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七回忌

六月末に、父の七回忌を終えた。

4年ぶりの喪服も、お焼香も未だに緊張する。

それでも手を合わせている間は、少しだけ父との距離が近付ける気がして、正直なんて言っているか解らないお経にもなるべく耳を傾けた。

あの日から六年が経った。
毎日仏壇に手を合わせ、毎月お墓参りに行って、毎年命日には家族で父の話をした。

あれから私は六つ歳をとって、不安がっていた管理職も少しは板に付いてきた。当時仕事を辞めて四六時中 父のそばにいた妹は、あの時よりもいい仕事に就いて頑張っている。姉は結婚して子どもが二人産まれた。父が生きていたら、きっと溺愛してただろうなと思う。母は相変わらずお喋りで、パワフルに働いている。

変わったことと変わらないこと。
そのどちらも父は知らない。

「お父さんは令和になったこと知らんとよね」と呟いた妹の一言がやけに胸に刺さった。

まだまだ悲しみを手放すことはできないし、ふとした瞬間に思い出すのは楽しかった思い出ばかりで、それが余計に悲しくさせる。

だからと言って、いつまでもメソメソしてるわけでもないし、どちらかと言うと最後はみんなで笑って終わるのがうちの家族のいいところでもある。

今日も仏壇には大好きだったコカ・コーラとマイルドセブンと嬉しそうにピースする父の笑顔が変わらずそこにあって、いつでも一番近くで見守ってくれている、、よね?お父さん。

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