をしているようだ。

コアルータ(KDDI がどんな機種を使っているかは知らないが、カタログ製品だと Cisco 8818Juniper PTX10016huawei NE9000-20、など)は 1台だけで重さが 1t近くあり、電力容量20~25kW、価格はこの手の製品は保守契約とライセンスで大幅に変わってしまうためこれという数字が表に出て来ないが、安いモデルの素ライセンス状態でも買い取り時に 5,000万円以上、KDDI が使ってるような規模だと億円以上は軽くするという、とんでもないモンスターマシンだと考えてもらって良い(もちろん、小さい拠点であればもっと小型軽量安価のモデルを使っている可能性もある)。

どういう機種までをコアルータと呼ぶかは人によると思うが、私の中では冗長化のために物理的に複数の回線を接続していて、経路情報を BGP などで公告する運用を行っていればコアルータと言ってよいと思う。いわゆるキャンパススイッチと呼ばれる拠点ルータクラスでも、こういう運用を行ってる場合があるので 4スロット程度が入る、5~6U程度の小型のサイズのものを使っている企業も少なくないと思う。(この定義だとコアルータは、世界で予備機を含めず 15~20万台程度運用されていると思われる。これは IPv4 で使われるフルルートの BGP の経路情報のうち、/22未満の経路を除いた数から推察している)

こんなモンスターマシン、起動するだけでもかなりの時間が掛かるし、ここへ流し込む config の量を考えると、たった 42分で切り替えを行うなんて想像がつかない。もちろん、予備機なのですでに電源は入っていて、予め config も流し込まれており、接続している対向ルータとの間で経路を切り替えるための作業を行っただけだと思うものの、現場での作業を想像すると吐き気がしてくる。

閑話休題。私は 2014年から mineo という MVNO回線をメインで契約して使っている(個人だけでこれまでのべ 3回線、契約している)。

様々な MVNO回線に詳しい方だと、mineo はサービス内容の割に割高で、わざわざ選ばない、という方も居るだろう。

確かに mineo は他社の MVNO に比べると若干料金設定が割高で、ヘビーに使おうと思うと選択しづらいかもしれない。しかし、その反面、docomo、au、SoftBank の 3キャリアの回線を自由に選ぶことができ、いつでも気分で回線を変えられる、というメリットがある。

最低契約期間もないので気に入らなければすぐに他社へ移ってしまってもペナルティなどがない。

docomo、au、SoftBank の 5G回線も無料で対応しており、有効まで 1日程度掛かるものの mineoマイページというユーザがアクセスできる管理画面から有効無効をいつでも何度でも切り替えることができる。

何度かキャリアを変えているが、2022年6月までは docomo回線を使っていた。実はこの回線を、au か SoftBank に変えようと考えていたところだった。

大した理由ではないが、docomo回線のままだと自宅で 5G の電波を掴まないのである。docomo が公開している、5G のエリアマップでも我が家だけが見事に外されているのである。(数件お隣さんは、エリア内になっている)

妻が au を使っていて自宅でも 5G の電波をつかんでるのを横目で指をくわえて見ているしか無かった。docomo が公開しているエリアマップを見ていたら、4月くらいまでは 6月末予定エリアで我が家がカバーされていたものの、工事が予定通り進んでないみたいで、現時点で 9月末時点での提供予定エリアには含まれていない。(12月末時点エリアでは対象になっているものの、本当に対応するかは不明)

5G基地局に関しても、おりしからの半導体不足のあおりを受けて、予定通りに工事が進んでいないようだ。

そんなわけで、5G対応が一向に進まない docomo から、すでに 5G が使えるはずの au か SoftBank に変えようと考えていたところだった。

第一候補は SoftBank で、特に理由はないものの全国的に IPv6 の利用促進に積極的なので、そういうキャリアを応援したいと思ってのチョイスだった。

冒頭に書いた今回の KDDI の障害対応を評価して、微力ではあるが docomo回線から au回線へ変更することにした。


記者会見を YouTube で見ながら、2022年7月3日13時16分ごろ、mineoマイページからプラン変更を申し込み。


mineo のメールアドレス宛に、控えが送られてくる。


7月6日の昼過ぎ、クロネコヤマト宅急便で、SIMカードが届く。


au の 5G対応マルチサイズSIMカード。


APN の設定


mineo などの格安MVNO を使う場合、SIMカードを差し替えただけでは使えなくて、APN の設定を行う必要がある。

以下の作業、5G/LTE しか無い環境だと切り替え申請ができないので、もし Wi-Fi などが無い環境の場合は、先に mineoマイページから、切り替え作業をやっておく必要がある。(ただし、うまくつながらなかったとき、いままで使っていた SIMカードに戻すこともできなくなるので、できるだけ Wi-Fi 環境から作業したほうが良い)

スマホ本体の電源を切って SIMカードを入れ替え、起動する。


Android 12 の設定方法。設定画面から、ネットワークとインターネットをタップ。


モバイルネットワークをタップ。


下の方へスクロールして、アクセス ポイント名をタップ。


APN の設定は、mineo でも案内されている通り、APN が mineo.jp、ユーザ名が mineo@k-opti.com、パスワードが mineo

この 3点さえ間違ってなければ問題ない。名前は、自分がわかればいいので、aタイプだったことを忘れないようにするため、mineo-a とした。


入力後、戻ってしまうと設定内容が保存されないので、右上のハンバーガーボタンをタップして、保存する。


非アクティブなレディオボタンが現れるので、タップしてアクティブ化する。


回線の切り替え申請


Wi-Fi 環境か、Wi-Fi がなければ、他の人のスマホを借りて mineoマイページにアクセス、各種サポートの中にある MNP転入切り替え/回線切り替え手続きを行う。


SIMカードの台紙に書かれた、ICCID の下4ケタの数字を入力し、回線切り替えをタップ。

しばらくすると、mineo から回線切り替え完了の電子メイルが届く。


Android の設定に戻って、Wi-Fi をオフにし、機内モードに切り替える。


機内モードをオフにして数秒待つと、アンテナピクトが立つことが確認できる。


動作確認


mineo の回線から接続できてることがわかる。


回線試験の番号、「111」に発信して、使えていることを確認する。

しかし、残念ながら、5G のピクトはいまのところ立たないようだ。


さいごに


技術的な小難しい話題でしたが、最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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