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「もう歳だから」

そろそろ年度末。毎年この時期はバタバタと仕事が入っています。

朝起きて食事をした後から仕事を始め、寝る直前までお金を稼ぐ作業をする今の生活。そんな生活はいつから始まったのか、あまり覚えていません。

結婚して正社員を辞めてからは、もう正規職員で働くことは出来なくなりました。今思えば結婚って社会からの撤退であり、一種のセミリタイアだったのだと思います。もちろんそれ以降も働いていますが、正社員ではありません。

実は正社員でいた頃よりも、今の方が仕事への考え方は厳しい私です。私が複数掛け持ちしている仕事の大半は仕事にかかった時間ではなく、成果で報酬を受け取る仕事。となると仕事の質を落とせないうえ、量をこなさないと生活できません。

そのバランスが崩れると、仕事を失うか健康を失うかのどちらかに転びます。

新しいやり方や流れについていけないといけませんし、引き受けた以上「できません」となると、次の仕事はもらえません。

自営業のいいところは、横が見えないことです。ひたすら自分の仕事の質を求めていけばいいだけで、余計な情報は入りすぎません。

ただ、たまに「いつまでこんなこと続けていかなきゃならないんだろうなあ」と思うことがあります。そんなときは心が疲れているサインだととらえ、仕事を減らして休み休み、続けています。やるか辞めるかではなく、仕事量を調整できる。これもまた自営業のいいところです。

そんなとき「もう歳だからなあ」とふと、つぶやくことがあります。

これは魔法の呪文です。

そろそろ自分の実力不足と思うには疲れてきています。「この仕事、向いているのか向いていないのか?」そんなことをかんがえて、転職するパワーなんてありません。別の世界に行ってみたいなんていう、夢もありません。

働き始めてもう45年近く。おそらく定年はありません。働けなくなったらおしまい。そんな老後まで見通しています。

これからの若い人たちが作っていく社会の隅っこで、できる範囲でお勤めをさせて頂く。体調と相談して、仕事を減らしたときには生活も慎ましく。頑張って仕事量をこなしたら、少しだけ自分を労わることにも使う。寄付をして、社会の不条理のなかで奮闘している誰かを応援してもいい。

少なくとも、もう自分は成長を目指さなくていいんだ。

私にとって「もう歳だからなあ」は、身の丈の範囲で頑張ってきた自分を赦す一言なのでしょう。


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