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Apple Computerの功罪 前編

今や知る人はいない、iPhoneを発売しているApple社。
1月24日はAppleの創業日だそうです。
アメリカの4大企業、GAFAの一角。
とんでもない大企業になったものです。
私が、Macintoshを使い始めた頃は、マイクロソフトに押されて
いつ潰れるかわからない会社でした。

元々は知っている方も多いと思いますが、スティーブ・ジョブズら
3名で始まった小さなパソコンメーカーでした。
カラフルなリンゴマークのApple Computerという会社名。
マウスを開発したりとか、今までにない使い易いOSが魅力な
パソコンが売りでした。OSにゴミ箱という概念を作ったのは画期的でした。
ゴミ箱はいまだにWindowsにはないです。
老若男女が簡単に使えることを目指したパソコン。

私が大学で初めて使ったパソコンが、Macintosh IIでした。
イラストレーターが3.0、フォトショップが2.0の時代でした。
フロッピーディスクでアプリケーションをインストール。
フロッピーディスクなんて若い人達は、知らないでしょう。
マウスで色々表現ができるんですけど、何ができるのか当時は
よくわからず、ポスターカラーとか透明水彩で作品作ってました。
それから1年ぐらいして、大学に新しいMacintoshが導入されました。
デスクトップ型のPower Macintosh7500と
タワー型のPower Macintosh8500。
CPUの処理速度が大きく向上し、本格的なMacでデザインする
時代の到来です。ストラタという3Dソフトも出てきました。
この頃のMacOSは、遊び心のあるOSでした。
漢字Talk7.5という日本語バージョン。
OSを立ち上げると誕生日にはHAPPY BIRTHDAYと正月三が日には
A HAPPY NEW YEARと表示されました。この頃の日本語変換は
おバカで、ジャストシステムのことえりを入れてる人が多かったです。
そしてMacintoshを改造ということも出来ました。
メモリの増設とか、CPUの交換とかもできました。
静電気で回路が壊れるとかで、全裸で中身をいじらなければいけない
という都市伝説も。水で手を洗って、静電気を放出すればいいだけ
なんですが。
バイトを頑張って、Power Macintosh7600/132を購入しました。
この時代アプリケーションがバカ高くて、Illustraterでも十数万円も
しました。大体の人が大学でアプリケーションをコピーして
使ってました。違法ですが、大学も黙認。
記録媒体は、MOディスクが一般的でした。230MBで1枚700円くらい
でしたかね。何度も書き換えができるので、重宝しました。
今みたいにUSBや外付けハードディスクが登場するのは、もっと
後のことです。ハードディスク1ギガ増設に1万円が相場。
あと書体が高かったですね。モリサワは今では、サブスク状態で
何書体も使えますが、あの頃は1書体3万ぐらいしましたね。
有名デザイン事務所でも行かないと、モリサワ書体は手に
入らなかったです。ダイナフォントがお手軽なフォントでした。
内臓されてた平成角ゴシックとか平成明朝使ったり。
Macがデザイナーのためのパソコンという認識になったのは、
AdobeがMacOSのためにアプリケーションを出して
いたからでしょうね。
ただ、当時のパソコンメーカーの王者IBMが、
Windowsを基本OSに採用していたので、Apple Computerの
業績は一向に良くなることはありませんでした。
風前の灯火でした。

大学を卒業するちょっと前に、
Apple Computerを追い出されたスティーブ・ジョブズが
戻ってきました。新しいキャンペーン広告を展開。
モニタとハード一体型のiMacがついに登場。
(それまでにもパーフォマという機種がある)
ローリング・ストーンズの曲に合わせてカラフルなiMacが
回るCMを覚えてる人もいるんじゃないでしょうか。
デザイナー向けには、ちょっとスケルトンなタワー型の
Power Macintosh G3が登場。Apple Computerの逆襲が始まります。

ただ、グラフィックデザインをMacで行うことが一般化すると、
書体を入力して紙焼きに焼き付けて販売する写植屋さんが
廃業に追い込まれました。
写植屋さんが組む文字の箱組みは綺麗でした。
かつてのデザインは、写植屋さんに打ってもらった文字をペーパーセメントで版下台紙に貼っていました。そこでデザイナーは文字詰めの訓練をしていました。その版下をポジとともに、製版所や印刷所に入稿。
初校がどんな感じで出てくるのかドキドキでした。
私は写植を使った版下を作る最後の世代になりました。
今の広告の大半が、文字詰めが汚いのはこういう作業をしてないからです。
当時は、写植にしかない書体とかあったので(写研の書体はまだ写植だけ)
キャッチコピーだけ写植の文字を入稿というのもありました。

それからPower Macintosh G4が発売。MacOS8にバージョンアップされ、
ついにiTunesが発表されました。
これは音楽業界に激震を起こすことになります。
続きは後編。







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