紙よりもSpringin’のほうが作りたいものを作れる ― ビジュアルプログラミングアプリ「Springin’」ユーザーインタビュー
ゲームやデジタル絵本など自分が作りたいものを何でも作れる魔法のビジュアルプログラミングアプリ「Springin’(スプリンギン)」。自分で作った作品をアップロードして他のユーザーに遊んでもらえるマーケット機能を使って、毎日たくさんのユーザーのみなさんが自慢の作品をアップしてくれています。
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最近はテーマを設けて作品を募集するキャンペーンを開催し、昨年はハロウィンとクリスマスをお題にしました。応募作品はSpringin’のスタッフはもちろん、普段からデジタルとクリエイティブの仕事に関わるデザイナーやエンジニアも参加して審査し、優秀作品としてウェブサイトで発表しています。クリスマスワークの優秀作品は下記の記事でご紹介しています。
クリスマスワークの優秀作品を発表したあと、Springin’を開発するしくみデザインに一通のメールが届きました。差出人はクリスマスワーク優秀作品の一つに選ばれた「がんばれ!サンタさん☆」をつくったゆうしくんのお母さん。「Springin’を作っている人に会いたい!」ということだったので、会社見学に来ていただくことにしました。
まずはしくみデザイン代表の中村俊介と記念写真をパシャっと。
ゆうしくんがSpringin’に出会ったのは2018年の10月。お父さんが「プログラミングの学習に使えるアプリはないかな」とAppStoreを検索して発見してくれたそうです。ということはゆうしくんがSpringin’を使い始めてまだ3ヶ月ちょっとしか経っていないはず。それでも「がんばれ!サンタさん☆」のような面白くて高度な作品を作ってくれました。
そしてゆうしくんのiPadのSpringin’を見せてもらうと、そこにはアップロードしきれていないワークがたくさん! この量にスタッフはとにかく圧倒!!!
次から次へと自分が作ったゲームをプレイしながら解説してくれるゆうしくん。その様はもうゲーム実況YouTuberさながら。ただYouTuberと大きく違うのは「そのゲームはどうやってつくったか?」「なぜこの部分はこのように作ったか?」も実況すること。ゲームの面白さはもちろん、そのゲームに隠された工夫まで教えてくれるゲーム実況は本当に楽しかったです。
「今日印象に残ったこと」をSpringin’でスケッチする
一緒に来てくださったお母さんやお父さんにお話を伺うと、ゆうしくんの作るワークは「その日に印象に残ったこと」がテーマだそう。例えばiPhoneで面白いアプリがあったら、それをまねて作ってみたり。ゆうしくんの『Super Mario Run』や『Pokémon GO』をオマージュしたワークも見せてもらいましたが、非常に完成度が高く驚きました。そしてすでにあるアプリと同じ機能を自分で実装してみることって、プログラミングの学習に欠かせない勉強法でもあります。
「印象に残ったこと」はもちろんゲームだけではありません。こちらは池の鯉に餌をやることのできるアプリ。家族で大濠公園に行って池の鯉に餌をあげた日の夜に作ったとのこと。これはもうビジュアルプログラミングを使った新しい絵日記の形と言えるかもしれません。
Springin’に出会う前は紙にコースを書いて、その上で紙で作ったキャラクターを動かして遊んでいたとのこと。でもSpringin’を使えば、これをiPadで自分でアプリみたいにゲームにして遊べるし、他の人にも遊んでもらえる。これがゆうしくんがSpringin’にはまったきっかけだったそう。「紙よりもSpringin’のほうが、作りたいものを作れる」という言葉にスタッフは胸が一杯になりました。
ゆうしくんのiPadにはSpringin’以外にもたくさんのアプリが入っていました。『Super Mario Run』などのゲームはもちろん、ScratchやMinecraftなどのプログラミングの学習にも使われるアプリも。ただScratchやMinecraftは他の人が作ったものを遊ぶことがメインで、自分で作品を作ることにはもっぱらSpringin’を使っているそう。
最近はSpringin’の画像取り込み機能を使って、写真やアプリのスクリーンショットをSpringin’に取り込んで新しい作品づくりに挑戦中。画像の加工は別のアプリを使って、必要なところだけを切り抜いて素材を作っています。切り抜き作業の速さと正確さには目を見張ってしまいました。
ゆうしくんの語ってくれたSpringin’の魅力にはもう一つありました。それはマーケットにアップロードされている他の人が作ったゲームで遊べること。最近はおもしろかったゲームを作った作者をフォローして、次の作品がアップロードされるのを心待ちにしているとのことでした。以前にご紹介したわたるくんの作品には特に注目していて、ワークをダウンロードして遊んで、そしてそのゲームがどうやって作られているかを分析して、自分の次のワークづくりに活かしているそうです。もうこれは立派なゲームプログラマー!
「なぜ?」に向き合うお父さんとお母さんのサポート
あっという間の1時間の会社訪問も終了。会社訪問のあとにゆうしくん、そしてお父さんとお母さんから丁寧なお礼状をいただきました。その一部をご紹介します。
ゆうしくんはSpringin’でのワークづくりを通じて、もうデジタルツールを使ったクリエイティブの手法の基本はもう身についていましたし、ある機能を実現するために問題を分解して考え、それを組み合わせて解決する「プログラミング的思考」もできていました。そしてなんといってもクリエイティビティを育むことに不可欠な「作りたい!」という熱意を感じました。
そしてこの「作りたい!」気持ちを持ち続けられているのは、お父さんとお母さんのサポートの賜物です。お話の中で印象に残ったゆうしくんとお父さんのやり取りをご紹介します。
お父さんもお母さんもプログラミングの経験はないそうですが、しかしゆうしくんの「なぜ?」に向き合って、Springin’のウェブサイトや動画チュートリアルを見ながら一緒に考えてくださっていました。しかし基本的な機能が理解できると、そこからはゆうしくんが自分で試行錯誤しながらワークを作るようになっていました。一緒に助走すること、そしてわからないことがあったときにこどもと一緒に考えてあげることが、プログラミング的思考、そしてクリエイティビティを伸ばすキーとなります。助走にそんなに長い時間は必要ありません。冒頭で書いたとおり、ゆうしくんはSpringin’を始めてまだ3ヶ月しか経っていないのです。
私たちはアプリの機能向上はもちろん、チュートリアルやカリキュラムの整備などを通じて、親御さんも子どもと一緒にプログラミング教育に取り組んでいただけるような環境整備を目指していきます。
ゆうしくんはもう立派なクリエイターだと私たちは感じました。引き続きSpringin’で作りたい気持ちをカタチにしつづけてほしいと心から願っています。