カポーティ

る  私は、トルーマン・カポーティを読むことを避けていた。

  ティファニーで朝食を食べるとは、何て下品な人だと思っていた。

  しかし、最近『MONKEY』という雑誌を読んで、そこで、村上春樹氏が、カポーティを絶賛していたので読んでみると、こんなに繊細で完璧な文章を書く人がいたのだと驚いた。村上氏がいなければ、この方の文章は一生読むことはなかった。本当に感謝したい…。

  カポーティは、両親の離婚で南部の遠い親戚の家に預けられる。この時が彼の絶頂期であったようだ。その後、『ニューヨーカー』で働くわけだが、そんな事しないで、田舎でソローのような生活をすれば、彼は幸せな一生を送れたのにと思う。でも、そうなったので、仕方ない…。

  私も『ティファニーで朝食を』の主人公がホリーにそう願ったようにカポーティの居場所を見つけてほしかった。でも、アフリカの掘っ立て小屋であれなんであれとカポーティ自身も書いている所を見ると、カポーティ自身も自分の居場所をわかっていたのかもしれない …。何故そうしなかったのか、もう彼がいない今、永遠の謎である…


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